インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班

奥村茉実が、PC-9801版「サイレントメビウス」にのめり込んだ2日間。マンガ原作のアドベンチャーゲーム

 こんにちは、奥村茉実です! 今回私がプレイしたゲームは1990年にガイナックスから発売されたPC-9801版「サイレントメビウス」です。これはアドベンチャーゲームの1つであり、麻宮騎亜氏作のマンガ「サイレントメビウス」が原作になっています。Project Eggで440円(月額料金別)で購入可能です。

レトロゲームは、ビジネス向けのPCでもさくさく動くということで、この連載ではマウスコンピューターさんの「mouse K5」を利用していきます。おもな仕様は、Core i7-10750H、メモリ16GB、GeForce MX 350、SSD 512GB、フルHD液晶を搭載しています。レトロゲームをプレイするさいの参考にしてください
オープニング画面

 軽くストーリーを紹介します。舞台は2026年の東京。平和な日常の中、突如上空に煙を出しながら月へ向かって航行していく巨大な船が現れます。その船は毎日同時刻に現れては消えを繰り返し、警察や軍隊も動き出しましたが近づくことはできず、船の中に人がいること、船は1912年に沈没したタイタニック号であること以外の手がかりはありませんでした。そんななか、政府によって集められた対妖魔特殊警察の6人がこの謎の事件の解決を試みます。

まずはストーリー紹介からはじまります

 まず最初にしたことは、登場人物(特に特殊警察の6人)を覚えること。この先自分は6人とどのようにゲームを進めていくか、まずは抑えておくべきかと思い、マニュアルを読んで名前と能力をセットで覚えるようにしました。ここで、レビアという情報分析能力に優れる女の子が、今後何か役割を果たしてくれそうな予感がして気になっていました。

 ゲームがはじまると、船中を捜索し、事件の解決へと向かいます。このゲームはコマンド選択方式のアドベンチャーゲームで、「LOOK」、「TALK」、「MOVE」から行動を選ぶことができます。ひとまず移動しては、いま並べた順番に行動するようにしました。

 行動を選択すると、どこの部屋に入るか、誰に話しかけるかなどを選ぶことができるので、できる限り全部を選択します。しかし、そんな甘くはなかったです。たとえば、ある階の「TALK」でAを選び、次にBを選ぼうとしても、場所によっては他の選択肢は選べなくなっていることがあるんです。色んな選択肢を試すことができると思っていたので、「こっちを選んでいたらどうなっていたのかな……」と、思うことがたくさんありました。アドベンチャーゲームもこれが初なので、こういう体験は新鮮でした。

基本行動として、「LOOK」、「TALK」、「MOVE」から行動を選びます
今回取ったメモ
船内の各階では、こんな感じで異なる選択肢が出てきます

 何分かプレイして、とりあえずの目的は、船内で船長と女考古学者(その子供)を探すこと、ということがわかり、そこからはその人たちの捜索に集中しました。さまざまな場所で手がかりを見つけ、探しますが、探す相手も船のなかを次々移動していてなかなか見つからず、とてももどかしいんですよね。

 そうして船中の体育館を捜索していると、いきなりのバトル! 戦闘もコマンド選択方式で、初期のドラクエのようなターン制です。私の唯一の支えとなるマニュアルで各キャラの戦法を見ながら、最初はなんとなく6人を操ります。各キャラに個性がありますが、なかでもキディという全身の70%がサイボーグでできている女の子が最強で、可愛い顔をしつつ敵の顎を一瞬で砕くんです……。これは痛そう……。

可愛い顔して、敵の顎を粉砕するキディ

 初戦が終わると6人は3人ずつで行動することとなります。ゲームの主人公(プレイヤー自身。私は自分のあだなである「おくむー」と名付けました)と原作での主人公の香津美のほか、もう1人を自分で選ぶことになります。ここでは、最初から気になっていたレビアを選びました。

 全フロア全部屋を回ってみるものの、なかには船長の許可証がないと入ることができない場所が多々あり、死に物狂いで船長を探します。そうしてる間に、ラウンジでのおくむー(主人公)の突然のキスシーン、そして、おくむーだけが周りと感覚がずれていくような場面などなど、いろいろと「これはなにかの伏線か……?」と思わせる演出が緊迫感を高めます。

 なんどかこなしてある程度慣れてきたので、中盤以降の戦闘では、パターンを自分で作りあげました。おもに、最初はオートモードを一通りやり、敵が弱まってきたところで、1人ずつの攻撃を手動で選択して組み合わせるようにしました。結界を張らせている間に、もう1人が攻撃するかたちが理想なんですが、敵によっては結界が何度も破られ、なかなかうまくいかないんですよね。

おくむーは、キスシーン以降奇妙な言動をはじめます
戦闘シーン

 プレイ2日目。船長をやっと見つけましたが、嫌われてしまい、何度も話し、戦いを繰り返していき、なんとか許可証を貰います。これでプレイ1日目は、許可証がなく入ることができなかった場所にも入れるようになったので、手がかりもだいぶ集まり、驚くほどすらすらと進みました。

 軽く流れだけ説明しますが、その後は、女考古学者とその子供たちにも会うことができ、なぜこのような謎の事件が起こっているのかという一番カギとなる部分も判明します。

 最後は、大きなバトルです! ここはさすがに再集結した6人全員で戦います。長いバトルになりましたが、なんとか無事今回の大ボスである石像を倒し切りました。

ラスボスとの戦闘!

 今回も前回同様、これまで触れたことのないジャンルのゲームであり、システム自体にも新鮮な気持ちで楽しくプレイできました。一方で、この前のイース同様、手動でセーブするというレトロゲームならではの恐怖の習慣にも随時追われていました(笑)。

 途中でフロッピーディスク(Project Egg版は仮想ディスクです)を切り替えるという作業もあり、これもまったく馴染みのないアクションでしたね。

 このゲームもPC-9801版ということで、BGMはレトロ感満載でしたが、シーンによっていろんな曲が用意されていて、雰囲気を盛り上げてくれます。ちなみに、オルゴールが出てくるシーンでは、オルゴールの音がレトロ風だけど本物のように鳴り、驚かされました。

 今回はマンガがゲームになったとのことで、バトルや推理以外だけでなく、ストーリー自体も楽しむことができ、映像ではあるものの、マンガを読み進めているような感覚でした。「え! そういうこと!?」、「ここに話がつながるのか~」と、伏線も盛りだくさんで、2日間のめり込むようにプレイして、クリアを迎えました。クリアしてみると、あっという間でしたね。

 ただ、「あそこでこっちを選んでいたら……」や、「グループ分けで違う人を選んでいたら……」という疑問も残るので、時間があったら、別の選択肢でもまたプレイしてみたいと思わせてくれるゲームでした。

今回は2日間でエンディングに到達しました!
インプレスe-スポーツ部 女子レトロゲーム班『サイレントメビウス』第1回
インプレスe-スポーツ部 女子レトロゲーム班『サイレントメビウス』第2回