インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班

奥村茉実、初のレトロゲーム「PC-9801版イース」。気がついたらはまりすぎて全制覇!

今回プレイしたのはPC-9801版初代「イース」

 こんにちは奥村茉実です。今回私がプレイしたゲームは、1987年に日本ファルコムから発売されたPC-9801版「イース」というゲームです。このゲームはアクションロールプレイングゲームで、その第1作になりますが、そこから30年以上続いてシリーズ化されています。Project Eggで440円(月額料金別)で購入できます。

 冒険家で好奇心旺盛なアドルという少年が、イースの世界にあるたくさんの謎を1つ1つ解決し、冒険を進め、最後には本当の冒険の目的を知るというストーリーになります。カギとなる多くの謎を解決するなかで、アドルはたくさんの人に出会い、敵を倒して自分自身を強くしつつ、たくさんの試練を超えていきます。

オープニング画面
レトロゲームは、ビジネス向けのPCでもさくさく動くということで、この連載ではマウスコンピューターさんの「mouse K5」を利用していきます。おもな仕様は、Core i7-10750H、メモリ16GB、GeForce MX 350、SSD 512GB、フルHD液晶を搭載しています。レトロゲームをプレイするさいの参考にしてください

 まずレトロゲームやRPGをこれまでまったくと言っていいほどやっていなかったため、ゲーム性自体に慣れるところからスタートしました。ゲームを進めるには何をすることが必要なのか、どのように進めるのかを推測しながら動かしてみました。経験値や所持金だけでなく、最初は体力ゲージも少ない状態からのスタートなので、細かく攻撃力や防御力なども上げていく必要がありました。

Sキーで各種ステータスを表示

 このゲームで敵を倒すには「半キャラずらし」という、敵に体を半分ずらしながら当たっていく方法が必要でした。「半キャラずらし」をすると自分の体力を維持したまま敵の体力を減らすことができます。最初にたくさん敵がいる広い草原で何度も練習しましたが、敵がいきなり方向転換をしたり、自分には半分ずらしているように見えても、じつはずれていなく、どんどん体力が減っていったりと、かなり苦戦しました。

こんな感じで、上下あるいは左右に半キャラ分ずらした状態で攻撃するのが「半キャラずらし」

 RPGは出てくる説明文や会話文にヒントが隠されていて、文字を読むことがとても重要になります。ので、最初はバルバドの港町にいる町の人全員に話しかけたり、入れる場所すべてにとりあえず入ってみたりと情報収集をしましたが、街中を歩くキャラクターには正面からぶつからなければ会話をすることができず、そこでも「半キャラずらし」の時と同じ苦労を味わいました。

 さらに私は文字を読んで即座にストーリーの繋がりに気づいたりすることが苦手なので、いつでも見返すことができるよう、会話はすべて写真を撮っておくことを癖付ました。

こういう会話とかは、しっかり覚えていないと謎が解けなかったりするので、私は写真に撮って保存しておきました

 はじめてやるゲームなので、地図を把握するのにも時間がかかりました。「えっ、ここに道あったの!?」という時や、道が覚えられないほどグネグネで、迷子になることも多々ありました。暗闇のなかを歩く箇所や、からくりのような作りになっている箇所もあります。そこで、わからなくなったとき、簡単に戻れるように、自分で行き方や目印をメモに取るようにしました。

地図を把握するため、スマホのメモを活用

 そして何よりも苦戦したのがボス戦。今回のイースでは、ボスと戦う場面が7回ありました。まずはじめに、自分の体力がなぜ減らされるのか、逆にボスの体力はどのように減らすのか、そして、ボスの動きにパターンはあるのかの確認からはじめます。何度もやられ、1体のボスに対して2~3時間は費やし、計100回以上は繰り返し挑戦したのではないでしょうか。それほど毎回、ボスを前に苦しい時間が続きました。

 1体目のボスはジュノクレスというボスです。壁から横長に出てくる数本の炎のなかに、上下左右あらゆる所に現れます。私は炎に当たっても、とりあえず自分の体力が先にゼロにならなければいいという気持ちで、何度も体当たりをしました。

1体目のボス「ジュノクレス」

 2体目のボスはニグティルガーという毛虫のようなボス。このボスは1体目の時のように、最初から体に突進してみたところ、一発で倒すことが出来ました。

2体目のボス「ニグティルガー」

 3体目はヴァジェリオンというコウモリのようなボスでした。小さいコウモリが合体して大きなコウモリになるという動きを繰り返していました。巨大なコウモリになる、あるタイミングで当たればいいことに気づきましたが、その絶妙なタイミングを掴むまでに試行錯誤しました。それに、小さいコウモリはアドルの動きに合わせて向かってくるので、逃げることに必死でした。

3体目のボス「ヴァジェリオン」

 4体目はピクティモスというカマキリのようなボスでした。3つのカマをランダムに投げてきます。カマキリの手元にカマがないときに、行き来するカマに当たらないよう攻撃するのが大変でした。

4体目のボス「ピクティモス」

 5体目はコンスクラードという岩のボスでした。私ははじめ、ずっとダメージを奪うことが出来る部分を勘違いしており、そこに気づくまでに時間がかかりました。このボスは、攻撃するよりも周りから飛んでくるたくさんの石を避けることに苦戦しました。

5体目のボス「コンスクラード」

 6体目はヨグレクス&オルムガンというボスでした。2つの大きな顔が火玉などを周りでクルクルさせながら、決まった動きをしていました。自分の方には向かって来ないため、一見簡単そうに見えましたが、やはりここでも周りの小さな障害物を避けるのが大変でした。ちなみに私はこのボス戦が一番苦しかった覚えがあります。

6体目のボス「ヨグレクス&オルムガン」

 最後のボスはダルク・ファクトというボスでした。このボスはダメージを与えると、与えた時にいた地面に穴が開きます。この穴が開く位置をよく考えて攻撃をしないと、後々自分が周りの小さな障害から逃げたり、ボスに攻撃するための移動ができなくなるので、後を考えて動くという戦略でいきました。

最後のボス「ダルク・ファクト」

 今回の記事を執筆するに当たり、最後までクリアすることが条件だったわけではありませんし、すべて配信をする必要もなく、キリのいいところでやめて、この記事の作成に取り掛かることは可能でした。ですが私の負けん気がそれを許しませんでした。倒される度にむしゃくしゃするのに、なぜかそこを超えてスッキリするまでやめられず、納得いくまで敵を倒し、謎を解決するまで続けていました。

 でも、進めるごとに達成感を味わい、それを覚えたがために、気づくと次、また次へとどんどんやりこんでいました。さらにやりこむごとに仕組みやからくりを理解できるようになり、次に行き詰った時は、「あの時あれを使って行けたからここでもやってみよう」、「ここでもこのやり方で行けるかな」と、それまで地道に蓄えていた知識を活かすことができ、やりがいを感じました。

 慣れていくにつれて、地図や仕組みを把握し、いつの日かスラスラと進めていることに楽しんでいる自分もいました。今回のイースには想像を超えるトラップがたくさんあり、何度も行き詰るのに、なぜかその先を目指そうと奮起させてくれる魅力があるゲームでした。

ついに感動のエンディング!

 時間をかけてレトロゲームをプレイするのは今回がはじめてでしたが、最近のゲームとはまた違うレトロ特有なグラフィックと音楽で、あのBGMはクリア後の今でも時折口ずさんでしまいます。

 会話文などが全て平仮名表記だった点や、操作方法が最近のものと比べて単純だった点が、逆に難しさを感じました。さらに、自分でセーブとロードをするということも慣れない点の1つでした。そもそも最近のゲームの自動セーブや再スタートが普通だと思っていたため、手動でセーブやロードをするということ、それらを行なうタイミングを掴むまでに時間がかかりました。

 毎回ゲームをはじめる度に初期段階の状態になっているので、「え!? あんなに進めたのにセーブされてない……」ということや、夢中になりすぎてセーブを忘れ、ふとした時にゲームオーバーになりやり直しということも多々ありました。

 そして悲劇と言ったらこれを語らずにはいられません。私はあと一歩で完全にクリアというところで、一度最初からやり直しているのです。と言うのも6体目のボスと戦うことができるレベルの装備を見つけないままボス戦へ突入したのです。それだけなら、戻ってまた装備を見つけてからボスの場所へ行けばいいと思いますが、それはできませんでした。なぜなら私はもう戻れない場所でセーブをしてしまっていたのです……。

 選択肢としては、自分はノーダメージで100回ほど相手に攻撃を当てるか、一からやり直して、このボスと戦うのに必要な装備を見つけて戦う、ゲームのプレイ自体をやめて、ここまでの内容で記事を書くかのどれかでした。そして、私は迷わず一からやり直す選択肢を選びました。

 ちょっと前までの私だったら、「プレイはここまでにして記事を書きます」と言っていたと思います。しかし、そんな私が一からやり直し、完全にクリアすることを目指そうと思えたのはイースのおかげだと思います。もちろん楽しくやりがいがあるゲームだからというのもありますが、何よりイースをはじめてから、忍耐力や諦めない精神が身につきました。これは今後この連載を続けさせていただくなかで大切なことですし、初回でここまでやりこみ、完全にクリアできたことはとても大きな自信になったと思います。

 改めてプレイ配信は連続8日間、約20時間、見苦しい場面もあったとは思いますが、配信のご視聴や応援ありがとうございました。引き続き宜しくお願いします。イース続編もまたいつかできますように…!

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