西川和久の不定期コラム

約1Lの筐体に第12世代Coreを搭載したコンパクトPC!「NEC Mate タイプMC<MC-C>」。光学ドライブとの一体感も高い

Mate タイプMC<MC-C>

 ここのところデスクトップPCに関してはNUCタイプのものが続いているが、今回はNECの企業向けでコンパクトなPC「Mate タイプMC<MC-C>」が編集部から送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

約1Lのコンパクトな筐体へ第12世代Core i(T)を搭載

 今回ご紹介するMate タイプMC<MC-C>は、約1Lの筐体(電源はACアダプタ)に第12世代Alder LakeのCore i7-12700T、i5-12500T、i3-12100T、そしてCeleron G6900Tを搭載可能で幅34.5mmとスリムなPCだ。SKUの型番から分かるように、デスクトップ用だが全てTタイプ=省エネ型が使われている。

 本機はモデルごとに完成品+カスタマイズではなく、まずフレームモデルと呼ばれるベーシックな部分(メモリ/ストレージなし)の価格があり、ディスプレイ、ストレージ、メモリ、光学ドライブ、Wi-Fi&BT、キーボード・マウス、そのほかのオプションなどの有無によって合計金額が変わる仕組みだ。

 最小構成は、Celeron G6900T/メモリ4GB/HDD 500GB/Wi-Fi&BTなしで16万400円(税別)と、サポート付きの企業向けだけあってスペックの割に定価は割高となる。ただし直販の「Web得選街」でほぼ同じ構成のモデルとなる「Mate J タイプMC<MC-C>」は7万1,027円(税込)からとなっており、実質は半額以下となっている。

 今回手元に届いたのは、Core i5-12500Tをフレームモデルとして、16GB、暗号化機能付SSD 256GB、DVDスーパーマルチドライブ、Wi-Fi&BTをセレクトしたモデルだ。主な仕様は以下の通り。

NEC「タイプMC<MC-C>(MKN44/C-C)」の仕様
プロセッサCore i5-12500T(6コア12スレッド/2~4.4GHz/キャッシュ 7.5MB, 18MB/TDP 35W/ターボパワー 74W)
メモリ16GB/8GB×2(SO-DIMM PC4-25600/最大32GB)
ストレージSSD 256GB(暗号化機能付)
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
OSWindows 10 Pro(Windows 11 Proライセンスからのダウングレード)
グラフィックスIntel UHD Graphics 770/ミニD-sub15ピン、HDMI、DisplayPort
ネットワークGigabit Ethernet、Wi-Fi 11ax対応、Bluetooth
インターフェイスUSB 3.1×4、USB 3.0 Type-C×1、 3.0、USB 2.0、音声入出力
サイズ/重量34.5×18.29×179mm(幅×奥行き×高さ/光学ドライブなし)、重量1.28kg(光学ドライブあり2.04kg)
価格30万2,400円(税別)

 プロセッサは第12世代Alder LakeのCore i5-12500T。6コア12スレッドで、クロックは2GHzから最大4.4GHz。このSKUはPコアのみでEコアはない。キャッシュは7.5MB/18MB、TDPは35Wでターボパワー時74W。末尾にTがあるため省エネタイプとなる。

 参考までにTなしのi5-12500だと、コアの構成は同じだが、クロック3.0GHz〜4.6GHz。TDPは65W/117Wと結構変わってくる。また別途vPro Essentials搭載モデルも用意されている。

 メモリはSO-DIMM PC4-25600の8GB×2の計16GB。最大32GBまで搭載可能だ。ストレージは暗号化機能付きの256GB SSD。OSはWindows 10 Proだが、これはWindows 11 Proライセンスからのダウングレードとなる。ビルド21H2だったので、この範囲でWindows Updateを適応し評価した。もちろんWindows 11へのアップブレードも可能だ。DVDスーパーマルチドライブはオプション扱いで、手元に届いた実機には装着済みだった。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 770。出力用にミニD-sub15ピン、HDMI、DisplayPortを装備。今どきこのクラスでミニD-sub15ピンを使うケースはあるのだろうか。

 ネットワークはGigabit Ethernet、Wi-Fi 11ax対応、Bluetooth。そのほかのインターフェイスは、USB 3.1×4、USB 3.0 Type-C×1、USB 3.0、USB 2.0、音声入出力。

 本体サイズは34.5×18.29×179mm(幅×奥行き×高さ/光学ドライブなし)。光学ドライブありの時は幅63mmになる。ACアダプタ仕様ということもあり筐体は約1Lとかなりコンパクトだ。重量は1.28kg(光学ドライブあり2.04kg)。この特性を活かして、ディスプレイの裏に装着可能なよう、VESAマウンタも用意されている。

 価格は今回の構成(11ダウングレード、暗号化機能付きSSD 256GB、メモリ8GB×2、光学ドライブ、LAN/Wi-Fi/BT、再セットアップ用媒体/なし)で30万2,400円。ただし先述の直販での販売例の通り、企業が導入する際はこの価格より大幅なディスカウントが適用されることだろう。

iPhone 13 Proとのサイズ比較。筐体は約1Lタイプだけあって結構コンパクト
前面。音声入出力、USB 3.1、USB 3.0 Type-C、電源ボタン。サイドにDVDスーパーマルチドライブがあるので幅63mm
背面。Wi-Fiアンテナ、USB 3.1×2、USB 3.0、USB 2.0、HDMI、DisplayPort、電源入力。DVDスーパーマルチドライブ側にUSB Type-Bを備えている
サイド(左)。四隅に横置き用のゴム足と、中央付近にVESAマウンタ。写真はないが、下側面にも縦置き用のゴム足がある
DVDスーパーマルチドライブとの接続。専用ケーブルで短くシンプルに接続
Wi-Fiアンテナ
ACアダプタとスタンド。ACアダプタのサイズ105×43×28mm(幅×奥行き×高さ)、重量226g、出力20V/3.25A(65W)。この2つは添付品
重量は実測で1,939g(DVDスーパーマルチドライブあり)
オプションのキーボードとレーザーマウス。テンキーの有無、光orレーザーの組み合わせが可能

 筐体はiPhone 13 Proとの比較からも分かるように約1Lでコンパクト。ただこのサイズで実測1,939gなので、持ち上げるとズッシリ重い感じがする。写真はないが、縦置き時、下側面にもゴム足があり、縦置きでも横置きでも対応できる。また付属のスタンドを使って少し傾ける置き方も可能だ。

 前面は、音声入出力、USB 3.1、USB 3.0 Type-C、電源ボタン。サイドにDVDスーパーマルチドライブ。このDVDスーパーマルチドライブはオプションなので、ないとその分薄くなる。背面は、USB 3.1×2、USB 3.0、USB 2.0、HDMI、DisplayPort、電源入力。DVDスーパーマルチドライブ側にUSB Type-B。付属のACアダプタは、サイズ105×43×28mm(幅×奥行き×高さ)、重量226g、出力20V/3.25A(65W)。

 写真からも分かるように、Wi-Fiはロッドアンテナを装着可能。本体とDVDスーパーマルチドライブとの接続は専用の短いUSBケーブルで邪魔にならないようになっている。

 ちょっと面白い工夫としては、VESAマウントでディスプレイの裏に本体を設置した場合、電源オンするにはディスプレイの裏へ手を回して電源ボタンを押す必要があるが、本機はキーボードの[Alt]+Pで電源オンが可能になっている点(背面のUSB 2.0へキーボード接続時)。ちなみにいつものキーボード付きモバイルモニターでもOKだったので、(保証はしないだろうが)特に同社のキーボード専用機能というわけでもないようだ。電源オフは通常、Windowsから行なうので問題ない。

 とは言え、今回のようにDVDスーパーマルチドライブがあると、メディアの出し入れは裏に手を回すことになるのだが……。

 ノイズはベンチマークテストなど負荷をかけると若干発生する。筐体に耳を近付ければ……と言うレベルなので、一般的な場所への設置であれば特に気になることはないだろう。

 総じて約1Lの筐体へうまくまとめられており、加えてオプションのDVDスーパーマルチドライブを付けた時の一体感も見事。昔ながらの無骨なデザインだが、個人的には嫌いではない。

シンプルなソフトウェア構成で業務用としては十分なパフォーマンス

 初期起動時、スタート画面はフルHDで1画面。NECグループが追加されている。デスクトップはWindows標準のままでシンプル。コンシューマモデルのようにアプリ山盛りではない。

 ストレージはSSD 256GBの「KIOXIA KBG5AZNV256G」。仕様によるとシーケンシャルリード3,400MB/s、シーケンシャルライト1,900MB/s。CrystalDiskMarkの結果はリードが少し遅めだが、ライトはそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーテションで約236GBが割り当てられ空き202GB。BitLockerで暗号化されている。GbEはIntel i219-LM、Wi-FiはIntel AX201、BluetoothもIntel製だ。

 なお、本シリーズでは、「Windows Autopilot」やUSBメモリなど各デバイスの利用制限が行なえる「Acronis DeviceLock Lite」にも対応している。この辺りはいかにも業務用と言えるだろう。

起動時のスタート画面。フルHDで1画面。NECグループを追加
起動時のデスクトップ。Windows標準でシンプル
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはSSD 256GBの「KIOXIA KBG5AZNV256G」。GbEはIntel i219-LM、Wi-FiはIntel AX201、BluetoothもIntel製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーテションで約236GBが割り当てられている。BitLockerで暗号化

 主なプリインストール済みのソフトウェアは、「PC設定ツール」、「型番・製造番号表示ユーティリティ」、「Power2Go」、「ウィルスバスタークラウド」とシンプル。PC設定ツールは本機の場合、ECモード一択となる。

PC設定ツール / ホーム
PC設定ツール / ECOモード

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R23、CrystalDiskMark。以前、Core i7-1250Uを搭載した「FMV LOOX 90/G」をご紹介しているが、こちらは第12世代i7でもSKUの末尾がUなので基本モバイル用。比較すると省エネのTとはいえ、デスクトップ用のプロセッサなので本機の方が多くの部分で勝っていた。いずれにしても業務用としては十分なパフォーマンスだ。

【表】ベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2563
PCMark 10 Score5,062
Essentials10,065
App Start-up Score14,982
Video Conferencing Score7,251
Web Browsing Score9,388
Productivity7,094
Spreadsheets Score6,688
Writing Score7,525
Digital Content Creation4,931
Photo Editing Score6,643
Rendering and Visualization Score3,634
Video Editting Score4,967
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.04,576
Creative Accelarated 3.04,231
Work Accelarated 2.03,331
Storage5,044
3DMark v2.22.7359
Time Spy872
Fire Strike Ultra578
Fire Strike Extreme1,173
Fire Strike2,489
Sky Diver8,973
Cloud Gate15,681
Ice Storm Extreme58,205
Ice Storm72,662
Cinebench R23
CPU8,758 pts(6位)
CPU(Single Core)1,541 pts(1位)
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード2759.244 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1998.023 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード1166.171 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト423.120 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード523.954 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト454.814 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード46.569 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト127.591 MB/s

 以上のようにNEC「タイプMC<MC-C>(MKN44/C-C)」は、約1Lで幅34.5mmの筐体へ第12世代Alder LakeのIntel Core i5-12500Tを搭載したスリムなPCだ。予算に応じて4タイプのプロセッサなどを選べるのもポイントが高く、全てのSKUがTタイプなので、動作時のノイズもほとんどない。「Windows Autopilot」や「Acronis DeviceLock Lite」に対応しているところが、いかにも企業用モデルらしいところ。

 同クラスのコンシューマ向けPCと比較した場合、やや割高にはなっているものの、同社の手厚いサポートを期待できる。第12世代Core iを搭載したスリムなPCを導入したい企業にお勧めできる1台と言えよう。