西川和久の不定期コラム

Core i7-11800HとGeForce GTX 1650を搭載した17.3型ノートPC「mouse K7」

 株式会社マウスコンピューターは、Core i7-11800HとGeForce GTX 1650を搭載した17.3型ノートPC「mouse K7」を販売中だ。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

Core i7-11800HとGeForce GTX 1650、そしてRGBキーボードバックライト搭載の17.3型

 本連載でいろいろなノートPCを扱っているが、解像度はいくつかパターンがあるものの多くは15.6型まで。それ以上となると各メーカー意外と該当機種は少なく、加えて高額になりがちだ。今回は違うものの、テンキーキーなしだと数えるほどもない。

 このサイズの良い点は、主にデスクトップ的な使い方だが、デスクトップPCと違って移動も可能なところ。仕事後など、電源ケーブルだけ外せば収納も容易と、ノートPCとデスクトップPCの両面を兼ね備えていることだろうか。

 今回ご紹介する「mouse K7」は、パネルサイズだけでなく、プロセッサにCore i7-11800H、そしてdGPUにGeForce GTX 1650を搭載。もちろんメモリ16GB、ストレージはSSD 512GB。この構成で税込15万円ちょっとと、コストパフォーマンスの高い1台だ。以前のK7と比較して、プロセッサが第10世代から11世代へとなり、厚みが2mm薄くなっているとのことが違いとなる。主な仕様は以下の通り。

「mouse K7」の仕様
プロセッサCore i7-11800H(8コア16スレッド/1.9GHz@cTDP 35W、2.3GHz@cTDP 45W~4.6GHz/キャッシュ 24MB)
メモリ16GB(8GB×2)/DDR4-3200/SO-DIMM/空き0/最大64GB
ストレージSSD 512GB(NVMe)
OSWindows 11 Home(64bit)/21H2
ディスプレイ17.3型フルHD1,920×1,080ドット(16:9)、非光沢
グラフィックスIntel UHD Graphics/GeForce GTX 1650、HDMI/Mini DisplayPort
ネットワークGbE、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5
インターフェイスUSB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、SDカードスロット、100万画素Webカメラ、音声入出力、RGBキーボードバックライト
バッテリ駆動時間最大6時間
サイズ/重量396.9×264.5×23.9mm(幅×奥行き×高さ)/約2.45kg
税込価格15万3,780円から

 プロセッサは第11世代Tiger LakeのCore i7-11800H。8コア16スレッドでクロックは1.9GHz@cTDP 35W/2.3GHz@cTDP 45Wから最大4.6GHz、キャッシュは24MBと、モバイル用としては強力なものだ。

 メモリはDDR4-3200 8GB×2の計16GB。空きスロットは0。最大64GBまで対応する。ストレージはSSD 512GB(NVMe)。OSは64bit版Windows 11 Home。21H2だったのでこの範囲でUpdateして評価した。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphicsと、NVIDIA TuringアーキテクチャのGeForce GTX 1650(4GB/GDDR6)。外部出力用にHDMIとMini DisplayPortを装備している。ディスプレイは17.3型非光沢フルHD1,920×1,080ドット(16:9)。

 ネットワークはGbE、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5。そのほかのインターフェイスはUSB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、SDカードスロット、100万画素Webカメラ、音声入出力、RGBキーボードバックライト。できればThunderbolt 4が欲しかったところか。

 サイズ396.9×264.5×23.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.45kg。バッテリ駆動時間最大6時間。税込価格は15万3,780円からとなる。

 カスタマイズに対応し、Windows 11 Pro、メモリ 32/64GB、ストレージ SSD512GB(M.2 PCIe Gen3 x4 接続)、SSD 1TB/2TB、第2ドライブ(HDD 1TB/2TB)などの構成も可能だ。なお「mouse K7-A」はOffice 2021搭載モデルで税込価格17万5,780円からとなる。

 冒頭にも書いたように17型クラスになると、高めのものが多く、15万円でこれだけの内容であればコストパフォーマンスは高いと言える。

前面。パネル中央上にWebカメラ。上左右のフチは結構狭い
斜め後ろから。Mini DisplayPort、HDMI、電源入力
左。USB 3.0 Type-A、USB 2.0 Type-A、音声入出力
右。Gigabit Ethernet、USB 3.0 Type-A、USB 3.1 Type-C 、SDカードリーダ
キーボードはテンキー付きのアイソレーションタイプ。バックライトはRGBカラー。タッチパッドはボタンがないプレート型
キーピッチは実測で約18mm
裏。前後左右にゴム足。本体を傾けるような機構はない。手前左右にスピーカー
横から。USB Type-Aのコネクタからもわかるように結構スリム。この関係でGigabit Ethernetコネクタの下が少し開く仕掛けになっている
ACアダプタのサイズは約130×65×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量356g、出力19.5V/6.15A
キーボードバックライト。LED Keyboard Settingアプリで色などを変更できる

 筐体は艶消し黒。17.3型そして重量約2.45kgというこもあり、持ち上げるとさすがに重い。ただし、持ち運べないほどでもなく、このクラスが移動可能と言う方がメリットがあるだろう。

 前面はパネル中央上にWebカメラ。上左右のフチは結構狭い。左側面にUSB 3.0 Type-A、USB 2.0 Type-A、音声入出力。右側面にEthernet、USB 3.0 Type-A、USB 3.1 Type-C、SDカードリーダ。手前の側面に電源LEDなどを配置。また横からの写真からも分かるように結構薄い。裏は前後左右にゴム足と手前左右のスリットにスピーカー。後ろ側面に電源と映像出力があるため、ケーブル類が邪魔にならないのはポイントが高い。

 付属のACアダプタはサイズ約130×65×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量356g、出力19.5V/6.15A。構成が構成なだけに出力は大きめだ。

 17.3型のディスプレイは非光沢で見やすく、また最大輝度は結構明るい。発色、コントラスト、視野角も良好。i1 Display Proを使い特性を測定したところ最大輝度は305cd/平方m。写真を観るのに適していると言われる明るさ120cd/平方mは、最大から-6が127cd/平方m、-7が94cd/平方m。従って前者で計測。黒色輝度は0.110cd/平方m。リニアリティは明るくなるほどRGBの差が広がっているものの、割といい方だろう。

測定結果1/白色点と黒色輝度
測定結果2/R・G・Bのリニアリティ

 キーボードはRGBバックライト搭載でテンキーありのアイソレーションタイプだ。ストロークもそれなりにあり打鍵感は良い。ただこのサイズになると足などで少し傾ける仕掛けが欲しかったところか。キーピッチは主要キーで約18mm。フットプリントがあるので、窮屈な部分もなく素直なレイアウトになっている。タッチパッドはボタンのないプレート型だ。パームレストも含め十分広く扱いやすい。

 振動やノイズはベンチマークテストなど負荷をかけると若干発生する。ノイズは左右のスリットからが主となり耳を近づけなくても気になるレベルだ。発熱はキーボード上のスペースが温かくなるものの、キーボードやパームレストまでは降りてこない。

 サウンドはパワーも含め鳴りっぷりが良く、音楽や映像が十分楽しめる。これ以上を望むなら外付けと言ったところだろう。

 Webカメラを試したところ、100万画素ということもあり、このクラスとしては解像度的には一般的。とはいえ、ビデオ会議などで(画質に特別拘らなければ)画面4分の1程度のサイズまでだと十分使えるレベルだ。

Core i7-11800HとGeForce GTX 1650の組み合わせでさすがのパフォーマンス

 初期起動時、デスクトップの壁紙のみ変更とシンプル。Windows 11ユーザーズガイドとハードウェアマニュアルのPDFが貼られている。構成的に第11世代Core i7、dGPU、メモリ16GB、SSD……と、ハイスペックなので快適に操作できる。

 ストレージはSSD 512GBの「WDC PC SN530 SDBPNPZ-512G」。仕様によるとシーケンシャルリード2,400MB/s、シーケンシャルライト1,750MB/s。CrystalDiskMarkの値もほぼそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約474GBが割り当てられ空き430GB。

 Gigabit EthernetはRealtek製。Wi-FiはIntel Wi-Fi 6 AX201、BluetoothもIntel製だ。NVIDIAコントロールパネルでGeForce GTX 1650はメモリ 4GB/GDDR6、CUDAコア896なのがわかる。

起動時のデスクトップ。壁紙のみ変更とシンプル。Windows 11ユーザーズガイドとハードウェアマニュアルのPDFが貼られている
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはSSD 512GBの「WDC PC SN530 SDBPNPZ-512G」。GbEはRealtek製。Wi-FiはIntel Wi-Fi 6 AX201、BluetoothもIntel製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約474GBが割り当てられている
NVIDIAコントロールパネル。メモリ 4GB/GDDR6、CUDAコア896

 プリインストールのソフトウェアは、「Fan Speed Setting」、「Flexikey」、「Fn hotkeysband OSD」、「LED Keyboard Setting」、「Sound Blaster Cinema 6」、「Windows 11ユーザーガイド」(PDF)、「飯山の自然」、「マカフィーリブセーフ」、「ハードウェアマニュアル」(PDF)など。主にシステム系だ。

Fan Speed Setting
Flexikey
LED Keyboard Setting
Sound Blaster Cinema 6

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R23、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。全般的にCore i7-11800H+GeForce GTX 1650ということでiGPUだけのノートPCよりかなり速いことがわかる。やはりデスクトップPC替わりに使うならこの程度のパフォーマンスは欲しいところ。

 PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは4時間31分(キーボードバックライトOFF。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。仕様上は最大6時間なので、テスト内容を考えると妥当なところだろうか。

PCMark 10 v2.1.2532
PCMark 10 Score6,004
Essentials9,618
App Start-up Score11,955
Video Conferencing Score7,807
Web Browsing Score9,535
Productivity8,239
Spreadsheets Score10,061
Writing Score6,747
Digital Content Creation7,412
Photo Editing Score8,543
Rendering and Visualization Score8,956
Video Editting Score5,323
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.04,518
Creative Accelarated 3.05,763
Work Accelarated 2.05,819
Storage4,982
3DMark v2.21.7324
Time Spy3,751
Fire Strike Ultra1,975
Fire Strike Extreme4,149
Fire Strike8,893
Sky Diver27,879
Cloud Gate37,863
Ice Storm Extreme95,095
Ice Storm95,472
CINEBENCH R23
CPU10,613 pts(4位)
CPU(Single Core)1,531 pts(2位)
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード2481.265 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1811.579 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード1223.844 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト816.649 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード477.695 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト430.245 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード54.279 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト213.143 MB/s

 以上のように「mouse K7」は、17.3型でCore i7-11800HとGeForce GTX 1650を搭載したノートPCだ。メモリ 16GB、ストレージ SSD512GBと、容量的にも十分。サウンドのクオリティやRGBキーボードバックライトもポイントが高い。

 バッテリ駆動時間が短めだが、この構成なら仕方ないところ。用途的には問題ないだろう。17型でハイパフォーマンスなノートPCを探しているユーザーに使って頂きたい1台だ。