西川和久の不定期コラム
Core i7-11800HとGeForce GTX 1650を搭載した17.3型ノートPC「mouse K7」
2021年12月21日 06:38
株式会社マウスコンピューターは、Core i7-11800HとGeForce GTX 1650を搭載した17.3型ノートPC「mouse K7」を販売中だ。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。
Core i7-11800HとGeForce GTX 1650、そしてRGBキーボードバックライト搭載の17.3型
本連載でいろいろなノートPCを扱っているが、解像度はいくつかパターンがあるものの多くは15.6型まで。それ以上となると各メーカー意外と該当機種は少なく、加えて高額になりがちだ。今回は違うものの、テンキーキーなしだと数えるほどもない。
このサイズの良い点は、主にデスクトップ的な使い方だが、デスクトップPCと違って移動も可能なところ。仕事後など、電源ケーブルだけ外せば収納も容易と、ノートPCとデスクトップPCの両面を兼ね備えていることだろうか。
今回ご紹介する「mouse K7」は、パネルサイズだけでなく、プロセッサにCore i7-11800H、そしてdGPUにGeForce GTX 1650を搭載。もちろんメモリ16GB、ストレージはSSD 512GB。この構成で税込15万円ちょっとと、コストパフォーマンスの高い1台だ。以前のK7と比較して、プロセッサが第10世代から11世代へとなり、厚みが2mm薄くなっているとのことが違いとなる。主な仕様は以下の通り。
「mouse K7」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i7-11800H(8コア16スレッド/1.9GHz@cTDP 35W、2.3GHz@cTDP 45W~4.6GHz/キャッシュ 24MB) |
メモリ | 16GB(8GB×2)/DDR4-3200/SO-DIMM/空き0/最大64GB |
ストレージ | SSD 512GB(NVMe) |
OS | Windows 11 Home(64bit)/21H2 |
ディスプレイ | 17.3型フルHD1,920×1,080ドット(16:9)、非光沢 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics/GeForce GTX 1650、HDMI/Mini DisplayPort |
ネットワーク | GbE、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5 |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、SDカードスロット、100万画素Webカメラ、音声入出力、RGBキーボードバックライト |
バッテリ駆動時間 | 最大6時間 |
サイズ/重量 | 396.9×264.5×23.9mm(幅×奥行き×高さ)/約2.45kg |
税込価格 | 15万3,780円から |
プロセッサは第11世代Tiger LakeのCore i7-11800H。8コア16スレッドでクロックは1.9GHz@cTDP 35W/2.3GHz@cTDP 45Wから最大4.6GHz、キャッシュは24MBと、モバイル用としては強力なものだ。
メモリはDDR4-3200 8GB×2の計16GB。空きスロットは0。最大64GBまで対応する。ストレージはSSD 512GB(NVMe)。OSは64bit版Windows 11 Home。21H2だったのでこの範囲でUpdateして評価した。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphicsと、NVIDIA TuringアーキテクチャのGeForce GTX 1650(4GB/GDDR6)。外部出力用にHDMIとMini DisplayPortを装備している。ディスプレイは17.3型非光沢フルHD1,920×1,080ドット(16:9)。
ネットワークはGbE、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5。そのほかのインターフェイスはUSB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、SDカードスロット、100万画素Webカメラ、音声入出力、RGBキーボードバックライト。できればThunderbolt 4が欲しかったところか。
サイズ396.9×264.5×23.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.45kg。バッテリ駆動時間最大6時間。税込価格は15万3,780円からとなる。
カスタマイズに対応し、Windows 11 Pro、メモリ 32/64GB、ストレージ SSD512GB(M.2 PCIe Gen3 x4 接続)、SSD 1TB/2TB、第2ドライブ(HDD 1TB/2TB)などの構成も可能だ。なお「mouse K7-A」はOffice 2021搭載モデルで税込価格17万5,780円からとなる。
冒頭にも書いたように17型クラスになると、高めのものが多く、15万円でこれだけの内容であればコストパフォーマンスは高いと言える。
筐体は艶消し黒。17.3型そして重量約2.45kgというこもあり、持ち上げるとさすがに重い。ただし、持ち運べないほどでもなく、このクラスが移動可能と言う方がメリットがあるだろう。
前面はパネル中央上にWebカメラ。上左右のフチは結構狭い。左側面にUSB 3.0 Type-A、USB 2.0 Type-A、音声入出力。右側面にEthernet、USB 3.0 Type-A、USB 3.1 Type-C、SDカードリーダ。手前の側面に電源LEDなどを配置。また横からの写真からも分かるように結構薄い。裏は前後左右にゴム足と手前左右のスリットにスピーカー。後ろ側面に電源と映像出力があるため、ケーブル類が邪魔にならないのはポイントが高い。
付属のACアダプタはサイズ約130×65×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量356g、出力19.5V/6.15A。構成が構成なだけに出力は大きめだ。
17.3型のディスプレイは非光沢で見やすく、また最大輝度は結構明るい。発色、コントラスト、視野角も良好。i1 Display Proを使い特性を測定したところ最大輝度は305cd/平方m。写真を観るのに適していると言われる明るさ120cd/平方mは、最大から-6が127cd/平方m、-7が94cd/平方m。従って前者で計測。黒色輝度は0.110cd/平方m。リニアリティは明るくなるほどRGBの差が広がっているものの、割といい方だろう。
キーボードはRGBバックライト搭載でテンキーありのアイソレーションタイプだ。ストロークもそれなりにあり打鍵感は良い。ただこのサイズになると足などで少し傾ける仕掛けが欲しかったところか。キーピッチは主要キーで約18mm。フットプリントがあるので、窮屈な部分もなく素直なレイアウトになっている。タッチパッドはボタンのないプレート型だ。パームレストも含め十分広く扱いやすい。
振動やノイズはベンチマークテストなど負荷をかけると若干発生する。ノイズは左右のスリットからが主となり耳を近づけなくても気になるレベルだ。発熱はキーボード上のスペースが温かくなるものの、キーボードやパームレストまでは降りてこない。
サウンドはパワーも含め鳴りっぷりが良く、音楽や映像が十分楽しめる。これ以上を望むなら外付けと言ったところだろう。
Webカメラを試したところ、100万画素ということもあり、このクラスとしては解像度的には一般的。とはいえ、ビデオ会議などで(画質に特別拘らなければ)画面4分の1程度のサイズまでだと十分使えるレベルだ。
Core i7-11800HとGeForce GTX 1650の組み合わせでさすがのパフォーマンス
初期起動時、デスクトップの壁紙のみ変更とシンプル。Windows 11ユーザーズガイドとハードウェアマニュアルのPDFが貼られている。構成的に第11世代Core i7、dGPU、メモリ16GB、SSD……と、ハイスペックなので快適に操作できる。
ストレージはSSD 512GBの「WDC PC SN530 SDBPNPZ-512G」。仕様によるとシーケンシャルリード2,400MB/s、シーケンシャルライト1,750MB/s。CrystalDiskMarkの値もほぼそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約474GBが割り当てられ空き430GB。
Gigabit EthernetはRealtek製。Wi-FiはIntel Wi-Fi 6 AX201、BluetoothもIntel製だ。NVIDIAコントロールパネルでGeForce GTX 1650はメモリ 4GB/GDDR6、CUDAコア896なのがわかる。
プリインストールのソフトウェアは、「Fan Speed Setting」、「Flexikey」、「Fn hotkeysband OSD」、「LED Keyboard Setting」、「Sound Blaster Cinema 6」、「Windows 11ユーザーガイド」(PDF)、「飯山の自然」、「マカフィーリブセーフ」、「ハードウェアマニュアル」(PDF)など。主にシステム系だ。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R23、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。全般的にCore i7-11800H+GeForce GTX 1650ということでiGPUだけのノートPCよりかなり速いことがわかる。やはりデスクトップPC替わりに使うならこの程度のパフォーマンスは欲しいところ。
PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは4時間31分(キーボードバックライトOFF。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。仕様上は最大6時間なので、テスト内容を考えると妥当なところだろうか。
PCMark 10 v2.1.2532 | |
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PCMark 10 Score | 6,004 |
Essentials | 9,618 |
App Start-up Score | 11,955 |
Video Conferencing Score | 7,807 |
Web Browsing Score | 9,535 |
Productivity | 8,239 |
Spreadsheets Score | 10,061 |
Writing Score | 6,747 |
Digital Content Creation | 7,412 |
Photo Editing Score | 8,543 |
Rendering and Visualization Score | 8,956 |
Video Editting Score | 5,323 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 4,518 |
Creative Accelarated 3.0 | 5,763 |
Work Accelarated 2.0 | 5,819 |
Storage | 4,982 |
3DMark v2.21.7324 | |
Time Spy | 3,751 |
Fire Strike Ultra | 1,975 |
Fire Strike Extreme | 4,149 |
Fire Strike | 8,893 |
Sky Diver | 27,879 |
Cloud Gate | 37,863 |
Ice Storm Extreme | 95,095 |
Ice Storm | 95,472 |
CINEBENCH R23 | |
CPU | 10,613 pts(4位) |
CPU(Single Core) | 1,531 pts(2位) |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 2481.265 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 1811.579 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 1223.844 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 816.649 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 477.695 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 430.245 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 54.279 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 213.143 MB/s |
以上のように「mouse K7」は、17.3型でCore i7-11800HとGeForce GTX 1650を搭載したノートPCだ。メモリ 16GB、ストレージ SSD512GBと、容量的にも十分。サウンドのクオリティやRGBキーボードバックライトもポイントが高い。
バッテリ駆動時間が短めだが、この構成なら仕方ないところ。用途的には問題ないだろう。17型でハイパフォーマンスなノートPCを探しているユーザーに使って頂きたい1台だ。