西川和久の不定期コラム

税別10万円台で1kg切りのユニットコム製14型モバイルノート「STYLE-14FH056-i7-UCDX」

STYLE-14FH056-i7-UCDX

 パソコン工房のユニットコムは、14型でComet Lakeを搭載し、重量1kgを切るモバイルノートPCを数モデル出している。今回はそのなかから最上位のCore i7-10510U搭載機「STYLE-14FH056-i7-UCDX」の試用レポートをお届けしたい。

14型でComet Lake Core i7を搭載し重量0.99kg

 今回ご紹介するのは、Comet Lake世代のCore i7とNVMe M.2 SSDを搭載する「STYLE-14FH056-i7-UCDX」で、Core i5やi3などのモデル用意されているなかでの最上位機種となる。

 おもな仕様は以下のとおり。

【表1】iiyama「STYLE-14FH056-i7-UCDX」の仕様
プロセッサCore i7-10510U(4コア8スレッド/1.8~4.9GHz/キャッシュ 8MB/TDP 15W)
メモリDDR4-2666 SDRAM 8GB
ストレージNVMe M.2 SSD 500GB
OSWindows 10 Home
ディスプレイ14型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢
グラフィックスIntel UHD Graphics
ネットワークIEEE 802.11ax(Wi-Fi6)対応、Bluetooth 5.0
インターフェイスUSB 3.0、USB 3.1 Type-A、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternate ModeとPD対応)、HDMI、100万画素Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力
バッテリ駆動時間約8時間
サイズ/重量約321×216.5×19mm(幅×奥行き×高さ)/約0.99kg
税別価格104,980円

 プロセッサはComet LakeのCore i7-10510U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHzから最大4.9GHz。キャッシュは8MB、TDPは15W。メモリはオンボードでDDR4-2666の8GB。ストレージNVMe M.2 SSD 500GB。OSは64bit版Windows 10 Home。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics。外部出力用にHDMIと、DisplayPort Alt Mode対応のUSB Type-Cが用意されている。ディスプレイは非光沢の14型フルHD(1,920×1,080ドット)で、タッチ操作には非対応だ。

 ネットワーク機能は有線LANがなく、IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)とBluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスは、USB 3.1×2(1基はType-C)、USB 3.0、100万画素Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力。Type-Cに関しては先に挙げたDisplayport Alt ModeとUSB Power Deliveryに対応する。欲を言えばGigabit Ethernetも欲しいところだが、この薄さでは仕方ないところか。

 サイズ約321×216.5×19mm(幅×奥行き×高さ)、重量約0.99kg。1kgを切る軽量級だ。バッテリ駆動時間は約8時間。今回の構成で税別104,980円となる。構成を考えるとリーズナブルと言えよう。

 さらにカスタマイズでは天板ロゴなし、M.2 SSD 1TB/2TB、液晶保護フィルム、Officeなどが選択可能。残念ながらメモリ16GBの項目はなかった。

パネル中央に100万画素Webカメラ。それなりに狭額縁
バッテリは内蔵で着脱できない。カスタマイズで天板のロゴなしも指定できる
左側面に電源入力、HDMI、USB 3.0、Type-C。パネルは180度傾けることができる
右側面はロックポート、USB 3.1、音声入出力、microSDカードスロット、電源ボタン
キーボードはアイソレーションタイプの日本語配列。タッチパッドは1枚プレート型
キーピッチは実測で約19mm
底面四隅にゴム足。手前少し斜めに切り込んだ部分左右のスリットにスピーカー
コネクタの高さから結構スリムなのがわかる
重量は実測で965g
付属のACアダプタのサイズは97×52×15mm(幅×奥行き×高さ)、重量141g、出力19V/3.42A

 本製品の第一印象は、宅配便で届いてパッケージを受け取ったとき、思わず「軽い」と呟いてしまうくらい軽量になっていることだ。本体は実測で965gと仕様よりさらに軽い。13.3型までのサイズならともかく、14型のこのフットプリントで1kgを切っているのだから、見た目のイメージを超えて、持ったときに余計軽く感じてしまう。筐体は天板も含めマットなブラックで統一。自宅でもオフィスでもマッチする。

 前面にはパネル中央に100万画素Webカメラを備え、それなりに狭額縁だ。左側面に電源入力、HDMI、USB 3.0、USB 3.1 Type-C。右側面にロックポート、USB 3.1、音声入出力、microSDカードスロット、電源ボタンを配置。裏は四隅にゴム足。手前少し斜めに切り込んだ部分左右のスリットにスピーカー。横からの写真でもわかるように結構薄型だ。

 付属のACアダプタはサイズが約97×52×15mm(幅×奥行き×高さ)、重量141g、出力19/V3.42A。本体965gとACアダプタ141gで計1,106gと1kgを越えてしまうが、Type-CがPD対応なので、自宅と会社など要所要所にUSB PD充電器があればACアダプタを持ち歩く必要もなく、1kg未満を維持できる。

 14型のディスプレイは非光沢で長時間の運用でも目に優しい。明るさ、コントラスト、発色、視野角などは良好だが、他社のさらに高いモデルと比較すると若干劣り、価格相応と言ったところか。パネルは180度傾けることができる。

 キーボードはアイソレーションタイプだ。主要キーのキーピッチは約19mm。14型でフットプリントが広くテンキーもないため、割とゆったりしているレイアウトだ。[¥]、[Backspace]、[Enter]キーが少しピッチが狭いものの、入力上はとくに問題ない。ただキートップがザラザラした質感なのは好みが分かれそうだ。タッチパッドはボタンのない1枚プレート型。パームレストも十分広く快適に操作できる。

 振動やノイズは試用した範囲ではまったく気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとおもにキーボード左上が暖かくなるものの、パームレストなど下まで熱は降りて来ない。

 サウンドはスピーカーが裏にあるため、机などに音が反射して出てくるタイプだ。ただし正確には裏ではなく裏の斜めに切り込んで部分にあるため、直接音と間接音がミックスした音となる。音質的にはノートPCにありがちなナローレンジでパワーも低めだ。

 以上のように全体的に価格内でうまくまとめられており、これと言って大きな欠点がなく堅実な作りと言えよう。

軽量ながらバッテリ駆動時間はPCMark 10のバッテリテストで8時間11分を達成

 初回起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループはない。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプルだ。Core i7、メモリ8GB、ストレージがNVMe SSDということもあり、ストレスなく心地よく動作する。

 ストレージはM.2 PCIe NVMe 3.0 x4 512GBのSSD「Intel SSDPEKNW512GB」。仕様によるとシーケンシャルリード最大1,500MB/s、シーケンシャルライト最大1,000MB/s。後述のベンチマークテストでもほぼ同じ値が出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約475GBが割り当てられ空き450GB。BitLockerで暗号化されている。Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。

スタート画面(タブレットモード)。とくに追加されたグループはない
起動時のデスクトップは壁紙の変更のみとシンプル
デバイスマネージャー/主要なデバイス。ストレージはM.2 PCIe NVMe 3.0 x4 512GBのSSD「Intel SSDPEKNW512GB」。Wi-FiとBluetoothはIntel製
C:ドライブのみの1パーティションで約475GBが割り当てられ、BitLockerで暗号化

 おもなプリインストールアプリは、「Control Center 3.0」、「Fan Speed Setting」、「Norton Security」など。基本的なものしか入っておらず、個人的には好印象。Control Center 3.0は画面キャプチャからもわかるように、パワーモードとファンスピードコントロールから構成されている。

Control Center 3.0(1/2)
Control Center 3.0(2/2)
Speed Setting

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。結果は以下のとおり。

 純粋なプロセッサパワーがCINEBENCH R20でわかり、SKUとおりのスコアとなっている。アプリケーション系のスコアはストレージがNVMe M.2 SSDということもありおおむね良好だ。3DMarkはもともとiGPUなのでライトな用途となる。

 バッテリテストのPCMark 10 - Modern Officeは、明るさ、バッテリモードなどはシステム標準で8時間11分。14型で1kgを切る軽量タイプでこれだけ動けば一般的には十分だと思われる。

【表2】ベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2177
PCMark 10 Score3,719
Essentials8,014
App Start-up Score11,945
Video Conferencing Score6,599
Web Browsing Score6,531
Productivity6,484
Spreadsheets Score7,949
Writing Score5,290
Digital Content Creation2,688
Photo Editing Score3,513
Rendering and Visualization Score1,562
Video Editting Score3,540
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,335
Creative Accelarated 3.03,544
Work Accelarated 2.05,054
Storage5,033
3DMark v2.11.6866
Time Spy377
Fire Strike Ultra231
Fire Strike Extreme405
Fire Strike841
Sky Diver3,643
Cloud Gate6,564
Ice Storm Extreme35,720
Ice Storm54,382
CINEBENCH R20
CPU1093 pts(10位)
CPU(Single Core)389 pts(3位)
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード1841.911 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト971.238 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード341.116 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト358.115 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード339.440 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト422.431 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード48.976 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト136.945 MB/s
PCMark 10 - Modern Office
8時間11分(明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)

 以上のようにiiyama「STYLE-14FH056-i7-UCDX」は、14型フルHDパネル、Comet LakeのCore i7、メモリ8GB、ストレージNVMe 500GBを搭載し、重量は実測で965gと、1kgを切る軽量級モバイルノートPCだ。また予算に応じてComet LakeのCore i3やi5も選択可能。

 使った感じも仕様上もとくに気になる部分はなく、Comet Lakeで薄くて軽量級のモバイルノートPCを探しているユーザーに試してほしい1台と言えよう。