西川和久の不定期コラム
税別10万円台で1kg切りのユニットコム製14型モバイルノート「STYLE-14FH056-i7-UCDX」
2020年3月17日 11:00
パソコン工房のユニットコムは、14型でComet Lakeを搭載し、重量1kgを切るモバイルノートPCを数モデル出している。今回はそのなかから最上位のCore i7-10510U搭載機「STYLE-14FH056-i7-UCDX」の試用レポートをお届けしたい。
14型でComet Lake Core i7を搭載し重量0.99kg
今回ご紹介するのは、Comet Lake世代のCore i7とNVMe M.2 SSDを搭載する「STYLE-14FH056-i7-UCDX」で、Core i5やi3などのモデル用意されているなかでの最上位機種となる。
おもな仕様は以下のとおり。
【表1】iiyama「STYLE-14FH056-i7-UCDX」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i7-10510U(4コア8スレッド/1.8~4.9GHz/キャッシュ 8MB/TDP 15W) |
メモリ | DDR4-2666 SDRAM 8GB |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 500GB |
OS | Windows 10 Home |
ディスプレイ | 14型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics |
ネットワーク | IEEE 802.11ax(Wi-Fi6)対応、Bluetooth 5.0 |
インターフェイス | USB 3.0、USB 3.1 Type-A、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternate ModeとPD対応)、HDMI、100万画素Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力 |
バッテリ駆動時間 | 約8時間 |
サイズ/重量 | 約321×216.5×19mm(幅×奥行き×高さ)/約0.99kg |
税別価格 | 104,980円 |
プロセッサはComet LakeのCore i7-10510U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHzから最大4.9GHz。キャッシュは8MB、TDPは15W。メモリはオンボードでDDR4-2666の8GB。ストレージNVMe M.2 SSD 500GB。OSは64bit版Windows 10 Home。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics。外部出力用にHDMIと、DisplayPort Alt Mode対応のUSB Type-Cが用意されている。ディスプレイは非光沢の14型フルHD(1,920×1,080ドット)で、タッチ操作には非対応だ。
ネットワーク機能は有線LANがなく、IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)とBluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスは、USB 3.1×2(1基はType-C)、USB 3.0、100万画素Webカメラ、microSDカードリーダ、音声入出力。Type-Cに関しては先に挙げたDisplayport Alt ModeとUSB Power Deliveryに対応する。欲を言えばGigabit Ethernetも欲しいところだが、この薄さでは仕方ないところか。
サイズ約321×216.5×19mm(幅×奥行き×高さ)、重量約0.99kg。1kgを切る軽量級だ。バッテリ駆動時間は約8時間。今回の構成で税別104,980円となる。構成を考えるとリーズナブルと言えよう。
さらにカスタマイズでは天板ロゴなし、M.2 SSD 1TB/2TB、液晶保護フィルム、Officeなどが選択可能。残念ながらメモリ16GBの項目はなかった。
本製品の第一印象は、宅配便で届いてパッケージを受け取ったとき、思わず「軽い」と呟いてしまうくらい軽量になっていることだ。本体は実測で965gと仕様よりさらに軽い。13.3型までのサイズならともかく、14型のこのフットプリントで1kgを切っているのだから、見た目のイメージを超えて、持ったときに余計軽く感じてしまう。筐体は天板も含めマットなブラックで統一。自宅でもオフィスでもマッチする。
前面にはパネル中央に100万画素Webカメラを備え、それなりに狭額縁だ。左側面に電源入力、HDMI、USB 3.0、USB 3.1 Type-C。右側面にロックポート、USB 3.1、音声入出力、microSDカードスロット、電源ボタンを配置。裏は四隅にゴム足。手前少し斜めに切り込んだ部分左右のスリットにスピーカー。横からの写真でもわかるように結構薄型だ。
付属のACアダプタはサイズが約97×52×15mm(幅×奥行き×高さ)、重量141g、出力19/V3.42A。本体965gとACアダプタ141gで計1,106gと1kgを越えてしまうが、Type-CがPD対応なので、自宅と会社など要所要所にUSB PD充電器があればACアダプタを持ち歩く必要もなく、1kg未満を維持できる。
14型のディスプレイは非光沢で長時間の運用でも目に優しい。明るさ、コントラスト、発色、視野角などは良好だが、他社のさらに高いモデルと比較すると若干劣り、価格相応と言ったところか。パネルは180度傾けることができる。
キーボードはアイソレーションタイプだ。主要キーのキーピッチは約19mm。14型でフットプリントが広くテンキーもないため、割とゆったりしているレイアウトだ。[¥]、[Backspace]、[Enter]キーが少しピッチが狭いものの、入力上はとくに問題ない。ただキートップがザラザラした質感なのは好みが分かれそうだ。タッチパッドはボタンのない1枚プレート型。パームレストも十分広く快適に操作できる。
振動やノイズは試用した範囲ではまったく気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとおもにキーボード左上が暖かくなるものの、パームレストなど下まで熱は降りて来ない。
サウンドはスピーカーが裏にあるため、机などに音が反射して出てくるタイプだ。ただし正確には裏ではなく裏の斜めに切り込んで部分にあるため、直接音と間接音がミックスした音となる。音質的にはノートPCにありがちなナローレンジでパワーも低めだ。
以上のように全体的に価格内でうまくまとめられており、これと言って大きな欠点がなく堅実な作りと言えよう。
軽量ながらバッテリ駆動時間はPCMark 10のバッテリテストで8時間11分を達成
初回起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループはない。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプルだ。Core i7、メモリ8GB、ストレージがNVMe SSDということもあり、ストレスなく心地よく動作する。
ストレージはM.2 PCIe NVMe 3.0 x4 512GBのSSD「Intel SSDPEKNW512GB」。仕様によるとシーケンシャルリード最大1,500MB/s、シーケンシャルライト最大1,000MB/s。後述のベンチマークテストでもほぼ同じ値が出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約475GBが割り当てられ空き450GB。BitLockerで暗号化されている。Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。
おもなプリインストールアプリは、「Control Center 3.0」、「Fan Speed Setting」、「Norton Security」など。基本的なものしか入っておらず、個人的には好印象。Control Center 3.0は画面キャプチャからもわかるように、パワーモードとファンスピードコントロールから構成されている。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。結果は以下のとおり。
純粋なプロセッサパワーがCINEBENCH R20でわかり、SKUとおりのスコアとなっている。アプリケーション系のスコアはストレージがNVMe M.2 SSDということもありおおむね良好だ。3DMarkはもともとiGPUなのでライトな用途となる。
バッテリテストのPCMark 10 - Modern Officeは、明るさ、バッテリモードなどはシステム標準で8時間11分。14型で1kgを切る軽量タイプでこれだけ動けば一般的には十分だと思われる。
【表2】ベンチマーク結果 | |
---|---|
PCMark 10 v2.1.2177 | |
PCMark 10 Score | 3,719 |
Essentials | 8,014 |
App Start-up Score | 11,945 |
Video Conferencing Score | 6,599 |
Web Browsing Score | 6,531 |
Productivity | 6,484 |
Spreadsheets Score | 7,949 |
Writing Score | 5,290 |
Digital Content Creation | 2,688 |
Photo Editing Score | 3,513 |
Rendering and Visualization Score | 1,562 |
Video Editting Score | 3,540 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 3,335 |
Creative Accelarated 3.0 | 3,544 |
Work Accelarated 2.0 | 5,054 |
Storage | 5,033 |
3DMark v2.11.6866 | |
Time Spy | 377 |
Fire Strike Ultra | 231 |
Fire Strike Extreme | 405 |
Fire Strike | 841 |
Sky Diver | 3,643 |
Cloud Gate | 6,564 |
Ice Storm Extreme | 35,720 |
Ice Storm | 54,382 |
CINEBENCH R20 | |
CPU | 1093 pts(10位) |
CPU(Single Core) | 389 pts(3位) |
CrystalDiskMark 6.0.0 | |
Q32T1 シーケンシャルリード | 1841.911 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 971.238 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 341.116 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 358.115 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 339.440 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 422.431 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 48.976 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 136.945 MB/s |
PCMark 10 - Modern Office | |
8時間11分(明るさ、バッテリモードなどはシステム標準) |
以上のようにiiyama「STYLE-14FH056-i7-UCDX」は、14型フルHDパネル、Comet LakeのCore i7、メモリ8GB、ストレージNVMe 500GBを搭載し、重量は実測で965gと、1kgを切る軽量級モバイルノートPCだ。また予算に応じてComet LakeのCore i3やi5も選択可能。
使った感じも仕様上もとくに気になる部分はなく、Comet Lakeで薄くて軽量級のモバイルノートPCを探しているユーザーに試してほしい1台と言えよう。