西川和久の不定期コラム

Whiskey Lake搭載の15.6型ノート、ユニットコム「STYLE-15FH059-i7-UHSX」

~豊富なインターフェイスに高コスパな性能

製品写真

 ユニットコムは、Whiskey LakeのCore i3/i5/i7を搭載した15.6型ノートPC「STYLE-15FH059」シリーズを販売中だ。

 モデルによってプロセッサやストレージなどの構成が違うものの、編集部から最上位に近いCore i7/8GB/NVMe M.2 SSDの「STYLE-15FH059-i7-UHSX」が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

Whiskey Lakeな15.6型フルHDでThunderbolt 3にも対応!

 今回ご紹介するiiyama「STYLE-15FH059」シリーズは、すべてWhiskey Lake搭載の15.6型フルHDノートPCだ。

 構成は、プロセッサがCore i3/i5/i7、メモリが4から8GB(最大8GB×2の16GB)、ストレージはNVMe対応も含むM.2 SSDとHDDの有無で、計7モデル用意されている。

 税別価格は「STYLE-15FH059-i3-UHEX」(i3/4GB/SSD 256GB)の79,980円から、「STYLE-15FH059-i7-UHSVI」(i7/8GB/NVMe SSD 256GB+HDD 1TB)の109,980円まで。内容を考慮すると、コストパフォーマンスは高いと言える。

 手元に届いたのはCore i7/8GB/NVMe M.2 SSD 256GBモデルの「STYLE-15FH059-i7-UHSX」だ。おもな仕様は以下のとおり。

「STYLE-15FH059」
iiyama「STYLE-15FH059-i7-UHSX」の仕様
プロセッサCore i7-8565U(4コア8スレッド/1.8GHz~4.6GHz/キャッシュ 8MB/TDP 15W)
メモリDDR4-2400 SO-DIMM(PC4-19200)8GB(8GB×1)/2スロット(空き1)
ストレージNVMe M.2 SSD 256GB
OSWindows 10 Home(64bit)
ディスプレイ15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢、タッチ非対応
グラフィックスIntel UHD Graphics 620/Mini DisplayPort、HDMI、Thunderbolt 3×1(Type-C)
ネットワークGigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0
インターフェイスThunderbolt 3兼用ポート×1(Type-C)、USB 3.0×2、USB 2.0×1、100万画素Webカメラ、SDカードスロット、音声入出力
サイズ/重量361×245×21.5mm(幅×奥行き×高さ)/約1.63kg
税別価格104,980円から

 プロセッサはWhiskey Lakeの第8世代Core i7-8565U。4コア/8スレッドで、クロックは1.8GHzから最大4.6GHz。キャッシュは8MBでTDPは15Wだ。下位モデルはそれぞれCore i3-8145UとCore i5-8265Uが使われている。

 メモリはDDR4-2400 SO-DIMM(PC4-19200)8GB×1の8GB。2スロットで、最大16GBまでカスタマイズで対応。ストレージはNVMe M.2 SSD 256GB。執筆時、「Intel SSD 660p 512GB」への0円アップグレード中だ。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵のIntel UHD Graphics 620。外部出力用にMini DisplayPort×1とHDMI×1、加えてCore i7モデルに限り、Thunderbolt 3×1(Type-C)を備える。eGPU用に外付けGPUボックスを接続することもできる。

 なお、今回のモデルではThunderbolt 3より充電が可能になっており、旧モデルでは外部GPUボックス使用時でもACアダプタからの電源供給が必要だったが、不要になった。ディスプレイは15.6型非光沢のフルHD(1,920×1,080ドット)。タッチには非対応だ。

 ネットワークは有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11ac対応。Bluetooth 5.0にも対応する。そのほかのインターフェイスは、Thunderbolt 3兼用ポート×1(Type-C)、USB 3.0×2、USB 2.0×1、100万画素Webカメラ、SDカードスロット、音声入出力と豊富。

 サイズは361×245×21.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約1.63kg。今回のモデルで税別価格は104,980円からとなる。

 冒頭に書いたように最下位のCore i3/4GB/M.2 SSD 256GBで79,980円。i3とはいえ、2コア/4スレッドなので普通に使える構成だ。

 なお、カスタマイズでWindows 10 Pro、メモリ8GB×2/16GB、HDDなどの追加が可能だ。ちょっと面白かったのは、天面の「iiyama」ロゴの有無が項目にあったことだろうか。

前面。上左右は狭額縁。パネル中央上にWebカメラ。正面側面左側に各種ステータスLED
斜め後ろから。ロゴさえもなくシンプルな天板。バッテリは内蔵で着脱できない
左側面。電源入力、USB 3.0、USB 2.0、音声入出力
右側面。ロックポート、Ethernet、SDカードスロット、HDMI、mini Display port、USB 3.0、Type-C
キーボードはテンキー付きのアイソレーションタイプ。タッチパッドは2ボタン式
キーピッチは実測で約19mm。フットプリントに余裕があるため気になるほどのいびつな並びもない
裏面は四隅にゴム足。手前左右のスリットにスピーカー。後ろ側に排熱用のスリットがある
横から。15.6型と考えれば結構スリム
ACアダプタはサイズ約105×41×27mm(同)、重量241g。出力19V/3.42A
重量は実測で1,576g。仕様上の約1.63kgより若干軽い

 筐体は、アルミ素材を天板とキーボード面に採用し、シルバーとブラックの2色構成。トップカバーにはロゴすらなく、シンプルな作りだ。15.6型で実測1,576g。どちらかといえば軽い方に属するだろうか。横から見ると結構スリムなのが分かる。

 前面の上左右は狭額縁、パネル中央上にWebカメラ、正面側面左側に各種ステータスLED。左側面に電源入力、USB 3.0、USB 2.0、音声入出力。右側面にロックポート、Ethernet、SDカードスロット、HDMI、Mini DisplayPort、USB 3.0、Type-Cを配置。

 HDMI、Mini DisplayPort、Thunderbolt 3(Type-C)と揃っているので、いろいろな環境に適応できる。裏は四隅にゴム足と手前左右のスリットにスピーカー。中央から後ろ側に放熱用のスリットもある。

 付属のACアダプタはサイズ約105×41×27mm(同)で、重量241g、出力19V/3.42A。冒頭にも書いたが、旧モデルとは違いThunderbolt 3(Type-C)からも給電可能になっている。使い方にもよるだろうが、意外に大きい変更点と言えよう。

 15.6型のディスプレイは、非光沢で眼に優しいものの、写真からも想像つくように、明るさ、発色、コントラスト、視野角は今どきのノートPCとしては今一歩。これはコストの問題だとは思うが、もう少し頑張って欲しいところか。

 キーボードはテンキー付きのアイソレーションタイプ。主要キーのキーピッチは約19mm確保され、15.6型とフットプリントが広い分、特別気になる歪なキーもない。キーストロークは深めだ。ただし、少し強めに押すと全体がたわむのは残念なところ。タッチパッドは2ボタンタイプだ。パームレストも含め十分面積が確保されており扱いやすい。

 振動やノイズは試用した範囲では気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとキーボード上のスペースが熱を持つ。ただしパームレストまでは熱が降りてこないため、使用中に熱いと思うことはないだろう。

 サウンドは、スピーカーが裏にあり机などに反射するタイプだ。反射する素材によって音質も変わるが、基本的にノートPCらしいシャリシャリ音となる。とはいえ、パワーはそれなりにあり、また左右のスピーカーがある程度離れているので、ステレオ感も十分。難しいことを言わなければ、本体だけでもそれなりに楽しめる。

 このように、パネルとキーボードがパッとしないものの、その分、高性能の割に価格が抑えられており、それに納得して使うのであれば、と言うところだろう。

iGPUのノートPCとしてはかなりのハイパフォーマンス

 OSは64bit版のWindows 10 Home。初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループなどはない。デスクトップは壁紙の変更と、左側に今どきとしては多めのショートカットが追加されている。

 4コア/8スレッドのCore i7、メモリ8GB、ストレージNVMe M.2 SSDの構成なので、ストレスなく快適に作動する。

 ストレージはNVMe M.2 SSD 256GBの「intel SSD 760p(SSDPEKKW256GB)」。Cドライブのみの1パーティションで、約238GBが割り当てられ、空きは219GB。Wi-Fi(Wireless-AC 9462)とBluetoothはIntel製、Gigabit EthernetはRealtek製だ。

スタート画面(タブレットモード)は1画面。とくに追加されたグループなどはない
起動時のデスクトップは壁紙の変更と、今どきとしては多めのショートカット
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはNVMe M.2 SSD 256GBの「Intel SSD 760p(SSDPEKKW256GB)」。Wi-Fi(Wireless-AC 9462)とBluetoothはIntel製、Gigabit EthernetはRealtek製
ストレージのパーティションはCドライブのみの1パーティションで約238GBが割り当てられている

 おもなプリインストールソフトウェアは、「Control Center 2.0」、「LoiLoScope 2」、「ノートンセキュリティ」、「WPS Office」、「Zoner Photo Studio 15」。動画編集、セキュリティ、オフィス、写真編集と一式揃っている。また「ユニットコムのお勧め」フォルダに、いくつかのブックマークが用意されている。

Control Center 2.0(1/2)基本設定
Control Center 2.0(2/2)追加設定

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBench。結果は以下のとおり。

ベンチマーク結果
PCMark 10 v1.0.1457
PCMark 10 Scoren/a
Essentials6,704
App Start-up Score7,972
Video Conferencing Score6,111
Web Browsing Score6,185
Productivity5,564
Spreadsheets Score6,752
Writing Score4,586
Digital Content Creationn/a
Photo Editing Score3,236
Rendering and Visualization Scoren/a
Video Editting Score3,196
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,375
Creative Accelarated 3.03,540
Work Accelarated 2.05,097
Storage5,049
3DMark v2.4.4264
Time Spy401
Fire Strike Ultra255
Fire Strike Extreme452
Fire Strike1,008
Sky Diver4,441
Cloud Gate7,883
Ice Storm Extreme35,677
Ice Storm46,657
CINEBENCH R15
OpenGL47.57 fps
CPU655 cb
CPU(Single Core)181 cb
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード3,062.553MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1,232.271MB/s
4K Q8T8 ランダムリード771.996MB/s
4K Q8T8 ランダムライト731.069MB/s
4K Q32T1 ランダムリード435.013MB/s
4K Q32T1 ランダムライト200.893MB/s
4K Q1T1 ランダムリード61.320MB/s
4K Q1T1 ランダムライト121.122MB/s
BBench(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能)
バッテリ残量6%まで7時間53分57秒

 各種ベンチマークは、4コア/8スレッド、NVMe M.2 SSDということもあり、iGPUとしてはかなりの高スコア。PCMark 10では、Digital Content Creation、Rendering and Visualization Scoreのテストが実行できずスコアを取得できていないが、全体評価のEssentialsとProductivityのスコアで好成績を記録している。

 ただし、メモリが8GBのシングルチャネルで、iGPUも含め、デュアルチャネル作動になっておらず、もし4GB×2や8GB×2の構成なら、もう少し伸びそうな感じだ。

 カスタマイズに8GB×2はあるものの、8GBで8GB×1か4GB×2かを選べる項目はない。経験上、体感では(ほぼ)分からないが、ベンチマークテストの結果はそれなりに差が出るので、できればデュアルチャネル作動で使いたい。

 バッテリ駆動時間は、ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能で、残6%まで7時間53分57秒。昨今軽く12時間を越えるノートPCが多いなか、約8時間は結構短めだ。また輝度0%は暗い室内でもギリギリの明るさなので、実際はもう少し短くなると思われる。


 以上のようにiiyama「STYLE-15FH059-i7-UHSX」は、Whiskey LakeなCore i7を搭載した15.6型フルHDノートPCだ。メモリ8GB、ストレージNVMe M.2 SSD 256GBに加え、Mini DisplayPort、HDMI、USB 3.0/USB 2.0、そしてThunderbolt 3(Type-C)とインターフェイスも豊富だ。

 パネルやキーボードの品質は今一歩だが、価格の割に高性能で、コストパフォーマンスは高く、幅広いユーザーにお勧めできる1台と言えよう。