西川和久の不定期コラム

3万円台で12時間超のバッテリ駆動、約1kgの11.6型ノート「ASUS E203MA」

製品写真

 6月23日ASUSは、Gemini Lake Celeron搭載、薄型軽量の11.6型モバイルノート、ASUS「E203MA」を販売開始した。

 編集部から実機が送られて来たので、試用レポートをお届けしたい。

Celeron N4000/4GB/64GBの11.6型

 先月からGemini Lakeを搭載したマシンの試用レポートが、マウスコンピューター「m-Book C100BN」、同「m-Book E410/E410SN-S1」と、少し続いている。プロセッサ自体の出荷から半年が経ち、旬なのだろうか?

 この2つはCeleron N4100(4コア/4スレッド、1.1~2.4GHz、キャッシュ4MB/TDP 6W)を搭載。前者が11.6型、後者が14型のノートPC。どちらもメモリ4GBで5万円未満と安価なモデルだ。

 記事を改めて読み直すと、高性能なCore i7-8550U/GeForce MX150のマシンより、各種ベンチマークテストのスコアがおよそ半分程度(3DMarkは除く)で、価格差を考えると、これはこれで重い処理でなければ普通に使える環境と言える。

 そして今回もう一台Gemini Lake搭載マシンをご紹介したい。1つ下のSKU、Celeron N4000(2コア2スレッド/1.1GHz~2.6GHz/キャッシュ4MB/TDP 6W)を搭載した11.6型ノートPCだ。特徴は、重量約1kgで持ち運びやすいモバイルノートPCとなる。おもな仕様は以下のとおり。

ASUS「E203MA」の仕様
プロセッサCeleron N4000(2コア/2スレッド、1.1~2.6GHz、キャッシュ4MB/TDP 6W)
メモリLPDDR4-2400 4GB
ストレージeMMC 64GB
OSWindows 10 Home 64bit
ディスプレイ11.6型HD(1,366×768ドット)、光沢あり、タッチ非対応
グラフィックスUHD Graphics 600、HDMI
ネットワークIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.1
インターフェイスUSB 3.0×2、USB 3.1 Type-C、30万画素カメラ、microSDカードスロット、音声入出力、2W+2Wスピーカー、アレイマイク
バッテリ駆動時間約14.6時間
サイズ/重量約286×193×16.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1kg
カラーバリエーションパールホワイト、スターグレー
税別販売価格36,800円

 プロセッサはGemini LakeのCeleron N4000。2コア/2スレッドでクロックは1.1GHzから最大2.6GHz。キャッシュは4MB、TDPは6W。

 現在モバイル用のGemini Lakeは、Pentium N5000、Celeron N4100/N4000とあるので、SKUとしては最下位となる。ほかの2つが4コアなだけに、少し残念な部分だ。ただし、後述するベンチマークテストから分かるように、その差はさほど大きくない。

 メモリはLPDDR4-2400の4GB。Gemini LakeのメモリはDDR4のみの対応だ。ストレージはeMMCの64GB。OSは64bit版のWindows 10 Homeを搭載する。

 グラフィックスは、プロセッサ内蔵のUHD Graphics 600。外部接続用にHDMIも装備している。ディスプレイは11.6型光沢ありの1,366×768ドット。タッチには非対応だ。

 ネットワークは、IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 4.1。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×2、USB 3.1 Type-C、30万画素カメラ、microSDカードスロット、音声入出力、2W+2Wスピーカー、アレイマイク。

 有線LANはないものの、このクラスでUSB 3.0とType-Cを搭載しているのはポイントが高い。

 本体サイズは約286×193×16.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1kg。なかなか薄く、また軽量だ。

 カラーバリエーションはパールホワイト、スターグレーの2色。価格は36,800円(税別)となる。内容を考えるとリーズナブルではないだろうか。

前面。パネル中央上に30万画素カメラ
斜め後ろから。カラーバリエーションはスターグレー。中央にロゴ
左は電源入力、microSDカードスロット、HDMI、USB 3.0、Type-C
右はUSB 3.0、音声入出力。パネルの傾きはこれが最大(180度まで倒れる)
裏には手前左右にスピーカー用スリット。四隅にゴム足
キーボードは10キーなしのアイソレーションタイプ。左側にステータスLED。タッチパッドは1枚プレート型
キーピッチは実測で約18mm。[半角/全角]、「」キーのピッチが狭くなっているものの、とくに歪な並びはない
ACアダプタのサイズは約45×45×25mm、重量122g
重量(本体)は実測で993gと1kgを切る
横から。厚み16.9mmなのでそれなりに薄い

 筐体はプラスティック製ではあるが、高級感とまではいかないものの、悪くない質感とデザインだ。写真からも分かるように比較的薄く、そして11.6型なのでコンパクト。重量が実測993gということもあり、持った感じも軽い。

 前面はパネル中央上に30万画素カメラ。天板は色的にはグレーなのだが、細かい模様があり、また青色が混じった感じだ。

 左サイドは、電源入力、microSDカードスロット、HDMI、USB 3.0、Type-C。右サイドは、USB 3.0、音声入出力を配置。パネルは最大180度まで倒すことができる。裏は手前左右にスピーカー用のスリット。四隅にゴム足。

 ACアダプタはサイズは約45×45×25mm、重量122gと、本体に合わせて小型軽量のものを添付している。

 11.6型のディスプレイは(若干派手気味の発色だが)、明るさ、コントラスト、発色、視野角ともにこのクラスとしては良好。光沢パネルだが、映り込みもさほどない。

 キーボードは10キーなしのアイソレーションタイプだ。主要キーのキーピッチは実測で約18mm。[半角/全角]と「」キーのピッチが狭くなっているものの、ほかに歪な並びもなく、気になるほどではない。

 打鍵感もソフトでもハードでもなくニュートラル。ストロークは少し深めだろうか(仕様上は1.6mm)。

 タッチパッドは1枚プレート型だ。パームレストも含め、11.6型としては面積が広めで操作しやすい。同社によると「平均的な11.6型のノートPCに比べ、36%大きいサイズのタッチパッド」とのこと。

 振動やノイズはとくになし。発熱は、ベンチマークテストなど負荷をかけると、おもに左上側に熱を持つ。

 サウンドはこのサイズを考えると出力は大きく迫力がある。また上質な音質ではないものの(つまり粗い音)、キレもありどちらかといえばロック向きの雰囲気だ。音楽や動画も本体だけで楽しめるだろう。

パワーはそれなりだがバッテリ駆動は12時間超え!

 OSは64bit版のWindows 10 Home。初期起動時のスタート画面(タブレットモード)は1画面。ASUSグループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙のみの変更とシンプルだ。

 最近は他社も含め、デスクトップは左側へショートカットの追加はなし、壁紙の変更のみと、ゴチャゴチャしないのがトレンドのようだ。

 2コア/2スレッドのCeleron、メモリ4GB、eMMCということもあり、爆速にはほど遠いが、テキスト中心の軽めの処理であれば、ストレスを感じないレベルで操作可能だ。

 ストレージはeMMC 64GBの「SanDisk DF4064」。Cドライブのみの1パーティションで、約57.69GBが割り当てられ、空き39.6GB。Wi-FiとBluetoothはIntel製だ。

 なおType-Cは、確認したところDisplayport Alternate Modeには未対応だった。

スタート画面(タブレットモード)は1画面。ASUSグループがプリインストール
起動時のデスクトップは壁紙のみの変更とシンプル
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージはeMMC 64GBの「SanDisk DF4064」。Wi-FiとBluetoothはIntel製
ストレージのパーティション。Cドライブのみの1パーティションで約57.69GBが割り当てられている

 プリインストールのソフトウェアは、「ASUS Hello」、「ASUS Splendid Utility」、「ASUS GIFTBOX」など同社のツール系と、「ICE power」、「i-フィルター6.0」、「McAfee Security」、「WPS Office」など。同社のいつものパターンとなっている。

MyASUS
ASUS Splendid Utility
ICE power
WPS Office

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R15、CrystalDiskMark、BBenchで実施。結果は以下のとおり。

ベンチマーク結果
PCMark 10 v1.0.1457
PCMark 10 Score1,510
Essentials4,292
App Start-up Score4,296
Video Conferencing Score4,441
Web Browsing Score4,146
Productivity2,834
Spreadsheets Score3,262
Writing Score2,463
Digital Content Creation768
Photo Editing Score889
Rendering and Visualization Score453
Video Editting Score1,126
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.01,873
Creative Accelarated 3.01,523
Work Accelarated 2.03,143
Storage4,144
3DMark v2.4.4264
Time Spyn/a
Fire Strike Ultran/a
Fire Strike Extremen/a
Fire Strike276
Sky Diver871
Cloud Gate2,204
Ice Storm Extreme12,602
Ice Storm18,883
CINEBENCH R15
OpenGL16.72 fps
CPU141 cb
CPU(Single Core)69 cb
CrystalDiskMark 6.0.0
Q32T1 シーケンシャルリード195.951 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト111.106 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード31.969 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト13.646 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード32.785 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト13.654 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード7.338 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト13.137 MB/s
BBench(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能)
バッテリ残量5%まで13時間49分55秒(仕様では約14時間)

 爆速でないのはあらかじめ分かっていた話だが、少し気になるのは、Celeron N4100(4コア/4スレッド、1.1~2.4GHz)との差だ。

 CINEBENCH R15の値を比較すると、OpenGL 19.38fps、CPU 238cb、CPU(Single Core) 72cb。CPUの部分だけ、倍近く差が出ている。これは2コア2スレッドか4コア4スレッドかの違いだ。

 ただし、一般的なアプリはシングルコアスコアの方がより違いに出ることもあり、だとすると、実利用の性能はほぼ同じ。用途にもよるだろうが、あまり神経質になる必要もなさそうだ。実際PCMark 8や10のおもなスコアは、100~200程度の差だった。

 バッテリ駆動時間は約13時間50分とほぼ仕様通り。輝度を明るくするともう少し減るだろうか。それでも12時間は堅そうだ。それなりに動き重量1kg未満、そしてバッテリ駆動時間12時間オーバー。モバイルPCとしては魅力的な1台に仕上がっている。


 以上のようにASUS「E203MA」は、Gemini LakeのCeleron N4000、メモリ4GB、eMMC 64GB、そして11.6型HDパネルを搭載したノートPCだ。

 実測で重量998gと1kgを切り、持ち運びしやすく、加えてUSB 3.0やType-C、HDMIなどインターフェイスも豊富。36,800円と価格も安い。

 仕様上、とくに気になる部分もなく、そこそこの性能で軽いモバイルノートPCを探しているユーザーに、おすすめできる1台だ。