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macOS Sonomaの新機能「共有パスワードグループ」でパスワードを家族や友人とシェアしよう!
2024年4月30日 06:01
MacではAirDropを使ってパスワードやパスキーを共有できます。しかし、AirDropの通信圏内にいない人とは共有できないので、その場合は最新のmacOS Sonomaで追加された「共有パスワードグループ」を使ってみましょう。この機能を使って信頼できる家族や友人などのグループを作成しておけば、それぞれのメンバーがパスワードを追加・変更したりできてとても便利です。
パスワードを共有する2つの方法
現在はインターネットで提供されるさまざまなサービス(ネットサービス)を利用する際に、IDやパスワードによるログインが必要になることがほとんどです。
1人で利用するサービスに関しては本人がIDやパスワードを作成して覚えておくだけでいいのですが、もし家族や友人、会社の同僚などの信頼できる人と共通利用するサービスの場合はどうしますか?
それぞれのメンバーが個別にIDやパスワードを取得するのではなく、IDやパスワードを手軽に共有できたら便利です。
そこでMacには、口頭やメモを渡して教えなくてもパスワードやパスキーを安全に共有できる2つの方法が用意されています。それぞれの使い方や利点を紹介していきましょう。
近くにいる相手と手軽に共有するならAirDrop
パスワードを共有したいとき、共有相手のAppleデバイスが近くにあるなら、MacをはじめとするAppleデバイスに標準搭載されている「AirDrop」を利用するのがおすすめです。
Macの場合は、「システム設定」のサイドバーにある[パスワード]から共有したいパスワードを選んで共有ボタンをクリック。すると、AirDropのウィンドウが開くので、共有相手を選択すればパスワードをワイヤレスで送信できます。
AirDropで送る際の注意点
このようにAirDropを使えば、写真や書類などのコンテンツを送るような感覚で、パスワードも手軽に共有できます。
AirDropはインターネットを介さず、 ピア・ツー・ピアで直接通信し、データは暗号化されるので安全性も確保されています。
ただし、AirDrop送信時にはAirDropを許可している近くの人がすべて表示されるため、くれぐれも間違った相手に送信しないようにしましょう。
また、AirDropを使った共有では、共有元と共有先のどちらかがパスワードを変更しても相手には伝わりません。
たとえば、共有先で勝手にパスワードを変更されてしまい、共有元で使えなくなるといった事態も起こり得るので、共有相手は信頼できる人に限定しましょう。
「共有パスワードグループ」を使って共有
Macに搭載されているもう1つのパスワード/パスキーの共有方法が、「共有パスワードグループ」です。
これは最新のmacOS SonomaやiOS 17、iPadOS 17で搭載された機能で、AirDropで共有することができない、離れた場所にいる相手と共有する際に便利です。
具体的な使い方の手順は下記に記載しますが、Macの場合は「システム設定」の[パスワード]で検索ボックスの横にある[+]ボタンをクリックして[新規共有グループ]を選択。
そしてグループの名前を入力したあと、共有したいパスワードやパスキーを登録し、あとはグループに追加するメンバーを決定するという流れになります。
これで共有相手がグループへの参加を承認すると、共有相手がMacを利用している場合は「システム設定」の[パスワード]のグループ内にパスワードやパスキーが自動で登録されます。
iPhoneやiPadを共有相手が利用している場合は「設定」アプリの[パスワード]からグループにアクセスできます。
ただし、「共有パスワードグループ」を利用するにはデバイスの制限があります。macOS SonomaやiOS 17、iPadOS 17がインストールしてあるデバイス同士でしか使えませんので、その点には注意しましょう。
グループへのパスワード追加も自由
「共有パスワードグループ」が便利なのは、AirDropでの共有とは異なり、パスワードを変更すると自動的に共有相手のデバイスにも反映される点です。
また、グループに参加している人は誰でもパスワードやパスキーを追加できるほか、既存のパスワードをグループに移動したり、新たなパスワードの作成したりすることもできます。
「共有パスワードグループ」からのパスワード削除
共有パスワードグループを利用していると、時にはパスワードの共有を中止したいときがあるでしょう。
その際は、グループからマイパスワードにパスワードを移動しましょう。
グループ内からパスワードを削除することもできますが、この場合はマイパスワードからも消えてしまうので注意が必要です。
ただし、間違えてパスワードを削除してしまっても「最近削除した項目」に保存され30日以内ならグループやマイパスワードに復元できます。
そのほか、パスワードを共有する必要がなくなった場合は「共有パスワードグループ」から該当するメンバーを削除することも可能です。
ただし、グループから削除してもそのメンバーは共有していたパスワードが引き続き利用できますので、必要に応じて速やかに共有していたパスワードを変更しましょう。
安全に共有したいなら「共有パスワードグループ」
ここまで解説してきたように、MacではAirDropと「共有パスワードグループ」の2つの方法を使ってパスワードやパスコードを共有できます。
手軽にパスワードを共有したいならばAirDropを使うこともできますが、より安全に共有したいのであれば「共有パスワードグループ」を利用するほうがおすすめです。
一時的にパスワードを共有したい場合でも専用のグループを作成して共有し、パスワードの共有が不要になったらグループからメンバーを削除して速やかに共有していたパスワードを変更する、といった使い方で運用しましょう。