Mac Info
Alfredの対抗馬!?新生ランチャツール「Raycast」がすごく便利!
2024年4月25日 06:21
MacのランチャアプリとしてはmacOS標準機能の「Spotlight」や定番ユーティリティの「Alfred」が有名ですが、最近じわじわと人気を集めているのが「Raycast」です。単なるランチャアプリに留まらない機能の豊富さやカスタマイズ性の高さから「生産性が爆発的にアップする!」と、多くのMacユーザーを虜にしているのです。Raycastとはいったいどんなアプリなのか。ここではその基本的な使い方と一歩踏み込んだ活用テクを紹介していきます。
Raycastが注目される理由
Macでよく使うアプリは、素早く起動できるようにDockに登録している人が多いでしょう。
しかし、登録するアプリが増えるほど、見つけにくくなってしまうのがデメリットです。
そこでぜひ試してほしいのが、Raycastです。このアプリはいわゆる「ランチャ(キーボードランチャ)」と呼ばれるもので、キーボードショートカットで起動して表示される検索窓に、アプリ名の一部をタイピングするだけで素早くアプリを起動できます。
また、Raycastはアプリの起動のみならず、検索窓に入力することでファイル検索やインターネット検索、定型文の管理、クリップボード管理、ウィンドウ管理など実にさまざまな機能を実行することが可能。
さらには、設定画面の[Extensions]からRaycastの専用ストアにアクセスして拡張機能を追加することもできます。
つまり、Raycastを使えば単にアプリの起動を効率化できるだけでなく、これまで複数のアプリを使って実現していた機能を1つに統合することも可能なのです。
しかも、驚くことにアプリは基本的に無料で利用可能。有料版も用意されていますが、無料版でも実に多くの機能を搭載しているので気軽に使い始めることができます。
では、具体的にどのようにRaycastを使いこなせばいいのか。主な機能の使い方を詳しく説明していきましょう。
ランチャ機能でアプリを素早く起動する
Raycastでまず試してほしいのが、アプリランチャとしての機能です。
初期設定で設定したホットキーを押すとRaycastのウィンドウが現れるので、起動させたいアプリの名称を入力してみましょう。
たとえばSafariを起動させたい場合は、「saf」と最初の3文字程度まで入力すればOK。アプリ名をすべて入力する必要はありません。
すると、検索結果の最上部に「Safari」が表示されるはずなので、そのまま[return]キーを押せばSafariがすぐに起動します。
また、検索結果の最上部に目的のアプリが表示されなかったときは矢印キーを押して選択する必要がありますが、より素早く操作したいなら[command]キー+数字キーを押してみましょう。
たとえば、[command]キー+[2]キーを押せば、検索結果の2番目に表示された項目を素早く起動できます。
ランチャに慣れていない人は、このようにタイピングしてアプリを起動するのが最初は面倒に感じるかもしれません。
しかし、操作に慣れてしまえばキーボードから手を離す必要がないため、ポインタを操作してアプリを起動するよりもスピーディに感じるはずです。
目的のファイルを一瞬で探し出す
Raycastはアプリの起動だけでなく、ファイルの検索も可能です。
Raycastを呼び出したら[search files]と入力して[return]キーを押すとファイル検索モードになりますので、探したいファイル名を入力しましょう。
ただし、ファイル検索をよく行なう人ほど、検索するたびに[search files]と入力するのが面倒に感じるはずです。
その場合はRaycastの設定画面から[Extensions]タブを開いて、[search files]を実行するためのホットキーを設定しておけば、すぐにファイル検索ウィンドウを呼び出すことができます。
各種Webサービスも直接検索
Raycastでは、インターネット検索を行なうことも可能です。
Raycastを呼び出したら[search google]とタイプするとグーグル検索モードになるので、あとは検索したいキーワードを入力して[return]キーを押せば自動的にWebブラウザが開いて検索結果が表示されます。
また、YouTubeやX(Twitter)、Wikipediaなどよく使うサイトがあれば、あらかじめ設定画面でそのサイトのURLを登録し、かつホットキーも設定しておくことで、素早くサイト内検索を実行することも可能です。
SafariなどのWebブラウザを起動して目的のサイトを表示、そして検索するといった面倒な手順を踏むことがなくなるので、とても便利です。
カレンダーやメモも検索可能
ここまで読めばお気づきのように、Raycastはアプリの起動に加えて、ホットキーを押して表示されるウィンドウにさまざまな機能名(コマンド)を入力することで、その機能を素早く呼び出すことができます。
[search files]や[search google]以外にも、たとえば[my schedule]というコマンドをタイプすればカレンダー検索が可能です。
設定画面の[Extensions]タブを開くと、標準搭載されているさまざまな機能とコマンドが表示されるので確認して使ってみましょう。
また、Raycastには専用ストアが用意されており、独自の拡張機能を追加インストールできます。たとえば「Apple Notes」というコマンドをインストールすれば、Mac標準の「メモ」アプリの検索を実行できるようになります。
3つのおすすめ機能
最後にRaycastの機能の豊富さをもっとお伝えするために、筆者のお気に入り機能を3つ紹介したいと思います。
まず1つ目は、[clipboard history]と入力することで実行できるクリップボード管理機能です。
クリップボードとは、自分がコピーした文字列や画像を一時的に記録しておく領域のこと。Raycastでは、自分が過去にコピーしたものの履歴を確認でき、あとから呼び出せるようになります。
ビジネス文書を作成していると、少し前にコピーした文字列を呼び出したくなることが意外と多いものです。クリップボードの履歴を辿れるようになることで、文書作成の効率が向上するでしょう。
次におすすめしたいのが、[create snipet]と入力して実行できる定型文の管理機能です。
たとえば、よく使うフレーズを「スニペット」として保存してすぐに呼び出せるようにすれば作業の効率化を図ることができます。
ビジネスメールでよく使う定型文を登録したり、エンジニアの人はよく使うコードを登録したりすると便利です。
そして3つ目は、ウィンドウ管理機能です。ウィンドウを画面の左半分または右半分に移動・リサイズすることはmacOSの標準機能でもできますが、Raycastを使えばコマンドを入力することで画面の3分の2、3分の1、4分の3、4分の1などさまざまなサイズに変更できます。
まずは無料版を試してみよう
MacのキーボードランチャといえばAlfredが定番ですが、RaycastとAlfredはどちらも使い勝手が近く、機能面も重なる点が多々あります。
Alfredは豊富なWeb検索機能があらかじめ設定済みになっていたり、複数のステップに渡る処理を自動化できる「ワークフロー」機能があるといった長所があります。
しかし、Alfredでワークフロー機能やクリップボード管理、定型文管理などの機能を使うには、Powerpackという有料ライセンスの購入が必要です。
一方、Raycastの場合は、有料のPro版にするとChatGPTをダイレクトに使えるなどいくつかの機能が追加されますが、無料版でも膨大な機能が使えます(本記事で紹介したすべての機能は無料で利用できます)。
初めてキーボードランチャを使う人も、これまでAlfredを使っていたという人も、まずは無料版で使い勝手を試してみるといいでしょう。Raycastのパワフルさをすぐに実感できるはずです。