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Ryzen 7 6800U搭載のド本命?TDP 33W駆動のハイパフォーマンスなゲーミングUMPC「AYANEO 2」

AYANEO AIR

 2022年のゲーミングUMPC市場は総括するとAMD旋風の吹き荒れた年だった。

 2022年の前半は、AMD製の独自CPUを搭載する「Steam Deck」の海外での販売がスタートしたところから始まり、国内製品にもRyzen 5/7を搭載した製品が非常に多く発売するようになる。これまでIntelのCoreシリーズを搭載していた「ONEXPLAYER」にRyzen 5/7搭載モデルがリリースされるようになったのも驚きのポイントだった。

 また、リリース直後からずっとRyzenシリーズのみのラインアップでリリースしてきた「AYANEO」シリーズの発売も本格化、これまでに類を見ない5.5型のコンパクトサイズにRyzen 5/7を内蔵した小型のゲーミングUMPC「AYANEO AIR」などの幅広い製品が登場し、少しずつ市場を広げていった印象だ。

 そして2022年終盤にはAMD製の新CPU「Ryzen 7 6800U」搭載製品がついに登場し始める。また、12月後半からはついにファン待望の「Steam Deck」が日本国内でも販売を開始するなど、とにかくAMDで始まりAMDで終わったという印象を受けた1年と言えるだろう。

AYANEO 2の特徴

 今回紹介する「AYANEO 2」は、AYANEOが開発したフルHD解像度/7型IPS液晶ディスプレイを搭載するスレート型ゲーミングUMPC。株式会社ハイビームが国内代理店となり、2023年1月31日より発売することが決定している。

 これまで同社が発売してきた「AYANEO」シリーズ同様、7型サイズの筐体を採用し、AMDの新CPU、Ryzen 7 6800Uを搭載したのが最大の特徴だ。Ryzen 7 6800Uは既に他社からも搭載製品が出始めているが、これまでの課題だったGPUを刷新、従来のVegaコアベースからRDNA 2コアベースに変更したことでパフォーマンスの圧倒的な向上が期待できるため、個人的には「Ryzen 7 6800U」搭載ゲーミングUMPCこそド本命だと思っている。

 AYANEO 2のSKUは、本体カラーがスカイホワイト、またはスターリーブラックを採用し、メモリ16GB、ストレージ1TB SSDのモデルが直販21万3,000円。本体カラーはスターリーブラックのみながら、メモリを32GB、ストレージを2TB SSDに増量したモデルが直販24万6,800円。

 また、同じくRyzen 7 6800U搭載の低価格モデルとして「AYANEO GEEK」も用意。クリスタルパープルの本体カラーでメモリ容量32GB/ストレージ2TB SSDモデルが20万9,800円となっており、AYANEO 2と比較すると4万円近く安く設定されている。

 また、ファンタジーブラックの本体カラーに1,280×800ドットの7型IPS液晶ディスプレイを搭載し、ストレージ容量を512GBにすることで直販15万3,300円とさらに価格を大きく下げたモデルも用意する。ただし、ハイビームの直販サイトでは原稿執筆段階では、AYANEO GEEKは一定数に達したため、新規予約受付を停止している。

 今回はスタンダードなスカイホワイトモデルをお借りしたので、その使用感やベンチマークなどについてレポートしていこう。

本体サイズ比較。手前がNintendo Switch(初期型/7型)、AYANEO 2、Steam Deckを並べて、奥側は位置を合わせてみた。コントローラやグリップ部のサイズがそのままサイズに直結しているような印象だ

RDNA2コアのGPUを内蔵するRyzen 7 6800U搭載で大幅パワーアップ!

 「AYANEO 2」最大の特徴は繰り返しになるが、何といっても、モバイルRyzen 7 6800Uを搭載したことだ。CPUコアは最新のZEN 3+コアアーキテクチャとなり、最大8コア構成。そして内蔵GPUは従来のVegaコアベースから、RDNA 2コアベースのGPU「RADEMO 680M」にアップデートした。

 RDNA 2アーキテクチャはRadeon RX 6000シリーズにも採用されるアーキテクチャで、ゲーム性能が大幅に向上する。最大CU(Compute Unit)は12。

 これまでのモバイル用Ryzen 5/7シリーズでは、GPUが旧世代のVegaコアを採用していたこともあり、ゲーミングUMPCながら、肝心のゲーム性能が思ったよりも伸びないという非常に悩ましい状態だった。特にライバルのCoreシリーズが第11世代「Tiger Lake」から採用する内蔵GPU「IRIS Xe」シリーズのゲーミング性能が高かったこともあり、比較するとどうしても1歩及ばないという状況が続いていたため、モバイルRyzen 6000シリーズはゲーミングUMPCにとって正に待望のCPUなのだ。

 一方でモバイル用製品ということもあり、最大CUが12となっており、単体のエントリークラスのゲーミングGPUと比較しても少なめ。そのため、最新のデスクトップPCと同等の性能が発揮できるかと問われると現状はまだ難しいという点には注意が必要だ。

 具体的な本機の性能面については次項に譲るとして、まずは外観などについて見ていこう。本体形状は「AYANEO AIR」同様、流線型のボディデザインが印象的だ。両端はグリップ形状になっており、手に馴染みやすいデザインとなっている。

本体背面には大型の吸気口を備える両サイドのグリップ部は握りやすい流線型デザインだ

 搭載するコントローラは左側にアナログスティックと十字キー、右側にA/B/X/Yボタンとアナログスティックを配置。天面部の両端にそれぞれ平たい形状のLB/RBボタン、奥にはRT/LTトリガーを備える。また、カスタマイズ可能な小型のLC/RCボタンをLB/RBボタンの隣に配置する。

天面部両端にはLB/RBボタン、その下にはLT/RTトリガー、LB/RBボタンの隣にはLC/RCボタンを用意

 コントローラの操作感は良好で、スティック、ボタンともスムーズに動作し、特に気になるところはなく、快適にゲームを楽しめた。ただし、LC/RCボタンについては、LB/RBボタンの隣にあることもあり、やや操作しにくい印象を受けた。5.5型ディスプレイの「AYANEO AIR」くらいコンパクトな本体だと、LR/RBボタンの隣であってもあまり気にならなかったので、7型ディスプレイの本体に合う場所を模索してほしいところだ。

 天面部には指紋認証センサーを内蔵する電源ボタン、ボリュームボタン、USB4を備えるほか、大きめの排気口を備える。底面部は中央にUSB 3.2 Type-C、microSDカードスロット、3.5mmイヤフォン端子を装備。

天面部には電源ボタン(指紋認証センサー内蔵)、ボリュームボタン、USB Type-C×2(USB 4.0)を備える

 ディスプレイは7型/1,920×1,200ドットのIPS液晶で、マルチタッチにも対応。本体前面にはフルラミネーション製法により、ディスプレイやコントローラなど全体をガラスで覆う加工が施されている。これにより、一体感のあるデザイン美を実現するとともに、耐衝撃性・耐傷性・光透過性に優れ、画面と本体を保護しているという。光沢感のある前面パネルは見ていても実際に触れても高級感が感じられ、なかなかいい意匠だ。

解像度1,920×1,200ドットの7型IPS液晶ディスプレイを搭載。コントローラはディスプレイの両サイドに備える

 Wi-Fi6対応の無線LANとBluetooth 5.2を搭載、バッテリ容量は13,050mAhで、65WのUSB PD給電にも対応。USB ACアダプタも付属する。外形寸法は約264.5×105×36.1mm(幅×奥行き×高さ)、最薄部21.5mm、重量は公称660gだが、実測では655gだった。

重量は実測で655g
底面部には中央にUSB Type-C(USB 3.2)、microSDカードスロット、3.5mmイヤフォン端子を装備
microSDカードスロットは、カバーの左側にあるぽっちを押し込むことでスッと開く。カバー裏には金属が張り付けられており、本体側のマグネットと反応してパチッと心地よく閉められるようになっている

独自ランチャーソフト「AYA Space」を搭載し、単体でもゲーム起動がラクラク

 今回もプリインストールソフトとして、同社開発の専用ランチャーソフト「AYA Space」を搭載。以前は英語の項目ばかりだったが、アップデートがかなり頻繁に行なわれているようで、現在は多くの項目が日本語に翻訳されており、進化を感じられる。

 AYA SpaceはAYANEO 2起動時には自動で立ち上がり、コントローラやタッチパネル操作のみで、インストール済みのゲームを選択して起動できるゲームランチャーとして使える。その他にも、本体のTDP設定の変更や冷却ファンの回転数、ディスプレイ解像度などが簡単に調整できる。また、AYANEO 2に関するジャイロ機能の調整や、コントローラのカスタマイズ、アナログスティックのLED設定といった細かい設定もここから行なえる。

日本語対応箇所が大幅に増えてさらに使いやすくなった「AYA Space」TDP設定はプリセットから選択するほか、「プロモード」を選ぶことで、3W~33Wの範囲で手動調整が可能だ

 TDP設定や冷却ファンの回転数については、AYA Spaceのクイックアシスタントの操作のみで、瞬時に切替が可能だ。プリセットも用意されており、「ゲーム(TDP 22W)」、「バランス(TDP 15W)」、「省電力(TDP 11W)」のほか、最低3W~最大33Wまで手動で調整が行なえる「プロモード」も備える。

 ファンの回転数はプリセットのみで、「暴れる(MAX)」、「優秀(Pro)」、「バランス(MID)」、「省電力(LOW)」が用意され、個々に変更できるのもうれしいところ。

 実際の動作を見ていても、あまりGPU負荷の高くない軽量なタイトルであれば、TDP設定はデフォルトのままでも問題ないし、CPU/GPUが強化されたことでTDPを下げた場合も、2Dメインのタイトルであれば快適に楽しめる。

AYANEO 2のデザインが組み込まれた状態でボタンの説明やカスタム項目が表示される

GPU性能が大幅に向上! 現時点で最強クラスの性能を発揮

 次に実機のパフォーマンスをチェックするべく、いくつかのベンチマークテストを流してみた。テストに利用したのは、「PCMark 10 v2.1.2574」、「3DMark v2.25.8056」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「CINEBENCH R23」。また、手動によるバッテリ駆動時間測定や、「Apex Legends」を実行し、映像品質の設定を最低にした場合とデフォルトのままの状態で、トレーニングルームを選択、フレームレート測定ツールの「CapFlame X」を使用して入り口から奥の壁までダッシュして、折り返して戻ってくるコースを走る動作の最初の1分間の平均フレームレートも測定した。

 なお、ベンチマーク環境については、AYANEO 2のTDPを33W(最大)/15W(バランス)/11W(省電力)/3W(最低)の4種類についてチェックした。さらに、Ryzen 5 5560U搭載の「AYANEO AIR」のTDP 15W時のスコアも参考までに併記しておくほか、約1年前にレビューした第11世代のCore i7-1195G7搭載の「ONEXPLAYER mini」のスコアと、筆者所有の「Steam Deck」のmicroSDカードにWindows 11をインストールしてベンチマークを計測した際のスコアも参考データとして掲載しておきたい。

 特にSteam DeckのスコアはmicroSDカードにインストールしての動作であり、通常のSSDへのインストールではない点はご留意頂きたい。また、冷却ファンの回転速度については、TDP設定に合わせてTDP 33W時はMAXを選択、TDP 15W時はバランス、TDP 11W/3W時は省電力をチョイスしている。

PCMark 10の結果

 まずは実用アプリケーションでの動作をテストする「PCMark 10」のスコアだが、Ryzen 5 5560Uを搭載するAYANEO AIRと比べた場合、同じTDPで比較してもAYANEO 2の方がより高いスコアとなった。省電力設定のTDP11Wにした場合は、さすがに最大TDPで動作させたAYANEO AIRに軍配が上がる項目もあったが、全体的にパフォーマンスが向上しているのは間違いない。

 「Cinebench R23」についても同等で、特にマルチコアのテストでは倍近いスコアとなっており、CPUとしての性能もコア数の増加やZEN3+コアアーキテクチャの採用などでかなり向上しているのが分かる。

Cinebench R23の結果

 「3DMark」や「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、GPU性能の向上がさらに明確に分かるスコアとなっている。同じTDPで比較した場合でも項目によっては倍近いスコアの差が出ているだけでなく、省電力設定のTDP 11WですらTDP 15W駆動のAYANEO AIRを上回る項目があるなど、省電力で使いたい層にとってありがたい性能向上が感じられる。

3DMarkの結果
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

 この辺りのゲーム性能が如実に出ているのが、「Apex Legends」のトレーニングルームを使用したフレームレート測定結果だろう。これまでのAYANEO AIRも映像品質と解像度を下げることで、最大100前後、平均60fps前後のフレームレートを叩き出していたが、AYNAEO 2のTDP33W設定時には平均130fps以上というかなり高速なフレームレートを記録しており、GPU性能の向上が確実にスコアに現れているのが分かる。

Apex Legendsのフレームレート測定結果

 続いてバッテリ駆動時間についてもチェックした。以前、AYANEO AIRレビュー時にバッテリ駆動時間に関する内容が欠けていたとのご指摘を頂いた。確かに測定していなかったのは事実だが、筆者が昨今のゲーミングUMPCにおいてバッテリ駆動時間についてあまり言及しないのには理由がある。

バッテリ駆動時間

 というのも昨今のゲーミングUMPCはその多くがUSB PD給電に対応するため、その気になれば後からいくらでも追加でバッテリを足せるからだ。パフォーマンス重視で使った場合に1時間しか持たない製品であっても、大容量のモバイルバッテリを持ち歩いて併用すれば、長時間の連続駆動が行なえる。

 それでも今回はあえてバッテリ駆動時間を測定した理由はシンプルで、パフォーマンス重視の高TDP設定とバッテリ駆動時間重視の低TDP設定とで、バッテリ駆動時間と性能にどのくらいの差がでるのかが気になったからだ。

バッテリ容量が20%未満になると、スティック部のLEDが赤く点滅するようになる
今回バッテリ駆動時間の測定に使用したのは見下ろし視点のサンドボックス「Core Keeper」にて、フィールドに敷いたトロッコをバッテリが切れるまでエンドレスで走らせて、切れるまでの時間を計測した

 そんなバッテリ駆動時間についてだが、ベンチマーク結果からも明らかなように、TDP 33W駆動時は1時間10分となり、そのまま持ち歩いて使うにはやや厳しい時間となった。逆にTDPをバランス設定である15Wにした場合は約1時間30分、省電力設定の11Wでは約2時間15分、最小の3Wと変えた場合は約3時間10分となり、TDPを下げるほどバッテリ駆動時間は長くなるが、その代償となる性能低下も大きい。

 TDP 33W設定は性能面においてはほかのTDP設定と比べてもかなりの高性能ぶりが発揮できており、映像品質にこだわりのあるタイトルや、高フレームレートを保持したいタイトルを遊ぶ場合には、是非最大設定で使っていきたい。個人的には前述の通り、モバイルバッテリなどを使うなどして常にハイパフォーマンスの設定で使うのがAYANEO 2を気持ちよく楽しむ方法と言えるだろう。

 ただ、全てのゲームがハイパフォーマンスを必要としているわけではない。例えば先日リリースされて話題の「DONUTS DO DO」や2018年リリースのローグライク メトロイドヴァニラ「Dead Cells」のように動作がかなり軽いタイトルの場合、TDPに関係なくまともにプレイできるレベルのフレームレートを維持していた。

 こういった動作が全体的に軽いタイトルであれば、バッテリ設定をギリギリまで下げて、ファン速度も抑えることで、バッテリ駆動時間を長めに使った運用も行なえる。この辺りはいずれもプレイするタイトルなど、個々のプレイスタイルに依存する部分でもあるので、どのようにカスタマイズして遊ぶかをあれこれ工夫できるのも「AYANEO 2」の魅力の1つと言えるだろう。

冷却性能をチェック

 もう1点、AYANEO 2の冷却性能を調べるため、簡易的ではあるが「NF-521」というサーマルイメージャーを使ってベンチマークテスト中でフル稼働中の本体温度を測定してみたので紹介しておきたい。先ずTDP 33W駆動時の温度は最大51.4℃、そしてTDP 15W駆動時は39.4℃、TDP 11W駆動時は37.1℃、TDP 3W駆動時が34.8℃だった。TDP 33W駆動時はさすがに50℃近くまで上がるものの、冷却ファンをMAX回転させていることもあり、実際に排気口に触れても暖かい温風が出ている感覚で、膝の上に乗せた際にも熱さというよりは暖かいと感じられる温度だった。

サーマルイメージャーで撮影した画像。TDP33W駆動時、最も熱くなっていたのは実はディスプレイの縁の部分で温度は51.4℃となっていた
TDP 15W時は大体39.4℃
TDP 11W時は37.1℃
TDP 3W時は34.8℃

AYANE 2を持って旅に出よう! スティック部の汚れには要注意

 今回はせっかくだから宿泊時の可搬性なども持ち運んでチェックしてみた。都内で行なわれたイベント出展のお手伝いで出掛ける必要があり、その際に持ち歩いてのゲームプレイを遊んだほか、カプセルホテルに宿泊した際にどのくらい遊べるかをチェックしてみた。

 まず7型サイズということで比較的大きめのポケットを備えるジャケットやちょっと大きめのトートバッグであれば、十分に持ち運びは可能だ。また、ゲームプレイ自体は椅子などに座って遊ぶ分には全く問題なく、ちょっと腕が疲れたら膝の上に乗せつつ遊べばTDP設定を下げた場合も時間いっぱい楽しめる。

イベント展示ブース内でAYANEO 2をこっそり出して、周囲に人がいない時に起動してゲームしてみた。椅子さえあればどこでも快適ゲーミングが楽しめるのはやはり楽しい

 ただし、ファン回転数MAX時の音はかなり大きく、電車内やイベント会場など環境音が比較的大きめな場所では問題なさそうだが、比較的静かな部屋ではかなり気になるため、TDP設定などと合わせてコントロールした方がいいだろう。

 持ち運ぶ上で気を付けたいポイントとして、スティック部の樹脂が袋などの材質によっては繊維を吸いつけてしまい、若干汚れてしまう場合がある点だ。今回、綿100%のトートバッグに入れて本体をくるんでAYANEO 2を持ち運んでみたところ、出先で取り出したAYANEO 2のスティックが微かに汚れてしまっていることに気が付いた。

 そもそもゲーミングUMPCの持ち運び時の課題の1つとして、Nintendo Switchなどと同様、出っ張っていてかつ壊れやすいスティック部をどう保護するかという課題もある。先ほどハイビームで購入した際の購入特典を見ていたら、AYANEOロゴ入り専用ハードケースも用意されているようなので、持ち運んで使う予定の人はこれを入手できると持ち運びについてはいい感じになりそうだ。

宿泊先に戻ってよく見たら、アナログスティックの先端部が大変なことに!

群雄割拠のRyzen 7 6800U搭載UMPC市場をTDP33Wの優位性で崩せるか?

 現段階でRyzen 7 6800Uを搭載するUMPC製品としては「GPD WIN MAX 2」が発売されている。また、スレート型としては「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」や「AOKZOE A1」が既に発売されているほか、「GPD WIN 4」が発表されており、早くも群雄割拠となりつつある。

 他社製品が最大TDPを28Wまでとしているのに対して、AYANEO 2は最大TDPを33Wまで上げることが可能になっており、よりパフォーマンス重視の層に刺さる作りとなっている点や、「AYA Space」といった独自ランチャーシステムの開発を絶え間なく続けている点は個人的には大いに好印象だ。

 さらに2023年夏頃には、これまでも話は出ていた同社の独自OS「AYANEO OS」の実装を予定しているのだという。OS開発と言ってもおそらくはLinuxをベースとしたシンプルな物になると思われるが、おそらくLinux用のSteamクライアントや、Windows互換レイヤーを使ってのソフト起動などは可能になると思われ、このAYANEO OSの作り次第では、AYANEOシリーズの魅力はさらに深まるだろう。また、個人的にはRyzen 7 6800U搭載のAYANEO AIR的なコンパクトモデルを期待したいところだ。

 こうした各社のハイペースな新ゲーミングUMPC登場の背景には、ハイペースに新製品をリリースし続けるAMDの勢いが貢献している面もある。一方でCPU業界の覇者たるIntelは一連のムーブメントに対してどのような動きを見せるのか。UMPC市場の今後の展開からはまだまだ目が離せない。