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第8世代Core i搭載で“ブラック”にこだわった13.3型モバイルノート「VAIO S13 ALL BLACK EDITION」

VAIO S13 ALL BLACK EDITION

 VAIOは、2017年9月に発売した13.3型液晶搭載モバイルノート「VAIO S13」をリフレッシュ。第8世代Coreプロセッサ搭載モデルを追加するとともに、新たな機能を追加したり、スペシャルエディションとなる「ALL BLACK EDITION」を用意するなどの進化を遂げている。

 今回、VAIO 13リフレッシュモデルのなかでスペシャルエディションとして位置づけられている「VAIO S13 ALL BLACK EDITION」を試用する機会を得たので、ハードウェア面を中心に紹介していこう。

 発売日は1月26日を予定しており、市場想定価格は199,800円から。ALL BLACK EDITIONは通常カラーよりも5千円高となる。なお、今回の試用機は発売前の試作機で、製品版とは一部仕様が異なる可能性がある点はご了承願いたい。

とことんブラックにこだわったプレミアムモデル

 VAIO S13リフレッシュモデルは、2017年9月に発売されたVAIO S13をベースとしつつ、ユーザーの声を反映させた強化を実現している。そして、新たにスペシャルエディションとして、今回紹介する「VAIO S13 ALL BLACK EDITION」を追加した。まずは、VAIO S13 ALL BLACK EDITIONの外観からチェックしていこう。

 従来よりVAIO S13では、筐体カラーにブラックとシルバーの2色をラインナップしていた。VAIO S13リフレッシュモデルでも、それは同様だが、今回紹介するVAIO S13 ALL BLACK EDITIONでは、よりブラックにこだわった塗装が施されている。

 天板、液晶ベゼル、キーボード面、底面がともにブラックとなる点は従来のブラックモデル同様だが、さらに天板VAIOロゴや、“オーナメント”と呼ばれる液晶後方の側面部分にもブラックを採用している。

 わずかな変更ではあるが、これまでシルバーで目立っていたVAIOロゴやオーナメントがブラックとなったことで、見た目の印象も大きく変わっており、従来よりも落ち着いた高級感が醸し出されている。

 また、VAIOロゴはブラックながら光沢のある仕上げとなっており、存在感も失われていない。個人的には、電源コネクタ部分やミニD-Sub15ピンコネクタなども、筐体カラー同等のブラックに統一してもらいたかったように思うが、それを差し引いてもプレミアム感を高めた、印象的なカラーだと感じる。

 なお、本体デザインは従来から変わっていない。サイズは320.4×216.6×15.0~17.9mm(幅×奥行き×高さ)で、直線的なデザインは従来同様。重量は、従来とほぼ同等の約1.06kgとされるが、実際には第8世代Coreプロセッサ採用に伴う、冷却パーツを中心とした内部仕様の変更によって、10gの重量増となっているという。ただ、実際に手にしても判断できないほどの違いであり、重量増は気にする必要はなさそうだ。実測の重量は1059.5gだった。

 もちろん、堅牢性に関しても従来同様。高さ90cmからの落下試験をはじめ、本体のひねり試験、本体との間にペンを挟んで液晶を閉じる”ペンはさみ試験”、キーボード面への150ccの水かけ試験などの堅牢性試験をクリアしている。従来からのVAIO Sシリーズの魅力だが、毎日持ち歩くビジネスモバイルとして、この優れた堅牢性は非常に心強いはずだ。

VAIO S13 ALL BLACK EDITIONは、とことんブラックにこだわった筐体カラーが魅力
天板VAIOロゴは光沢感のあるブラックとなっている
液晶下部の“オーナメント”もブラック
こちらはVAIO S13リフレッシュモデルのシルバーカラー
ALL BLACK EDITIONとシルバーカラーを並べて見たが、雰囲気がかなり違う
天板部分。サイズは従来同様で、フットプリントは320.4×216.6mm(幅×奥行き)
本体正面
左側面。高さは15.0~17.9mmと、後方がやや高くなっている
背面
右側面
底面
重量は実測で1059.5gだった

CPUの性能を高める「VAIO TruePerformance」機能を搭載

 VAIO S13 ALL BLACK EDITIONでは、CPUとして第8世代Core i7-8550Uを採用しているが、それに加えて、CPUの性能を高める「VAIO TruePerformance」と呼ばれる新機能を追加している。

 第2世代以降のCore iプロセッサには、「ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0」が搭載されている。CPUの動作温度上限付近に達するまでの短時間にかぎり、CPUの動作クロックを定格よりも引き上げることで、より高い処理能力を発揮させる機能だが、VAIO TruePerformanceでは、このターボ・ブースト・テクノロジー 2.0の効果を、より持続させるようなチューニングを施すことで、高い処理能力を引き出せるようにしている。

 具体的には、電源回路の強化や、CPUパッケージパワーリミット値の調整、放熱用ヒートパイプの熱輸送力を33%向上、放熱フィンの熱交換率を10%向上、空冷ファンの回転数テーブルのチューニング、といったカスタマイズによって実現。これにより、ターボ・ブースト・テクノロジー 2.0による性能向上が長時間維持されるようになり、同じCPUながらより高い性能が引き出せるというわけだ。

 この、VAIO TruePerformanceの効果については、のちほどベンチマークテストで検証するが、Core i5-8250U搭載モデルでもVAIO TruePerformanceを適用することによって、標準状態のCore i7-8550Uより処理能力が高まるという。

 なお、VAIO S13リフレッシュモデルでは、CPUとして従来モデルと同様の第7世代Coreシリーズに加えて、第8世代のCore i7-8550UとCore i5-8250Uを選択可能となっているが、VAIO TruePerformanceが適用されるのは第8世代Core i7/i5のみとなる。そして、VAIO S13 ALL BLACK EDITIONでは、VAIO TruePerformance適用のCore i7-8550Uのみの搭載となる。

 ちなみに、VAIO TruePerformanceは、専用ユーティリティ「VAIOの設定」を利用して簡単に有効・無効を設定できる。具体的には、VAIOの設定に用意されている「電源・バッテリー」の項目から、CPUとファンの動作モードを「パフォーマンス優先」に設定すればVAIO TruePerformanceが有効、「標準」または「静かさ優先」に設定すれば無効となる。

VAIO TruePerformanceのコンセプト。通常よりもターボ・ブースト・テクノロジーが長時間有効となるようチューニングを施すことで、CPU性能を高めている
VAIO TruePerformanceは、「VAIOの設定」でCPUとファンの動作モードを「パフォーマンス優先」に設定すれば有効、「標準」または「静かさ優先」に設定すれば無効となる

フルHD表示対応の13.3型液晶を搭載

 ディスプレイは従来同様に、フルHD(1,920×1,080ドット)表示対応の13.3型液晶を採用。パネル表面は非光沢処理となっており、外光の映り込みが少なく快適な視認性を確保。光沢パネルに比べると、発色の鮮やかさはやや劣るという印象もあるが、全体的な表示品質は、このクラスのモバイルノートとして申し分ないレベル。なお、従来同様にタッチパネルは搭載していない。

 ディスプレイを開くと、後方が本体下部にもぐり込んで本体後方をリフトアップし、キーボード面に角度が設けられる点も従来同様だ。

ディスプレイは、フルHD表示対応の13.3型液晶を採用
液晶の表示品質は、このクラスのモバイルノートとして標準的。パネル表面は非光沢処理で、外光の映り込みが少なく、テキスト入力などの作業を快適にこなせる
ディスプレイを開くと、後方が本体下部にもぐり込んで本体後方をリフトアップ
キーボード面に適度な角度が設けられ、快適なキー入力環境が得られる

キーボードは従来モデルと同等

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプ。フラットなキーボード面にキーが配置されている点や、約19mmのフルピッチ、約1.2mmのストローク、キーボードバックライト搭載など、仕様面は従来モデルと同じ。配列も同じとなっており、利便性は従来同様。タッチは適度な硬さとクリック感で、打鍵感も良好だ。そして、カスタマイズモデルでは日本語配列キーボードだけでなく、英語配列キーボードを選択できる点も従来同様となる。

 また、個人的にかなり魅力に感じているのが、打鍵音の静かさだ。多少強めにタイピングしても、カチカチといった打鍵音が周囲に響くことがなく、静かな場所でも安心して利用できる点はうれしい。

 ポインティングデバイスのタッチパッドも、仕様は変わっていない。ジェスチャー操作に対応するとともに、独立したクリックボタンが用意されているため、利便性は申し分ない。また、右パームレストに指紋認証センサーを搭載する点も同様だ。

キーボードは従来モデル同様のアイソレーションタイプ
こちらはシルバーモデルのキーボード面
キーピッチは19mmmフルピッチで、タッチタイプも余裕だ
ストロークは約1.2mmで、打鍵感は良好。静かな打鍵音も魅力的だ
キーボードバックライトも標準搭載
タッチパッドは独立したクリックボタンが用意され、利便性に優れる
右パームレストには指紋認証センサーを搭載

海外でのLTE通信も問題なし

 VAIO Sシリーズは、従来モデルよりMicrosoftが常時接続対応PCとして提唱している「Always Connected PC」構想に準拠するLTE通信対応のワイヤレスWAN機能を搭載可能となっていたが、VAIO S13 ALL BLACK EDITIONを含むリフレッシュモデルにも、このワイヤレスWAN機能はしっかり受け継がれている。

 このLTE通信機能は、Band1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/21/25/26/28/29/30/38/39/40/41/66と、非常に豊富なLTEバンドに対応。利便性という点で大きな優位性がある。加えて、ワイヤレスWAN機能を搭載した場合には、フランスの通信事業者「Transatel」が提供する、1GBの無料トライアルプランが付属するデータ通信専用SIM「Cellular Data by Transatel」が標準で添付される点も特徴の1つ。

 購入後すぐにLTEデータ通信を試せるということもあって、従来モデルの購入者のうち約4割がLTE通信機能を搭載していたそうで、人気の高さがうかがえる。

 そして今回、実際にVAIO S13 ALL BLACK EDITIONを利用し、海外でのLTEデータ通信を試してみた。試したのはアメリカだ。標準添付のSIM、Cellular Data by Transatelを装着した状態でアメリカの通信事業者「AT&T」のLTE回線に接続してみたところ、手動でのAPN設定は必要だったものの、問題なくデータ通信が行なえた。

 海外でPCを利用する場合には、データ通信手段の確保が面倒となる場合が多い。しかしVAIO S13なら、日本で使っている状態でそのまま海外に持ち出し、渡航先でも比較的簡単にLTE回線に接続してデータ通信が行なえる。ワイヤレスWAN機能の海外での利用は保証外ではあるものの、この点は大きな魅力と言っていいだろう。

従来同様、LTE対応ワイヤレスWANを搭載可能。SIMカードスロットは底面後方にあり、Micro SIMに対応
ワイヤレスWAN搭載モデルには、1GBの無料トライアルプランが付属するデータ通信専用SIM「Cellular Data by Transatel」を標準添付
アメリカでのLTE通信も問題なく行なえた
ワイヤレスWAN搭載モデルなら、海外でも場所を問わず手軽にデータ通信が行なえるのはうれしい

第8世代Core i7/i5搭載以外にも一部スペック強化を実現

 VAIO S13 ALL BLACK EDITIONを含むリフレッシュモデルでは、CPUとして第8世代Core i7およびi5を選択可能となっている。また、メモリは最大16GB搭載可能という点は従来と同じだが、メモリの種類がLPDDR3-2133へと強化されている。

 このほかのスペックに関しては、ほぼ従来同様。内蔵ストレージはSATA SSDまたはPCIe対応SSDを選択可能で、容量は128GBから最大1TBまで。PCIe SSDはMLC NAND採用の高速モデル「第3世代ハイスピードプロSSD」と、TLC NAND採用モデル「第3世代ハイスピードSSD」とが用意される。なお、VAIO S13 ALL BLACK EDITIONでは、第3世代ハイスピードプロSSDのみとなり、容量も256GB、512GB、1TBのいずれかとなる。

 外部ポートは、左側面に電源コネクタ、USB 3.0×2ポート、オーディオジャックを、右側面にSDカードスロット、USB 3.0×1ポート、HDMI出力、Gigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピンの各ポートを用意。もちろん、これらポートはすべて標準サイズだ。

 セキュリティ機能も従来同様で、TPM 2.0対応のセキュリティチップ、指紋認証センサー、セキュリティロックスロットを用意。内蔵ストレージとしてハードウェア暗号化機能(TCG Opal v2.0)搭載SSDも選択可能だ。また、BIOS画面から約2秒(SATA 128GB/256GBの場合)と高速にSSDに保存されたデータを消去できる「Phoenix SecureWipe」も引き続き搭載している。

 ACアダプタは、従来モデルと同じ、充電用USBポートが用意されるコンパクトなものが付属する。ACアダプタの重量は付属の電源ケーブル込みで実測236.5gだった。

左側面には電源コネクタ、USB 3.0×2ポート、オーディオジャックを用意
右側面には、SDカードスロット、USB 3.0×1ポート、HDMI出力、Gigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピンを用意
ディスプレイ上部には92万画素のWebカメラを配置
付属ACアダプタは従来モデル同様の小型のものを添付
ACアダプタには充電用USBコネクタを用意
ACアダプタの重量は、付属電源ケーブル込みで実測236.5gだった

VAIO TruePerformanceの効果はなかなかのもの

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 10 v1.0.1413」、「PCMark 8 v2.8.704」、「3DMark Professional Edition v2.4.4418」、Maxonの「CINEBENCH R15.0」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の5種類で、VAIO TruePerformance有効時と標準動作時それぞれで計測を行なった。また、比較用として、日本HPの「HP Spectre 13(2017年11月モデル) パフォーマンスモデル」の結果も加えてある。

【表1】検証環境
VAIO S13 ALL BLACK EDITION TruePerformance適用時VAIO S13 ALL BLACK EDITION 標準動作時HP Spectre 13 パフォーマンスモデル
CPUCore i7-8550U(1.8~4GHz)Core i7-8550U(1.8~4GHz)
ビデオチップIntel UHD Graphics 620Intel UHD Graphics 620
メモリLPDDR3-2133 SDRAM 16GBLPDDR3-2133 SDRAM 16GB
ストレージ512GB SSD(PCIe)512GB SSD(PCIe/NVMe)
OSWindows 10 Pro 64bitWindows 10 Pro 64bit
【表2】ベンチマーク結果
VAIO S13 ALL BLACK EDITION TruePerformance適用時VAIO S13 ALL BLACK EDITION 標準動作時HP Spectre 13 パフォーマンスモデル
PCMark 10 v1.0.1413PCMark 10 v1.0.1403
PCMark 10 Score4,0053,9473,889
Essentials8,1888,1368,323
App Start-up Score9,8349,61711,423
Video Conferencing Score7,4907,4736,990
Web Browsing Score7,4557,4967,223
Productivity6,8026,8476,810
Spreadsheets Score8,0918,1068,229
Writing Score5,7205,7845,636
Digital Content Creation3,1302,9972,816
Photo Editing Score3,7843,7333,355
Rendering and Visualization Score2,0901,8671,791
Video Editting Score3,8813,8653,610
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.03,5273,4303,949
Creative accelarated 3.03,7723,6975,052
Work accelarated 2.04,7104,6374,828
Storage5,0585,0575,049
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps)57.8651.7244.7
CPU643576519
CPU (Single Core)168169159
3DMark Professional Edition v2.4.41803DMark Professional Edition v2.4.4163
Cloud Gate9,5108,6837,815
Graphics Score10,8198,8718,794
Physics Score6,6835,9815,624
Sky Diver4,9694,5554,116
Graphics Score4,6444,2673,829
Physics Score8,1577,2486,770
Combined score4,6874,3414,017
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC)4,6704,4853,892
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC)26442,5742,104

 結果を見ると、VAIO TruePerformance有効時には、多くの項目で標準動作時のスコアや、同じCPUを搭載するHP Spectre 13パフォーマンスモデルのスコアを上回っていることがわかる。

 VAIO TruePerformanceは、CPUのオーバークロックではなく、ターボ・ブースト・テクノロジーを長時間維持するようにしたものであるため、長時間の処理が続いてCPUの温度が高温になると効果が低くなる。それでも、これだけの差が見られることからも、効果は十分に得られると言っていいだろう。性能重視のモバイルノートとしては、大きな魅力となりそうだ。

 ただ、今回の検証では、PCMark 8の一部テストのスコアがやや低かった。CPUの温度を確認しつつ何度か繰り返しても、ほぼ同等のスコアが得られていたため、今回の試用機固有の結果とも考えられる。それでも、そのほかのスコアは十分に優れており、実際にアプリなどを利用しても動作が重いと感じる場面はなかったため、それほど気にする必要はないと言える。

 なお、高負荷のベンチマークテストを実行すると、ACアダプタ接続時でもバッテリが消費される場面を確認した。これは、高負荷時にはACアダプタだけでは電力不足となるためと考えられる。そのため、できれば大出力のACアダプタも別途用意してもらいたいように思う。

 続いてバッテリ駆動時間だ。VAIO S13 ALL BLACK EDITIONの公称のバッテリ駆動時間は、約11~12時間(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver2.0での数字)とされている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、電源モードを「(バッテリー)より良いバッテリー」、バックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約8時間25分だった。10時間には届かなかったものの、まずまずの駆動時間であり、高性能なモバイルノートとして十分に満足できる駆動時間と言えるだろう。

性能重視のモバイルノートを探している人におすすめ

 VAIO S13 ALL BLACK EDITIONは、従来モデルの特徴はそのままに、第8世代Coreプロセッサが選択可能となっただけでなく、CPUの性能をより高く引き出す「VAIO TruePerformance」機能を用意するなど、VAIOらしい尖った仕様を追加することで、魅力が大きく高まっている。

 また、ALL BLACK EDITIONには、スペックを突き詰めるだけでなく、細部までブラックにこだわったデザイン面での魅力もあり、所有欲をさらにかき立ててくれる。基本的には、従来モデルのリフレッシュバージョンではあるが、それ以上の魅力があると感じる。

 ただ、惜しむらくは、やはりこれらの仕様を最初から実現してほしかった点。とくに、昨年(2017年)秋以降に従来モデルを購入した人にとっては、短期間でのスペック向上となってしまうことになる。将来の第8世代Coreプロセッサの搭載は予想できたとはいえ、やはり残念と感じるだろう。

 それでも、これから購入するという人にとっては、このスペック向上は素直に喜べるはずだ。13.3型液晶搭載モバイルノートは、各社からさまざまな製品が登場し、熾烈な競争が繰り広げられているが、サイズ、重量、性能、機能のバランスとしては、VAIO S13リフレッシュモデルはかなり上位に位置づけられるだろう。そのため、性能重視のモバイルノートを探している人に広くおすすめしたい。