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Microsoft、グローバルでも「Surface」をビジネス向けに展開

~Windows 8.1は8月末にOEMへ出荷

米MicrosoftのSurface担当ゼネラルマネージャーのブライアン・ホール氏
7月7~11日(現地時間) 開催

 米Microsoftが米テキサス州ヒューストンで開催している「Microsoft Worldwide Partner Conference 2013」において、Surface担当ゼネラルマネージャーのブライアン・ホール氏がSurfaceのコマーシャル市場への展開について説明を行なった。

 これまでSurfaceの販売展開はコンシューマ市場だけに限定しており、すでに日本でも、2014年度第1四半期(2013年7月~9月)からコマーシャル市場への展開を図ることを明らかにしていた。グローバルでも7月以降、Surfaceのコマーシャル向け展開を本格化する考えであり、今回の説明は、Surface RTのビジネス展開を中心に、販売パートナーやシステムインテグレータに対して、Surfaceを取り扱うメリットを訴える内容となった。

 Microsoft Worldwide Partner Conference 2013初日の基調講演でも、Surfaceのコマーシャル向け販売地域の拡大とともに、Surfaceの販売促進プログラムを、9月末まで継続的に取り組んでいく姿勢を、参加したパートナー企業に対して明らかにしていた。

ホール氏はビジネス分野への展開を開始すると語る
ビジネス市場の成長予測
ビジネス市場のタブレット成長予測

 説明の中でブライアン氏は、Microsoftの事業年度である2013年7月~2014年6月の2014年度においては、コマーシャル市場が前年比11%増となること、中でもタブレット市場は前年比135%増と2倍以上の成長を遂げると予測する一方、Windows XPのサポート終了により1億6,000万台のPCをリプレースする必要があること、タッチ機能を搭載した新たなノートPCやハイブリッド型デバイスが登場することなどを示しながら、「パートナー企業にとっても、デバイスの拡販、マイグレーションサービスの提供、モビリティソリューションの提案、新たなデバイスに対応したアプリ開発やライセンス販売といった点でビジネスチャンスがある」と指摘した。

 「ビジネス向けタブレット全体の75%が400ドル(約4万円)以上の製品になるとみている。また、モビリティは企業の投資においては3番目に重要な要素であり、生徒1人1台の導入が見込まれる教育分野へのタブレット導入、会計や在庫管理などの新たな業界ソリューションにおけるタブレットの利用提案が見込まれる。こうした分野にSurfaceを展開していきたい」とした。

 特に、Surface RTは、長時間バッテリ駆動をはじめ、タブレットとして求められる要件を満たすとともに、Windows RT 8.1へと進化することで、ビジネス分野での展開が推進しやすくなるとする。

Surface RTはWindows RT 8.1によってビジネスに最適化したデバイスになるという
新分野をターゲットにする一方、既存分野へアプリ主導の展開を狙う
業務アプリケーションの増加

 ブライアン氏は、「改良されたVPN」、「オープンなMDMの導入」、「ワークプレイスへの参加」、「Outlook 2013 RTの導入」という4つの観点からそれを裏付けてみせる。

 「Surface RTは、サードパーティのVPNクライアントを利用することで、アプリが自動的にVPNに接続するといったことが可能になる。さらに細かい制御が可能になり、デバイスに複数のパラメータを適用しながらアクセス権を付与するといった使い方もできるようになる。加えて、Mobile IronやAir WatchなどのサードパーティをMDM製品を活用して、モバイル管理に柔軟性をもたせることができる。また、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteに加えて、Outlook 2013が提供されることも、ビジネス領域での利用に適している」などとした。

ヒューストン市内のMicrosoftストアに展示されているSurface RT

 こうした動きを背景に、教育、ヘルスケア、小売店、金融サービスといった市場をターゲットにする一方、販売現場、経営層、ノートPCのリプレース、アプリ主導の展開をキーシナリオの提案分野と位置付けてSurface RTの導入展開を図る考えだ。

 そしてビジネス向けのアプリケーションとして、Office 365のほか、SkypeやLync、Yammerといった同社製コミュニケーションツールの活用、タッチ機能を活用したビジネスアプリなどによる提案も、コマーシャル市場への展開において重要な要素に位置付けた。

 ブライアン氏は、「米国でのリリースで学んだことをベースに、2014年度第1四半期(2013年7~9月)からのコマーシャル分野への世界的展開を開始する。アプリ主導のパイロットプログラムの展開や、Windows RT 8.1によるチャネル展開の強化」に取り組むとした。

 一方、Microsoft Worldwide Partner Conference 2013初日の基調講演において、Windows部門のCFO兼CMOであるタミ・レラー氏が、8月末までに、Windows 8.1を、OEMベンダー向けに提供することを明らかにしたほか、Surfaceに関しては、「タブレットユーザーの20%だけがビジネスで使用している。その環境を変えていくのがSurfaceである。Surfaceは、ビジネス用途に適したものであり、Officeやタッチアプリケーションがあり、さらにWindows 8.1によって進化し、管理性やセキュリティも強化される」などと語った。

米マイクソロフトWindows部門のCFO兼CMOであるタミ・レラー氏
レラー氏のプレゼンテーションでもSurfaceのビジネス分野向け展開を示した
レラー氏のパートでは初公開となるMiraCastをデモ。スマートフォン、タブレット、大型ディスプレイで同じ表示がリアルタイムに行なえる
レラー氏は8月末までにOEMベンダーにWindows 8.1を提供することを明かした

(大河原 克行)