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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第119回:5月8日~5月12日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


5月9日

■■本田雅一の週刊モバイル通信
  自分のための出張用ノートPCを選ぶ(1)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000509/mobile50.htm

Easy PC
イージーピーシー

 IntelとMicrosoftが'99年に発表した、シンプルで使いやすいPCを開発する構想。

 レガシーフリー(legacy free)を全面的に採り入れた、新しいシステムを提案するもので、両社が作成するハードウェアデザインガイド「PC 2001」では、簡単に設定でき(Easy to Set Up)、簡単に使え(Easy to Use)、簡単に拡張(Easy toExpand)や保守(Easy to Maintain)が行なえるという、4つの「Easy」を柱とした キーコンセプトとして描かれている。

 ハードウェアの具体的な仕様としては、ISAスロット、PS/2、シリアル、MIDI/Gameポートといった、旧来のインターフェイスを廃止(パラレルやフロッピーディスクも廃止を推奨)。グラフィックスはもちろんオーディオ、モデム、CD/DVDなどの基本機能は、あらかじめ本体に統合し、拡張は主にUSBやIEEE-1394などのインターフェイスを使って行なう。

 すなわち、色々なモジュールをPC本体に組込んで拡張していった従来のスタイルから、コンポーネント化された機器をつなぎ合わせていく家電のようなスタイルに移行しようというものである。レガシーデバイスを取り外しシンプルな構成にすることにより、システムの安定性が増し、起動時間の大幅な短縮も図れる。また、内部拡張の必要性を排除することによって、小型でスマートなデザインやこれまでに無い斬新なデザインを採り入れることも可能となる。

□Ease of Use Initiative(Intelのインプリメンテーションガイド等)
http://developer.intel.com/technology/easeofuse/
□PC Design Guide(PC 2001等のドキュメント)
http://www.pcdesguide.org/
【参考】
□レガシーフリー(legacy free)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991125/key99.htm#legacy_free
□ISA(Industry Standard Architecture)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980723/key39.htm#ISA
□PS/2ポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980210/key17.htm#PS/2
□MIDI/Gameポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980624/key35.htm#MIDI/GAMEport
□USB(Universal Serial Bus)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/key2.htm#usb
□IEEE1394
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#ieee1394
□FlexATX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990715/key84.htm#FlexATX


5月10日

■■コンパック、ソフトウェアアクセスポイントも用意したワイヤレスLANシステム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000510/compaq.htm

IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers, Inc.)
アイトリプルイー

 電気電子学会(電気電子技術者協会)。
 1884年に設立されたAIEE(American Institute of Electrical Engineers)が、'63年にIRE(Institute of Radio Engineers)と合併し設立された、電気、電子技術関係の学術団体。

 世界150カ国35万人の会員で構成され(※1)、コンピュータや通信などをはじめとする40の専門部会(36の学会と4つの協議会)で、様々な活動が行なわれている。

 PCでは、LANの規格であるIEEE-802.xをはじめ、IEEE-1394、IEEE-1284といったインターフェイスの標準規格に付けられた名称としても広く知られている。

(※1)技術者や研究者、学生などが、個人レベルで参加する。

□IEEE
http://www.ieee.org/
□IEEE Computer Society
http://www.computer.org/
【参考】
□IEEE 802.11(無線LAN)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991007/key93.htm#IEEE_802
□IEEE 1394(i.LINK)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#ieee1394
□IEEE 1284(パラレルポート)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980421/key27.htm#parallel-port


Wireless Ethernet Compatibility Alliance(WECA)

 3Com、Aironet、Intersil(旧Harris Semiconductor)、Lucent Technologies、Nokia、Symbol Technologiesの6社が中心となって設立した、高速無線LANの普及促進と相互接続性の検証を行なう業界団体。

 IEEEで標準化が進められていた、2.4GHz帯を使用する11Mbpsの無線LAN規格「IEEE-802.11b(802.11 HR [High Rate]とも)」の正式承認(※1)が間近となった'99年8月に設立。同規格のコンシューマ向けブランド名「Wi-Fi(Wireless-Fidelity~ワイファイ)」が提唱され、相互運用の認定を取得した製品には、この「Wi-Fi」ロゴが付けられる。

(※1)IEEE-802.11b委員会では、'99年11月に規格を正式に承認。これと前後して、 国内では海外と同じ周波数帯域(2,400~2,483.5MHz)が利用できるように法整備が行なわれ、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses of Japan~社団法人電波産業会)が「STD-T66~第二世代小電力データ通信システム/ワイヤレスLANシステム標準規格」の1.0版を、同年12月にリリース。TELEC(Telecom Engineering Center)の技術基準適合証明を受ければ、海外の製品がそのまま国内でも免許無しで利用できる。

□WECA
http://www.wi-fi.org/


■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
  PlayStation 2はLinuxボックスになるか?
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000510/kaigai01.htm

●VLIW(Very Long Instruction Word)

 複数の短い命令語を1つの長い命令語にまとめ、並列実行するCPUアーキテクチャ。超長命令語、超長命令語コンピュータ。

 クロックの高速化は、CPUの処理速度を直接上げる有効な手段だが、現在のCPUではこのほかにも、様々な高速化技術が使われている。パイプライン(pipe line)は、命令の処理行程をいくつかの実行ユニットに分担させ、流れ作業のように次々にこなしていくことによって、単位時間あたりの処理能力を向上させている。

 このパイプラインを複数用意し、複数の命令を並列処理できるようにしたのがスパースカラー(super scaler)である。並列に処理するということは、論理上は同時実行可能な命令数に比例した高速化が実現できる。しかし現実には、プログラムされた一連の命令には、依存関係や条件分岐といった、並列処理の妨げとなる要素が数多く含まれており、そのままでは、効率の良い並列処理は期待できない。現在主流のPentium IIIやCeleronには、CPU内部にスケジューリング機能が組み込まれており、プログラムされた命令順に関係無く、実行可能なものから順次パイプラインに送り込み、できるだけ効率よく処理するように作られている。ただし、動的なスケジューリングには限界があり、それを極める複雑な処理を行なうために、ハードウェアはますます複雑化してしまった。

 VLIWは、CPU側でこのような動的なスケジューリングを行なわなくてもよいように、予め並列実行に最適なコードを生成しておく。すなわち、コンパイラが並列処理のスケジューリングを練った上で、並列実行可能な複数の命令を格納した長い命令を生成。CPUは、それをそのまま実行し、格納された複数の命令を各パイプラインに放り込んでいく。Intelの次世代プロセッサ「Itanium」のIA-64(Intel Architecture-64~Intelの64bit CPUアーキテクチャ)が、3オペレーション128bitのVLIWを採用。x86コードを実行するためのIA-32互換モードも備え、既存のCPUとの互換性も確保している。Transmetaの「Crusoe」もまた、CPUコアにVLIW(4オペレーション128bit)を採用したx86互換CPUだが、こちらは、「Code Morphing Software(CMS)」と呼ばれるソフトウェアが用意され、x86コードをCPUコアが実行するネイティブなVLIWコードに動的に変換していく。

□IA-64 Home(Intel)
http://developer.intel.com/design/ia-64/
□Crusoe Processor(Transmeta)
http://www.transmeta.com/crusoe/


■■元麻布春男の週刊PCホットライン
  薄型ベアボーンキットの今後
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000510/hot92.htm

LPX
エルピーエックス

 Western Digitalがデザインした、ライザーカードを使用した小型マザーボードのフォームファクタ。  ハードディスクベンダとして知られるWestern Digitalは、一時マザーボードを手がけていたこともあり、当時小型のデスクトップ用マザーボードに使用していたデザインが、LPXやさらにコンパクトなMini-LPXと呼ばれるフォームファクタのベースになっている。

 LPXマザーボードのサイズは、幅9インチ、奥行きが13インチ(奥行きを短くしたのがMini-LPX)。マザーボード上のスロットにライザーカードを立てて、このライザーカードに拡張スロットを配置。シリアルやパラレル、マウス、キーボードといった標準I/Oのコネクタも全てマザーボード上に実装されている。主にメーカー製の低価格マシンや小型でスリムなデストップマシンに採用されていたもので、最近では、同様のコンセプトで設計されたNLXが主流となっている。

【参考】
□NLX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981029/key52.htm#NLX
□ATX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#atx
□microATX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980526/key31.htm#microATX
□FlexATX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990715/key84.htm#FlexATX
□Baby-AT
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971028/key4.htm#baby_at

[Text by 鈴木直美]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp