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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第120回:5月15日~5月19日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


5月16日

■■ソニー、スタミナVAIOなどノートPCのラインナップを一新
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000516/sony1.htm

Micro DIMM(DIMM~Dual In-line Memory Module)
マイクロディム

 メモリモジュールの種類の1つで、SO-DIMMをさらに小型化したもの。

 PCのメインメモリには、複数のチップを小さな基板に実装したメモリモジュールが用いられている。メモリモジュールには、大きさやピン数などが異なるいくつかの種類があるが、現在一般に用いられているのは、基板の両面に端子が並んだタイプで、これをDIMM(Dual In-line Memory Module)と呼んでいる。デスクトップPCで使われているDIMMは、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)で標準化された64bitバスを持つ168ピンのSDRAMモジュールで、横幅が133mmもあるかなり横長のモジュールである。これに対しノートPCでは、同じ64bitのSDRAMモジュールだが、端子間を1.27mmから0.8mmに縮小し、幅を半分のサイズにした144ピンのものを使用。これをSO-DIMM(Small-Outline DIMM)と呼んでいる。

 Micro DIMMは、このSO-DIMMをさらに小型化したもので、ピンの数や並びはそのままに、端子間を0.8mmから0.5mmに縮小。幅68mmのSO-DIMMに対し38mmと非常にコンパクトになっており、一部のノートPCで採用されはじめている。ただし、小型化に伴い実装面の制約も厳しくなるため、1モジュールあたりの最大メモリ量は、現在一般に入手できる製品の場合、168ピンDIMMで512MB、SO-DIMMで256MB、Micro DIMMで128MBとなる。

□JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)
http://www.jedec.org/
【参考】
□SO DIMM(Small-Outline DIMM)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980331/key24.htm#SODIMM
□SDIMM(SDRAM DIMM)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990325/key70.htm#SDIMM
□RIMM(Rambus In-line Memory Module)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980805/key41.htm#RIMM
□C-RIMM(Continuity RIMM)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991119/key98.htm#C-RIMM


■■i820のMTH問題、ASUSは製造販売の停止
  ~日本代理店ユニティは独自対応、返金/交換へ~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000516/asus.htm

MTH(Memory Translator Hub)

 Intel 820チップセットに使われる、RDRAMインターフェイスをSDRAMインターフェイスに変換するチップ。

 Intelは、'99年にリリースした8xxチップセットから、ハブアーキテクチャ(Intel Accelerated Hub Architecture)を採用。ノースブリッジとサウスブリッジを、PCIバスを使って接続していたそれまでのスタイルから、専用バスで接続するスタイルに変更した。個々の機能を持つチップはHUBと呼ばれ、CPU周りの機能を統合したノースブリッジは、Memory Controller Hub (MCH)、I/O周りの機能を統合したサウスブリッジは、I/O Controller Hub (ICH) と名付けられた。

 '99年秋にリリースされた820、840チップセットでは、MCHのメモリコントローラがサポートするメモリを、それまで主流だったSynchronous DRAM(SDRAM)からDirect Rambus DRAM(DRDRAM)に変更(※1)。820には、Direct Rambus Channel(DRDRAMのメモリインターフェイス)上でSDRAMが使用できるように、メモリインターフェイスを変換するチップ「82805AA」を用意し、これを「Memory Translator Hub(MTH)」と名付けた(※2)

 2000年5月に発表され、製品の出荷停止を招いた不具合は、このMTHに起因するもので、MTHを使ったマザーボードで上でSDRAMを使用した場合、高負荷な状況下でシステムがリセットしたり、ハングアップしてしまうという。

【8xxチップセット】
82810:810 Memory Controller Hub(MCH)―810チップセット本体
82820:820 Memory Controller Hub(MCH)―820チップセット本体
82840:840 Memory Controller Hub(MCH)―840チップセット本体
82801:I/O Controller Hub(ICH)―I/Oコントローラチップ
82802:Firmware Hub(FWH)―ファームウェアチップ(従来のBIOSチップ)
82803:Memory Repeater Hub for RDRAM(MRH-R)―RDRAMメモリ拡張用チップ
82804:Memory Repeater Hub for SDRAM(MRH-S)―SDRAMメモリ拡張用チップ
82805:Memory Translator Hub(MTH)―RDRAM/SDRAMインターフェイス変換チップ
82806:64-bit PCI Controller Hub(P64H)―64bit PCIコントローラチップ

(※1)先にリリースされた810は、SDRAMをサポートする。
(※2)840チップセットでは、MRH-Sが同様の機能を提供する。

【参考】
□チップセット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980729/key40.htm#chipset
□GMCH(Graphics Memory Controller Hub)
□ICH(I/O Controller Hub)
http://www.works-j.com/resources/Article/impress/html/990624/key81.htm#ICH


■■日立、TV/D1端子搭載液晶ディスプレイ付属スリムデスクトップほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000516/hitachi.htm

●D端子
ディーたんし

 '98年にEIAJで標準化された、ビデオ信号用のインターフェイス。

 デジタル放送の立ち上げに先駆け、EIAJ(Electronic Industries Association of Japan~社団法人日本電子機械工業会)が策定した新しいインターフェイス規格で、ビデオフォーマットを識別する制御信号と、輝度信号(Y)と2つの色差信号(Pb/Pr)を分離したコンポーネントビデオ信号を伝送。走査線数やアスペクト比の異なる様々なビデオフォーマットへの対応と高画質化を実現している。

 物理的には14ピンのMDR(Mini D-Ribbon)コネクタを使用。サポートするフォーマット数に応じたD1~D5の端子名が付けられており、D1端子やD3端子を備えたテレビが増えつつある。

ビデオフォーマット端子名
略称走査線(有効)数走査方式D1D2D3D4D5
525i (480i)525 (480)本インタレース
525p (480p)525 (480)本プログレッシブ
1125i(1080i) 1125(1080)本インタレース
750p (720p)750 (720)本プログレッシブ
1125p(1080p)1125(1080)本プログレッシブ

□EIAJ
http://www.eiaj.or.jp/
【参考】
□ATSC(Advanced Television Systems Committee)のビデオフォーマット
http://www.works-j.com/resources/Article/impress/html/980415/key26.htm#ATSC

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp