鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第27回:4月13日~4月17日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


4月13日

■■アキア、液晶一体型PCにPentium II 333MHz追加
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980413/akia.htm

100Base-TX
ヒャクベースティーエックス
 オーソドックスな10BASEのメカニズムをそのまま使用し、転送速度を100Mbps(bitper second)にアップした高速なEthernet規格。

 名前の頭に付いている「10」「100」はそれぞれの転送速度を示す。「BASE」は、符号化したデータを変調せずにそのままメディアに乗せる、ベースバンド(Base Band)方式であることを意味している。信号そのものを多重化しないベースバンド方式では、一度に1つの送信しか行なえない。そこで、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)という方式を用いてバスを共有する。これは、バスが使用中でないことをチェックして、空いていたら送信するという、時間をずらして使いましょうという方式なのだが、各自がそれぞれチェックを行なうので、タイミングが重なると信号が衝突してしまう。そこで、送信中も衝突していないかどうかモニタし、衝突を検出した場合には、ジャム信号を送ってバスをいったんストップ。その後は、各自が乱数を使って算出した時間待機し、最初から仕切りなおす……と、おおむねこのような仕組みで動いている。

 10BASEには、使用するメディアの違う10BASE-5、10BASE-2、10BASE-Tなどがある。「5」は1cmくらいの太い同軸ケーブルを、「2」は5mmほどの細い同軸ケーブルを使うタイプで、それぞれのバスの延長距離が約「500m」と「200m」であることを示している。「T」はツイストペア(Twisted-Pair~撚り線)ケーブルのTで、接続距離は約100m。バス型ではなく、HUB(ハブ)を使ったスター型接続になる。100BASE-TXは(Xの意味は不明)この10BASE-Tと同じスタイルで高速化を行なっているので、より厳しい接続制限が課せられている。具体的には、ケーブルには高品質なものを要求(品質はカテゴリで分類されており、10BASEはカテゴリ3、100はカテゴリ5)。タイミングもシビアになるため、HUB等による中継は5m以内で1段のみとなる(10BASEは100m間隔で4段)。


3月31日

■■Syquestの1GBリムーバブルユニット「SparQ」5月国内販売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980413/syquest.htm

パラレルポート (Palarelle Port)
 言葉の上ではパラレル転送(データをバイト単位で転送する)用のポートだが、PCにおいては、プリンタなどを接続するためのインターフェイスを指す。オーソドックスなパラレルポートの電気的仕様は、PC開発当時にプリンタベンダの最大手だったセントロニクス(Centronics)社の仕様に準拠したもので、物理的には、セントロニクス本来の36端子アンフェノールではなく、25ピンのD-Sub(D-SUBminiature)コネクタを使用している。

 現行のほとんどの機種では、旧来の標準的な仕様のパラレルポートではなく、高速転送や柔軟でインテリジェントな接続をサポートした新しいタイプのパラレルポートが使われており、プリンタのみならず、様々なデバイスの接続に利用されている。新しいタイプのパラレルポートは、'94年に策定されたIEEE 1284(IEEE:Institute of Electrical and Electronic Engineers~米国電気電子技術者協会~アイトリプルイーと読む)に物理的電気な仕様やプロトコルがまとめられている(コネクタでは、前掲のDB25がType A、アンフェノールがType Bで、ノートPC等に使われている小型のものがType Cとして正式に規定されている)。IEEE 1284の最大のハイライトは、新旧プロトコルの標準化であり、転送モードとして以下の5つの転送モードを規定。最近のPCはたいてい、全てのモードに対応できるようになっている。

□IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)
http://www.ieee.org/




シークタイム (Seek Time)
 ディスクドライブのヘッドを、目的のトラックに移動するために必要な時間。

 ディスクドライブの読み書きは、ヘッドを目的のトラックまで移動し、さらにそのトラック上の目的のセクタがヘッドの位置に来たところから始まる。

 ヘッドの移動は、隣接トラック(Track-to-Track)と、ディスクの最外周から最内周とでは、当然所要時間に開きが出るが、通常はその平均時間で表わしており、これを平均シークタイム(Average Seek Time)と明記している場合もある(平均シークタイムは、半径の1/3を移動する時間に相当する)。実際に読み書きが始まるまでの時間は、シークタイムとディスクの回転待ち時間(平均は半回転に要する時間)の合計になり、これを一般に、アクセスタイム(Access Time)と呼んでいる。ただし、平均シークタイムをアクセスタイムとしている場合や、トラックトゥートラックのシークタイムをシークタイムとしている場合もある。


4月14日

■■アドビがWebクリエーター向けの画像作成ツール「Adobe Image Ready」を発表 (Internet Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/980414/adobe.htm

アニメーションGIF (GIF:Graphics Interchange Format)
アニメーションジフ

 画像ファイルのひとつであるGIFファイルの機能を使い、表示画像にアニメーション効果を持たせたもの。GIFアニメーションとも言う(いずれも規格上の正式な名称ではない)。

 GIFは、米国のパソコン通信サービス会社コンピュサーブ(CompuServe)が、'87年に開発した画像通信向けのファイルのフォーマットで、256色までの画像データを、LZW(開発者のLempel、Zivと改良者のWelchの3人の頭文字をとった圧縮技法でユニシス社が特許を持つ)という圧縮技術を使って圧縮してファイルに格納。ファイルサイズが非常にコンパクトであることから、パソコン通信やインターネットで広く使われている。

 GIFフォーマットでは、1つのファイルの中に複数の画像データを格納し、それらを任意の座標に表示する機能をサポートしている。特に'89年に改訂された仕様では('87年版を87a、'89年版を89aと呼んでいる)、個々のデータをどのように扱うのかを細かく制御できるようになり、表示のタイミング指定やユーザーの入力待ち、テキスト、画像のオーバーレイ(重ね合わせ)などの処理が行なえるようになった。アニメーションGIFはこの機能を使い、絵を移動させたり、パラパラマンガの様に少しずつ動かした画像データを次々に書き換えることによって、画像に簡単なアニメーション効果を与えている。


■■コレガ、9,800円の10BASE-T PCカード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980416/corega.htm

NDISドライバ (NDIS:Network Driver Interface Specification)
エヌディス

 3Com社とMicrosoft社が共同で開発した、ネットワークドライバのインターフェイス規格。

 ネットワークアダプタ(NIC~Network Interface Card)等の物理層のドライバと、上位のプロトコルスタックドライバを結び付けるための規格で、古くはLAN Managerに、現在はWindows 95やWindows NTのネットワークアダプタのドライバインターフェイスに採用。同規格に準拠したアダプタドライバとプロトコルドライバ間では、任意の数の任意のドライバ間を自由に結び付けて、コミュニケーションができるようになっている。

 現行のWindowsには、NDIS 4.0のアーキテクチャが採用されているが、Windows 98/NT 5.0では、パワーマネージメントやプラグ&プレイ機能が強化された5.0に移行。これらOSを快適に利用するためのハードウェアデザインである「PC98」では、NDIS5.0が、ネットワークアダプタの必須条件となる。


4月17日

■■法林岳之のTelecom Watch -第14回:1998年3月編-
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980417/telw14.htm

dB (decibel)
デジベル、デビー

 電圧や電力などのエネルギーの大きさを表すための相対的な単位。
 基準値に対する測定値の比率を常用対数(10を底とする対数)で表したものに、電圧や電流、音圧などは20を、電力などの場合は10を乗じたもので、0dB(同率)を境に正の値が増加を、負の値が減衰を示す。

  dB = 10 × log 測定値/基準値 …電力など
  dB = 20 × log 測定値/基準値 …電圧や音圧など

 dBはあくまで比率なので、「何ボルト」というような特定の値を示すわけではない。
が、使用される場面によっては、基準値が広く一般に、あるいはその業界で認知された暗黙の了解であったり、基準値を示すために特別な表記を行うこともあり、この場合には容易に値を算出できる。

特別な表記基準値
dBV dBs1V
dBv dBu0.775V
dBm600Ωの負荷が1mWの電力を消費する際の電圧(実行値約0.775V)
(dBvやdBuと同等の、負荷の規定がない場合もある)

[Text by 鈴木直美]

【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp