鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第4回:10月20日~10月24日


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●キーワード


10月20日

■■NEC、ATermシリーズ新製品3機種。TAを使った家庭内ネットワークを提案
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971020/aterm.htm

S/T点端子
 ISDN機器とDSU、あるいは他のISDN機器とを接続するためのインターフェイス。具体的な端子は8ピンのモジュラージャックで、そのうちの4ピンを使って、送信と受信のケーブルが配線されている。

 ISDN(Integrated Services Digital Network)では、ネットワークとユーザー側の機器の接続形態を、「機能群」と「参照点」という2つの概念を使った参照構成と呼ばれるモデルで表わしている。機能群は、DSU(Digital Service Unit~ディジタル回線接続装置)やデジタル電話機といった具体的な機能を提供する装置のこと。参照点はその間のインターフェイスで、ISDN機器が接続される参照点にはS点、DSUのユーザー側の参照点にはT点とう名前が付けられている。ただし、これらはあくまで機能区分上の概念であり、必ずしも物理的なインターフェイスに対応しているとは限らない。

 一般家庭で使われているNTTのINSネット64(INS:Information Network System)では、ネットワークは保安器を経由して、アナログ回線と同じ2線のメタリックケーブル(2線式なので物理的には1回路しかなく、時分割によって多重化している)を使って引き込まれている。NTTではここをU点と呼んでおり、DSUはここに接続される。一般的なISDN機器は、DSUに直結(T点=S点)、他の機器を経由(S点)、自分が他の機器を仲介(一方がT点もう一方がS点)というように、実際には色々な接続形態をとる。T点とS点とが明確に分かれているわけではないので、両方を合せたS/T点と呼ぶことが多い。ちなみに、ISDNを他のインタフェースに変換する装置を総称してTA(Terminal Adapter)といい、変換後のポートにはR点という名が付けられている。

□ISDN Home Page
http://www.info.hqs.cae.ntt.jp/dlij/SER_J/ISDN_J/ISDN_J.html
□技術解説「INSネットサービスのインタフェース」
http://www.pearnet.org/isdn/isdn.spec.jp/index.html


10月22日

■■ソニー、MDカメラと「サイバーショット」の後継モデル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971022/sony.htm

IrDA (Infrared Data Association)
 アイアールディーエー
 Hewlett-Packard、IBM、Microsoft、シャープなどが中心となって、1993年に設立した赤外線通信の標準化団体、およびそこで策定された赤外線通信のためのハードウェア/ソフトウェア規格の総称。1994年に、115kbpsまでの赤外線通信をサポートするIrDA Standard Version 1.0を策定(1.1では4Mbpsまで)。現在は、以下の様な規格がリリースされており、このほかにも様々なアプリケーションプロトコルの標準化が進められている。


□IrDA(Infrared Data Association)ホームページ(英文)
http://www.irda.org/


■■塩田紳二のMSサイトWatch 第2回:9月11日~10月17日まで
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971022/mssite2.htm

SQL (Structured Query Language)
 シークェルまたはエスキューエル
 リレーショナルデータベースを操作して、検索や更新、管理を行なうための処理言語で、日本語訳は「構造化照会言語」「構造化問い合わせ言語」など。

 リレーショナルデータベースは、データを二次元の表という分かりやすい形式で扱うデータベースで、1970年にIBM社のCodd博士によって考案された。その後もIBMはデータベース技術の研究進め、1974年にはサンノゼ研究所のChamberlin氏のグループによって、データベースにアクセスする言語SEQUEL(Structured English QUEry Language)が開発される。これがSQLの原形で、1977年にはこれらを実装した初のRDBMS(Relational DataBase Management System)「System R(その後のSQL/DS)」を生み出している。

 SQLそのものは、RDBMSの言語としての標準化が進められ、1986年にはANSI(American National Standards Institute)の規格(X3.135)が、1987年にはISO(International Organization for Standardization)の規格(ISO 9075)が制定。同年、我が国のJIS(Japan Industrial Standard~日本工業規格)規格(JISX3005)にもなっている。プログラムを組まなくても、「SELECT 表次項目 FROM テーブル WHERE 条件 ORDER BY 並び順」というような英語式の記述で、簡単にデータベースが操作できるのが特徴で、Informix、Microsoft、Oracle、Sybase等の多くのベンダーが、自社の製品に採用している。ただし、各社各様の拡張を行なっているため(標準規格ですら今なお拡張が続けられている)、ベンダー間の互換性は損なわれている。

□ANSI Online(英文)
http://www.ansi.org/
□NCITS (National Committee for Information Technology Standards - 旧ANSI X3)ホームページ(英文)
http://www.ncits.org/
□ISO Online(英文)
http://www.iso.ch/
□JIS Home Page
http://www.jsa.or.jp/
http://www.jsa.or.jp/catj/index.html (JISの目録検索)


10月23日

■■NEC、PC98-NXシリーズ26機種を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971023/98nx.htm

PC 98規格
 MicrosoftとIntelが作成した、Windowsを快適に利用するプラットフォームの規格。規格といっても、それ自体は個々のハードウェアを設計するための細かな仕様を規定したものではなく、既存の様々な規格をもとに、Windows用システムのあるべき姿を描いたガイドラインであり、98~99年にかけてリリースするシステムや周辺機器が、「Designed for Microsoft Windows」のロゴを取得するための条件になっている。システムの構成は、Windowsの次期バージョンであるWindows 98やWindows NT 5.0を想定したものとなっており、Entertainment PC、Consumer PC、Office PC、NetPCといった用途別に、それぞれが満たすべき必須事項(requirements)と推奨事項(recommendations)が具体的に示されている。

 この中には、OnNow(システムから周辺機器まで含んだ電源管理機能)や、USB(Universal Serial Bus~低速デバイス向けの汎用シリアルインターフェイス)、IEEE1394(高速デバイス向けの汎用シリアルインターフェイス)、AGP(Accelerated Graphics Port~グラフィックスカード専用のインターフェイス)、DVD(Digital Versatile Disk)といった最新の技術も含まれており、ISA(Industry Standard Architecture~旧来からの16ビットバス)デバイスの搭載禁止(一部はISAスロットそのものも不許)といった項目も目を惹く。

□PC 98に関するMicrosoftのサイト
http://www.microsoft.com/japan/win95/taiouhin/PC98J.htm(和文、オーバービュー)
http://www.microsoft.com/hwdev/desguid/(英文)
□PC 98に関するIntelのサイト(英文)
http://developer.intel.com/solutions/tech/pc98.htm
http://developer.intel.com/design/pc98/

CardBus
カードバス
 1995年にリリースされたPCカードのオプション規格で、1993年にリリースされたPCMCIA 2.1/JEIDA 4.2をベースに以下のような拡張機能を提供する。

□PCMCIA (Personal Computer Memory Card International Association)(英文)
http://www.pc-card.com/
□社団法人日本電子工業振興協会(JEIDA:Japan Electronic Industry Development Association)
http://www.jeida.or.jp/

■■メルコ、コンパクトフラッシュなどを発売、従来製品値下げも実施
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971023/melco.htm

Baby-AT
ベビーエーティー
 PC/AT互換機で用いられているマザーボードの外観(form-factorという)のひとつ。ネジ穴や拡張スロットなどの基本的なレイアウトはそのままに、省スペース化を計ったタイプで、ATオリジナルのマザーボードの横幅が12インチであるのに対し(これをfull sizeという)、8.5インチに縮小されている(奥行き方向は長いもので13インチ程度の縦長)。少し前までは、PCのマザーボードといえばほとんどがこのタイプだったが、最近では、Intel社が提唱したATX仕様のマザーボードも広く普及している。こちらは、ちょうどBaby-ATを90度回転させた横長の形状で、シリアルポートをはじめとするコネクタ類をマザーボード上に実装する設計になっているため(数や位置まで細かく規定されているわけではない)、従来のATケースには収納できない。


10月24日

■■TDK、大容量フラッシュATAメモリカード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971024/tdk.htm

フラッシュATAメモリカード (Flash ATA Memory Card)
 ノートPCやデジタルカメラ等で使われているフラッシュメモリを使ったATA PCカード。
 電源を供給しなくても、記録した内容が消えないメモリを総称してROM(Read Only Memory)というが、フラッシュメモリはこのROMの一種で、電気的にデータの消去や書き込みができるEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)に分類される。アップデートの可能なマザーボードや拡張カードのBIOS、周辺機器のファームウェアなどでも使われているが、これをPCカードに組み込み、外部記憶装置として利用できるようにしたのが、フラッシュカード、フラッシュメモリカード、あるいはフラッシュATAメモリカードと呼ばれている製品である。

 ATA(AT Attachment)は、パソコンのハードディスクでお馴染みのIDE(Integrated Device (またはDrive) Electronics)の正式名称で、1992年にリリースされたPCカードの規格「PCMCIA 2.01」(最終仕様は1993年のPCMCIA 2.1/JEIDA 4.2)では、このATAのプロトコルをPCカードに応用した「PC Card ATA Standard」が盛り込まれ、PCカードをATAデバイスとして利用できるようになった。これに対応したPCカードをATAカードといい、実際にハードディスクを内蔵したものと、SRAM(Static RAM)やフラッシュメモリの様なメモリチップを使ったものが発売されている。ハードディスクタイプは、比較的安価に大容量の製品が作れるが、消費電力が大きく衝撃には弱い。SRAMは、高価で大容量の製品こそ作れないものの、アクセスは高速で消費電力が少なく、耐振動性にも優れている。ただし、RAMなので内蔵のバッテリが尽きると(数年)中身は消えてしまう。フラッシュメモリは、値段、容量、アクセス速度、消費電力ともに、ハードディスクとSRAMの中庸を行くメディアで、その性質上、消去や書き込み回数に制限があるが、耐振動性と保存性に優れている。

□PCMCIA (Personal Computer Memory Card International Association)
http://www.pc-card.com/
□社団法人日本電子工業振興協会(JEIDA:Japan Electronic Industry Development Association)
http://www.jeida.or.jp/

[Text by 鈴木直美]


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