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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第118回:4月17日~5月2日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


4月19日

■■振動検知式のペン型入力デバイスを使った自動採点システム
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000419/hs.htm

CSV形式(Comma Separated Value format)
シーエスブイけいしき

 データベースや表計算ソフトなどで扱う表形式のデータを交換する際に用いられる、テキストベースの汎用フォーマット。フィールド間をカンマ(,)で区切ることからCSVと呼ばれており、タブで区切ったタイプをTSVと呼ぶこともある。

 各項目がカンマで区切られている以外には、特に共通のルールがあるわけではないが、一般に、文字列フィールドをダブルクォーテーション(")でくくり(文字列としてのカンマが記述できる)、レコード間を改行で区切るものが多い。文字列をダブルクォーテーションでくくる場合には、さらに、「""」と二重に記述することによって文字列としてのダブルコーテーションを表わせるようにしているものや、ダブルコーテーションの内側での改行を、レコードの区切りとして扱わずに、改行を含む文字列が記述できるようになっているものもある。


■■元麻布春男の週刊PCホットライン
  IDE RAIDカード「AMI HyperDisk」の実力をテストする
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000419/hot90.htm

ARMD(ATAPI Removable Media Device)
エーアールエムディ

 ATA/ATAPIインターフェイスに接続される、CD-ROMやMOなどのリムーバブルドライブ(コマンドインターフェイスにATAPIを使用)の総称。

□Technical Committee T13(ATAの標準化を行なっている委員会)
http://www.t13.org/
【参考】
□ATAPI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971105/key5.htm#atapi
□ATA/ATAPI-4
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990114/key60.htm#ATA_4


4月20日

■■アキア、Low Profile PCI採用の省スペースデスクトップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000420/akia.htm

LowProfile PCI
ロープロファイルピーシーアイ

 PCI SIGがスリムタイプやラックマウントタイプのPC向けに策定した、小型のPCI拡張カード規格。

 PCI 2.2の追加仕様として'99年にリリースされたもので、バスやコネクタなどは従来のまま、32bitバス用の新しい拡張カードのサイズが、LowProfile PCIとして盛り込まれている。

 従来からのPCI拡張カードは、ISA拡張カードのサイズを踏襲したもので、高さが106.68mm(コネクタを含む基板部分の全高)。奥行きはショートカードで174.63mmまで、ロングカードでは312mmのいわゆるフルレングス(フルサイズ)のまで使える仕様になっていた。このため、スリムタイプのPCを設計するためには、拡張スロットを取り付けたライザーカードをマザーボード上に挿し、拡張カードをマザーボードと水平に配置する方法を採らなければならなかった。

 LowProfile PCIでは、カードの高さを64.41mmに制限。パネルを取り付けても79.2mmにしかならず、スリムタイプのPCや2U(1Uは44mm)のケースに、ライザーカード無しで納められるようになっている。奥行き方向に関しても、119.91mm(スロットのところまで)のMD1と、167.64mmまでのMD2の2つのサイズが規定され、省スペース化が図られている。

□PCI SIG(Peripheral Component Interconnect Special Interest Group)
http://www.pcisig.com/
【参考】
□1U
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990729/key86.htm#1U
□Mini PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000310/key111.htm#Mini_PCI
□PCI(Peripheral Component Interconnect)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#PCI
□64bit PCIバス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980826/key43.htm#64bitPCIbus


4月26日

■■松下とQuantum、MPEG-2記録/再生に特化したHDDを開発
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000426/pana.htm

●MPEG-2トランスポートストリーム(MPEG-2 Transport Stream[MPEG2 TS])

 MPEG-2 Systemに規定される、主に放送などの伝送系に用いられるフォーマット。

 ISO/IECのワークグループ「Moving Picture ExpertsGroup」によって策定されたMPEG-1、MPEG-2の主要な規格は、動画圧縮の「Video」と、音声圧縮の「Audio」、これらの多重化と同期化の「System」の3パートから成る。

 MPEG-1が、主にCD-ROMなどへの記録を目的とした規格であるのに対し、MPEG-2では、放送などの幅広いアプリケーションへの対応が考慮されており、実際にアプリケーションに適用するための規格であるSystemには、「Program Stream(PS)」と「Transport Stream(TS)」の2種類の方式が規定されている。

 PSは、1つのプログラム(番組)で1つのストリームを構成する規格で、MPEG-1 Systemに相当する。一方のTSは、放送や通信を想定したもので、1つのストリームを複数のプログラムで構成。伝送エラーを訂正する機能なども盛り込まれており、デジタル放送などにはこちらが使用される。

□The MPEG Home Page
http://drogo.cselt.stet.it/mpeg/
【参考】
□MPEG-2
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981015/key50.htm#MPEG_2
□MPEG-1
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981007/key49.htm#MPEG-1
□MP3(MPEG 1 Audio Layer 3)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/key47.htm#mp3


■■富士フイルム、FinePix4700Zから「4.3MEGA PIXCELS」の表記を削除
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000426/fuji.htm

ハニカム信号処理

 富士写真フイルムが開発した、画素の補間技術。
 既知の値から未知の値を求めて補っていくことを補間という。グラフィックスの世界では、解像度の変更を行なう際に、既知の画素から未知の画素を求めるこの補間技術が使われる。デジタルカメラやイメージスキャナ、プリンタなどでは、物理的な実解像度をこのようなソフトウェア処理によって向上させる技術がよく使われており、実解像度に対し擬似解像度と呼んでいる(※1)

 ハニカム信号処理は、同社が開発したスーパーハニカムCCDに使われている補間技術である(実際のアルゴリズムなどは不明)。デジタルカメラなどに使われている一般的なCCD撮像素子では、微細なフォトダイオードが格子状に配置されており、個々のフォトダイオードが撮影される画像の画素と1対1に対応した時が、そのカメラの最大解像度となる。すなわち、200万画素なら200万個、300万画素なら300万個の撮像素子を格子状に配置しなければならない(※2)

 しかし、単純に撮像素子を増やせば、CCDが大きくなりカメラの小型化が難しくなる。同じ面積に納めようとすれば、集光力が弱まり画質の低下を招く。そこで、富士フイルムでは解像度を擬似的に上げるアプローチを採った。

 従来から良く使われていた方法には、格子状の画素間を単純に補間し、4倍の画素数にする方法があるが、これでは誤差が大きく、いたずらにコストを増やすだけである(取り込んでから縦横2倍に拡大するのと同じ結果)。そこで、撮像素子のフォトダイオードを千鳥状に配置したCCDを設計し、隣接する4画素から1画素を補間。補間後の画素が格子状に配列するようにした(画素数は2倍)。このCCDをスーパーハニカムCCD(またはスーパーCCD)、補間を含む格子配列化の処理をハニカム信号処理と呼んでいる。

 補間を考慮せずに有効画素数で比較した場合、ハニカム配列と格子配列は、一方の縦横の解像度ともう一方の斜めの解像度が等しい関係にあり、性能上は同じである。が、一般的な風景撮影においては、縦横の解像度が高い方がより効果的であり、ハニカム配列が適しているとしている。また、スーパーハニカムCCDでは、フォトダイオードを八角形に形成することにより、集光力を高め画質の向上も図られている。

(※1)「擬似」という言葉のイメージが悪いせか、最近はあまり擬似解像度とはいわず、○○相当などと表記している。

(※2)実際のCCDにはより多くのフォトダイオードが配置されており、その中の実際に撮影に使われる部分を有効画素と呼んでいる。さらに、一般的な原色フィルタを使った単板式のカラーCCDの場合には、2×2の4画素に対し、輝度成分を多く含む緑を2画素、赤と青を1画素ずつ割り当てる手法(KodakのBayer氏が考案したのでベイヤー方式という)を採ることが多い。


5月1日

■■ランドコンピュータ、ドルビーヘッドフォン機能搭載のソフトDVDプレーヤー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000501/rand.htm

●ドルビーヘッドフォン(Dolby Headphone)

 Dolby LaboratoriesとLake Technologyが共同で開発し'98年に発表した、通常のステレオヘッドフォンを使って、リアルなサラウンド再生を行なうための信号処理技術。

 オーソドックスな2チャンネルステレオ録音やDolby Digitalに代表されるマルチチャンネルサラウンド録音では、部屋に置かれたスピーカーを使って再生することを前提とした音作りが行なわれている。例えば2チャンネルステレオなら、スピーカーは前方の左右に配置されるのだが、ヘッドホンを使用した場合には、この2本のスピーカーが左右それぞれの耳に直接付けられた形になる。その結果、正面を中心に左右に広がるはずの音場が、頭の中心部から左右に抜けていく変な音場になってしまう。

 Lake Technologyは、この問題を解決するために、スピーカー再生をヘッドホンでシミュレートする信号処理技術「Lake Personal Surround」を'97年に開発。翌年、Dolbyのサラウンド技術と融合し、Dolbyの一連のプログラムのひとつとして「ドルビーヘッドフォン」が誕生した。同様の技術は、これまでにもいくつか発表/製品化されているが、使用するヘッドフォンやユーザーの聴覚特性に依存することなくリアルな3D音場が再生でき、それに伴なうパラメータの調整なども不要なのが特徴とされている。また、同技術はルームシミュレートがベースとなっており、以下の3つのシミュレーションパターンが用意されている(DH2、3はオプション)。

□Dolby Laboratories
http://www.dolby.com/jp/
□Lake Technology
http://www.lakedsp.com/
【参考】
□Dolby Digital
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980303/key20.htm#AC-3
□バイノーラル
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991119/key98.htm#binaural
□ステレオダイポール
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000128/key105.htm#SD
□EAX(Environmental Audio eXtensions~Creative社の3Dオーディオ技術)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990722/key85.htm#EAX
□A3D(Aureal 3D~Aurealの3Dオーディオ技術)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981126/key56.htm#A3D

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp