トピック

プロに聞いた「GeForce RTX 40 SUPER」シリーズ搭載PCのかしこい買い方

マウスコンピューターの秋葉原ダイレクトショップを訪れた

 NVIDIAからGeForce RTX 40 SUPERが発表され、マウスコンピューターからも同GPUを搭載するゲーミングPCがリリースされている。複数のGPUが同時期に発表され、また、その搭載機はそれぞれBTOでカスタマイズもできる。細かいパーツまで詳しくない人にとっては、どのモデルやどのスペックを選べば若干悩ましいかもしれない。

 そこで今回、各種製品の推しとなるポイントをマウスコンピューターダイレクトショップの担当者にうかがった。どういった用途ならどの製品がオススメなのかと言ったポイントを丁寧に教えていただいた。また、店舗独自のセールなどお買い得情報についても教えてもらったので、購入の参考にしてもらいたい

リアル店舗のダイレクトショップ。実機を見て、触れて、お持ち帰りも

 マウスコンピューターのダイレクトショップは現在9店舗あるが、今回うかがったのは秋葉原店。JR秋葉原駅、電気街口から出て御茶ノ水方向に高架下の横断歩道を渡ってすぐのアクセスしやすいところにある。営業時間は午前11時~午後19時半で元日を除き年中無休。平日は6~7人、土日祝日は7~8人のスタッフが常駐しており、相談しながらPC購入を検討できる。お話をうかがったのは店長の野中俊介氏だ。

店長の野中俊介氏

Q:ダイレクトショップにはどのようなお客さんが来店されますか。

野中:一番はネットで見た製品が、実際どのくらいの大きさなのか、内部スペースはどうだ、デザインや質感はどうだといったところを見に来られる方が多いです。弊社ECサイトにも写真があって、仕様が出ていますが、実寸はイメージしづらいものです。実機を見て確認したいというお客さまは多いですね。

 そして当日“お持ち帰り”を希望される方。店頭在庫のご用意もありますし、「今朝PCが壊れてしまったから買いに来た」というご要望にもお応えできます。

 また、店舗限定のセールというのもありますし、台数限定のアウトレットなども取り扱っています。ちょうど1月は初売りセールを行なっておりました。こうしたオトクな情報はマウスコンピューターのトップページやそこから辿れるダイレクトショップ店舗限定セールページでチェック、あるいはX(旧Twitter)の秋葉原ダイレクトショップアカウントでも情報発信しています。

 そしてPCといったら秋葉原ですので、新パーツが発表された時は様子を見にこられる方も多くいます。我々もそれに合わせてPC新製品を発表していますので、「この新パーツを搭載したPCありますか?」という問い合わせは多くいただきますし、「こちらが搭載したPCで、ちょうど発売開始になったばかりです」といった具合でご案内しています。

GPUがGeForce RTX 40 SUPERへ、CPUは第14世代に更新。ダブルでアップグレードされた新モデル

Q:新発売となったマウスコンピューターのGeForce RTX 40 SUPER搭載モデルの紹介をお願いします。

野中:1つ目はGeForce RTX 4070 SUPERを採用するミニタワーモデル「G-Tune DG-I7G7S」です。位置付けとしてはGeForce RTX 4070搭載モデル「G-Tune DG-I7G70」の後継になります。

ネット注文では標準構成だとスチール製側板だが、店舗ではスモークのガラスサイドパネル仕様に無償でアップグレード(期間限定、店頭在庫の一部モデル)

 GeForce RTX 4070 SUPERはビデオカード単体でGeForce RTX 4070比で15~20%ほど性能が向上しています。ビデオカード自体は価格がほぼ同等ですが、新製品はCPUが第13世代から第14世代Core(Core i7-14700F)に更新されたため値段が少し上がりました。ただ、CPUとビデオカード両方が性能アップしている点で、価格性能比ではお買い得となっています。

 GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルは「G-Tune FZ-I7G7A」です。こちらもビデオカードと同時にCPUも第14世代Core(Core i7-14700F)に更新されています。GeForce RTX 4070 Ti SUPERビデオカードの注目は、ビデオメモリがGeForce RTX 4070 Tiの12GB→16GB増強されているところです。ゲームタイトルによってはビデオメモリの増強が効くこともありますし、もっとも効くのは画像生成、AI分野での利用を検討されている方です。

「G-Tune FZ-I7G7A」。フルタワー型でサイズ、冷却性能もG-Tune中最大級の筐体を採用 ※「ガラスサイドパネル」と「赤LEDケースファン」はBTOカスタマイズオプション
2月上旬から本格的に入荷が始まり、セールも実施される

Q:新製品に対するお客さんの反応はいかがですか。

野中:注目度は高いと実感しています。前述の通り、ダイレクトショップはお持ち帰りを希望する方も多く来店されます。新しすぎる製品は在庫が用意できない場合もあり、そのような時はお時間をいただく形になります。当店でもすでに何台か販売しています(G-Tune DG-I7G7S発売から1週間後時点。G-Tune FZ-I7G7Aの発表当日)。

 GeForce RTX 40 SUPERへの変更に合わせてCPUも第13世代から第14世代へと更新されているところも後押ししていると思います。特に今回の2製品はともにCore i7搭載モデルで、16コア24スレッドから20コア28スレッドに増えています。ここにビデオカード自体の15~20%という性能向上が加わっているので、ご検討される方は結構いらっしゃいます。

CPUも最新第14世代に更新

Q:GeForce RTX 40 SUPERシリーズも複数ありますが、どれを選べばよいですか。

野中:CUDAコアだったりクロック、メモリ搭載量だったり、スペックが強化されてはいるのですが、やはりベンチマーク、たとえば3DMarkで「新製品はこの製品に対して、これくらい数値が上がっていますよ」といったご案内をしています。また、実際遊ぶゲームタイトルや動画編集ソフトが決まっているならば、「推奨スペック」というものがあります。

店頭ではモデル選び(おもにビデオカード)の参考となるベンチマークも紹介

 今回の新製品は、CPUとGPUの更新で性能は上がっていますが、価格も少し上がっています。とくに今回セールでGeForce RTX 4070搭載モデルがお買い得になっていたこともあり、既存モデルを選ばれる方も当然います。ただ、ハイグレードのビデオカードが生きる4Kでのゲームなどを楽しみたい場合はGeForce RTX 40 SUPERのシリーズをオススメしています。

Q:G-Tune DG-I7G70とFZ-I7G7Aとで筐体も異なる理由はありますか。

野中:それはビデオカードのサイズと排熱が理由です。性能が高い分、消費電力が大きく発熱も大きくなりますので、GeForce RTX 4070 Ti SUPER以上やGeForce RTX 4090を搭載できるのはフルタワー筐体のシリーズでラインナップしています。

ほかにもミドルタワー筐体(上)や小型のハンドル付きミニタワー筐体(下)のモデル、ブラック/ホワイトの選択肢もある

性能UP、お得、安心など、店長オススメのBTOオプション

Q:BTOオプションでオススメがあれば紹介してください。

野中:お客様の用途次第ですが、定番どころで、メモリとストレージは余裕を持っておきたいところです。それ以外ですと、まずグリスがオススメです。これを選ぶことでCPUの熱を下げることができます。熱というところでは電源も同様ですね。変換効率を示す80PLUSがBronzeのものよりもGoldのものを選べば筐体内部の温度を下げることにつながります。

高性能グリスでCPUの冷却を強化
高効率の電源で筐体内部の温度を下げられる

 モニターも扱っており、グループのiiyama製品を中心としたオプションで、セット購入いただくとお安くなります。

モニターも同時購入でお得に

 ほかには追加サポートもオススメさせていただいています。いざPCが壊れたという場合、マウスコンピューターではそのPCをお預かりし、修理します。この時、標準(追加料金なし)の3年間センドバック保証は、送付の際は片道分だけ送料をご負担いただく形になります。一方、オプションのサポートサービス(ピックアップ保証)を購入いただくと、回収業者が伺うため、送料のご負担はありません。

 また、修理に要する時間をなるべく短くする「安心パック」(5,500円)があります。預かり修理では、通常、PCが修理工場に届いてからおおむね72時間内での対応を目標に作業していますが、安心パックでは最短で当日修理返却できる場合があります。

有償サポートは修理に要する時間を短縮できる

Q:オンサイトというのもありますがこちらはどのような内容ですか。

野中:「オンサイト」というのは故障しているだろうパーツ、マザーボードとかビデオカードとかをスタッフが持参し、その場で修理するというものになります。3年間契約で回数制限もとくにございません。

Q:修理をお願いする時、ダイレクトショップに持ち込むことは可能ですか。

野中:秋葉原店では地下がサポートになっており、こちらへのお持ち込みが可能です。ただし店舗内に修理の設備がないため、こちらから修理工場に発送する形になります。メリットとしては仮に購入時のダンボール箱を処分してしまった場合、製品むき出しのまま持ち込んでも、当店にはダンボールがありますのでしっかり梱包して発送できます。

 また、レアケースですが修理後の配送を店舗宛として、ここからお持ち帰りする方もいます。ダイレクトショップでの修理受付はヨドバシAkiba店以外の店舗で受け付けています。

さまざまなPCニーズに向けて4つの主要なブランドを展開

Q:G-Tune以外のブランドの製品についても紹介してください。

野中:まずNEXTGEARです。こちらもゲーミングPCですが、CPUにRyzen、メモリは8GB×2枚から、ビデオカードはGeForce RTX 4060やRTX 4060 Tiを中心としたリーズナブルなエントリーゲーマー向けのシリーズです。フルHD解像度であれば、たいていのゲームは快適に楽しめます。

エントリーゲーマー向けのNEXTGEARブランド。GeForce RTX 4070 SUPER、RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルも展開

 NEXTGEARはリーズナブルがウリであるためです。おおむね価格的に20万円未満なら8GB×2枚、20万円以上のハイスペックは16GB×2枚からとなっています。ハイスペックモデルではバックグラウンドで重い処理を動かす方も多く、そうなると32GBあった方が安心ということで推奨しています。

 GeForce RTX 4070 SUPERを搭載する「NEXTGEAR JG-A7G7S」(ブラックモデル)の主なスペックは、Ryzen 7 7800X3D、メモリ16GB、SSD 1TBを搭載しています。

 次にクリエイター向けのDAIVです。G-TuneもDAIVも、高性能PCという点では同じですが、DAIVは動画編集や画像生成などの用途に向けてデザインやオプションを分けています。クリエイターは一番よいものを選ぶ傾向で、CPUならCore i9、ビデオカードはGeForce RTX 4090といったものをオプションに用意しつつ、しっかり対応できる筐体を組み合わせています。もちろんプロフェッショナル向けビデオカードも選べますし、Premiere Proなど主要なアプリケーションの動作確認もしています。

クリエイター向けのDAIVブランド。GeForce RTX 4070 SUPER、RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルも展開

 G-Tuneがゲーマー向けの筐体デザインなのに対し、DAIVは落ち着いた、クリエイターが好むデザインを採用しています。ただしどちらも高性能PCということで、デザインを決め手にG-Tuneをクリエイター用途に、DAIVをゲーミング用途に選ぶお客さんもいます。

 店舗にDAIVを見に来られるのは、4K編集など映像を取り扱うという方が多いですね。実機を確認したいという方や、中には今日の夜から使いたいと持ち帰りを希望する方もいます。

 参考までに、DAIVのGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載機「DAIV FX-I7G7A」の主なスペックは、Core i7-14700KF、メモリ32GB、SSD 2TBとなっております。

 最後にビデオカード非搭載モデルを中心としたmouseブランドです。ネットを見る、動画を見る、Excelをするといった一般業務や家庭用途ならCore i5クラスのCPU、メモリも8~16GBといったスペックが定番になります。NEXTGEARよりも一回り小さく置き場所に困らないPCをお探しの方に最適です。またMouseブランドの一部モデルではローエンドビデオカード搭載モデルもあります。

スタンダードで小型なMouse Proブランド製品
ノートPCにもmouse、G-Tune、DAIVの各ブランドが展開されている。G-Tuneは高リフレッシュレートパネル、DAIVはsRGB比の高いパネルとブランドごとに仕様を分けている

Q:ありがとうございました。最後にGeForce RTX 40 SUPER搭載シリーズについて一言いただけますか。

野中:現在、この店舗でもっとも売れているG-TuneはGeForce RTX 4070搭載モデルのDG-I7G70でした。初売りセールだったということも一因ですが、それを差し引いてもGeForce RTX 4070がお客さんにとっても買いやすい、ショップとしても売りやすいというポジションでした。20万円台というゲーミングPCの定番価格帯で、4K設定でもないかぎり遊べないゲームはありませんからオススメしやすいです。

 こうした売れ筋が今後、GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルに置き換わっていくと思っています。もう1つGeForce RTX 4070 Ti SUPERについてはビデオメモリが多いところが面白そうだと思っています。ビデオメモリの多さが効くゲームタイトルや、画像生成などAI分野で効きそうなので、要注目です。