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Sound Blaster 30周年! 最新製品をオーディオ専門家の藤本氏がモデル兼ゲーマーの黒田さんと検証
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- クリエイティブメディア株式会社
2019年8月30日 11:00
サウンドカードの代名詞ともいえるクリエイティブの「Sound Blaster」が今年30周年を迎えた。シンガポールに本社を置くクリエイティブは、PC向けのオーディオ機器一筋で事業展開し、PCオーディオの世界でさまざまなデファクトスタンダードを確立し、現在に至っている。
先日、30年間の集大成ともいえるSound Blaster製品、AE-9、AE-7の2機種が発売された。そこで30年を振り返りつつ、最新モデルの実力についてみていく。
8bitモノラルサウンドからはじまったSound Blaster
Sound Blasterの最初のバージョン、その名もSound Blasterが誕生したのは1989年。当時のPC、いわゆるIBM PC/AT互換機のISAバスに接続するSound Blasterは8bitのモノラルで音を出すという、いまから考えれば本当に原始的なサウンドカードとして登場したものだった。
実は同社のサウンドカードとしては、その前身となるCreative Music Systemなるものが1987年に発売されていたが、当時存在していたAd LibのFM音源機能とも互換性を持たせるかたちで誕生したSound Blasterは、その後、世界中に波及し、まさにサウンドカードのデファクトスタンダードへと成長していったのだ。
そうした30年の歴史についてはクリエイティブのサイトに掲載されているので参照していただきたい。古くからのPCユーザーには、「Sound Blaster AWE32」、「Sound Blaster Live!」など、懐かしい製品が目白押しだ。
筆者が最初にSound Blasterを購入したのは1992年暮れだった。当時のPCというと、まだNECのPC-9801シリーズが国内で圧倒的な地位を占めていたが、IBM PC/AT互換機で日本語表示をさせるDOS/Vが少しずつ話題になりだしていたころ。そこにWindows 3でオーディオが扱えるようにするWindows 3.0 MMEなるものが登場したことで、今後、日本もAT互換機=DOS/Vマシンに変わっていくと確信し、初めてDOS/Vマシンを購入すると同時に、Sound Blaster Pro 2を購入したのだ。このSound Blaster Pro 2、今も手元に残っているが、当時購入したものは、このSound Blaster Pro 2をコアにしたマルチメディアキットなるものだった。
というのも当時のPCには、音の入出力の機能は一切なく、USB端子などが誕生するはるか以前で、拡張性も乏しい時代。標準ではストレージはFDDしか搭載されておらず、そのころ大きな話題になってきていたCD-ROMも扱えないものだった。
しかし、Sound Blasterのマルチメディアキットは3万円程度の価格ながら、FM音源の音を出せるSound Blasterに加えて、CD-ROMドライブもセットになっていたのだ。そう、当時CD-ROMを使うには別途SCSIカードなどのインターフェイスが必要だったが、Sound BlasterにはCD-ROMインターフェイスととともに、ジョイスティックポートも装備。そのジョイスティックに付属のケーブルを使うことで、RolandのMIDIインターフェイス互換としても利用できたのだ。
そして何より、デジタルでオーディオの入出力ができるPCM機能が搭載された夢のような機材だった。今でこそ、PCでオーディオが扱えるのは当たり前だが、そうしたことが可能になったのは30年前のSound Blasterからスタートしていたのだ。
その後、Sound Blasterは、より音質を向上させ、CDと同等の16bitオーディオが扱えるSound Blaster 16へと進化。さらにサンプリングシンセサイザの代名詞ともいわれたE-mu Systems、Ensoniqを傘下に収めると同時に、1998年にE-muの機能をより発展させて、Sound Blasterに搭載したSound Blaster Live!を発売し、PCオーディオの世界において圧倒的な地位を築いたのだった。
当時、筆者もインプレスの関連会社であるリットーミュージックから「サウンドブラスターLive!音楽的活用マニュアル」なんて本を出版したりもしたが、昔話はこのくらいにして、話を現代に戻そう。
30年の集大成。最高級の音声品質を持つSound Blaster AE-7/AE-9
このSound Blasterの30周年となるタイミングで、久しぶりにリリースされたSound Blasterの新製品、Sound Blaster AE-9、AE-7の2機種は、まさに集大成ともいえる製品。名称的には、2年前に発売されていたSound BlasterX AE-5の上位版という位置づけではあるが、AE-5と比較し、AE-9およびAE-7は新世代モデルとなっており、それぞれのスペックの違いをまとめたのが下の表だ。
Sound Blaster AE-9 | Sound Blaster AE-7 | Sound BlasterX AE-5 | |
---|---|---|---|
DAC | ESS 9038Q2M | ESS 9018 | ESS 9016K2M |
ダイナミックレンジ | 129dB | 127dB | 122dB |
THD + N | -120dB (0.0001%) | -120dB (0.0001%) | -110dB (0.00032%) |
ADC | TI PCM4220 | Sound Core 3D | Sound Core 3D |
エフェクトプロセッサ | SoundCore 3D | Sound Core 3D | Sound Core 3D |
オーディオコントロールモジュール(ACM) | 〇(LED搭載) | 〇 | - |
最高サンプリングレート/分解能 | PCM 32bit/384kHz、 DSD64(2.8MHz) | PCM 32bit/384kHz、DSD64(2.8MHz) | PCM 32bit/384kHz |
ダイレクトモード | Stereo: 32bit 384kHz, DSD64 5.1:24bit 192kHz | Stereo: 32bit 384kHz | Stereo: 32bit 384kHz |
6.3mmマイク入力 | 〇(+48Vファンタム電源) | 〇(ACM) | - |
3.5mmマイク入力 | 〇 | 〇 | 〇 |
ヘッドフォンアンプ | フルディスクリートXamp バイアンプ | フルディスクリートXamp バイアンプ | フルディスクリートXamp バイアンプ |
エンコーダー | Dolby Digital Live & DTS Connect | Dolby Digital Live & DTS Connect | - |
オペアンプ交換 | 4 | - | - |
ニチコン・アルミ電解コンデンサ | 〇 | - | - |
追加電力供給 | PCI Express Connector to power ACM | - | Molex Connector to power RGB |
DSD対応 | DSD64 | DSD64 | - |
ダイナミックレンジでいうとAE-9が129dB、AE-7でも127dBという性能を誇り、どちらも384kHzのサンプリングレート、32bitのビット分解能を持つなど、サウンドカード/オーディオインターフェイスの世界では最高クラスに位置づけられるスペックだ。このうちAE-9はクリエイティブのオンラインショップからのみ購入できる製品であるのに対し、AE-7は一般のPCショップや量販店で販売されているものなので、まずはAE-7から簡単に紹介してみよう。
32bit/384kHzハイレゾ対応のESS SABREクラス 9018 DACを搭載するAE-7
AE-7はサウンドカード本体と、大きなボリュームノブとオーディオ入出力端子を備えたオーディオコントロールモジュールから構成される製品で、オーディオ鑑賞からゲームまで幅広い用途で用いることができるもの。32bit/384kHzハイレゾ再生を可能とするESS SABREクラス 9018 DAC採用しており、サウンド的にもハイエンドオーディオ機器クラスといっていいレベルの製品となっている。
ステレオでのスピーカー出力はもちろんのことながら、ディスクリート5.1chのスピーカー出力にも対応しているが、特筆すべきポイントがヘッドフォンアンプ部分。ここにはXampという高音質のヘッドフォンアンプが採用されているのだが、それが左右独立して2つ搭載されたバイアンプと呼ばれると呼ばれる方式になっているのが重要なポイント。徹底的に音質にこだわった設計になっているのだ。
しかもSound Core 3DというDSPの搭載により、ユーザーの好みに合わせて、さまざまな音場を演出できるようになっているのがSound Blasterならではのポイントだ。
電源回路から徹底的に音質を突き詰めたAE-9
そんなAE-7の機能をほぼすべて包含した上で、最高峰として出てきたのが、その上位版であり、クリエイティブのオンラインショップからのみ購入可能となっているSound Blaster AE-9だ。
価格は34,800円で、オンラインストアでの直販のみとなる。ただ、30周年ということもあり、過去30年の間にSound Blaster製品を購入した人であれば、誰でも10%オフでのアップグレード価格が適用される。これはSound Blasterと名がつくものであれば、かなり古い製品でもOKで、EMU-0404やEMU-1820mなどのE-muブランドのサウンドカードも対象とのこと。過去にSound Blaster製品を直販サイトで購入した人や、手元の古いSound Blaster裏面のシリアルナンバーを用意できれば、10%オフでのアップグレード価格が適用され、31,320円で購入可能となる。
AE-9は、歴史的な流れでいえば、Sound Blaster ZxRの後継に当たるものではあるが、まったく新たに設計したものであり、AE-7ともカードとしての設計も大きく異なる。またZxRなど従来の内蔵型Sound Blasterでは内蔵スロット2つ分が必要となっていたが、Sound Blaster AE-9では、1スロット+外付けのユニットという構成だ。
この外付けのユニットは、一見するとUSBオーディオインターフェイスのようにも見え、「これならUSB接続でもいいのでは……!?」とも思えるところだが、じつはこれこそが、音質に徹底的にこだわった結果なのだ。ご存知の通り、USBは最大5Vx500mAしか流すことができず、電力的な制限がある。しかし、PCI Expressであれば、最大10Wまでとれるほか、Sound Blater AE-9ではさらに6ピンでの電源供給を受けるため、余裕を持った電源になっているのだ。
しかも入ってきた電源をオーディオ用のキレイな電源にするためのクリーン・ライン・テクノロジー、ニチコン製のオーディオ用アルミ電解コンデンサを多数配置した上で、カード全体をカバーするシールドを取り付けるなど、ノイズ対策は万全。こうした点の積み重ねが、AE-9の超高音質を実現している。
外付けユニットを見て、すぐに気づくのは、ボリュームノブと連動する数字が白いLEDで表示さること。しかも、この数字がdB表示となっており、最大で0.0dB、最小でー90.0dBとなっているのだ。筆者が知る限り、Sound Blasterのレベル表示にdB表示を用いたのは今回が初。よりオーディオ機器に寄った設計になっているのが、この辺からも見えてくる。なお、このボリュームノブを動かすと、Windows側のボリュームレベル設定も連動するが、これは従来通り0~100となっている。
外付けユニットは音量調機能だけでなく、バイアンプのヘッドフォンアンプも搭載されている。そのヘッドフォン端子としては3.5mmのステレオミニ端子と同時に、6.3mmの標準端子も用意されているので、さまざまなヘッドフォンが接続可能だ。
最近は、ハイインピーダンスのヘッドフォンなども出てきており、通常のヘッドフォンアンプだと鳴らしきれないというケースも少なくないが、ここにはヘッドフォンのインピーダンスによって切り替えられる3段階のスイッチが用意されているのも大きな特徴。16~31Ω、32~149Ω、150~600Ωと切り替え可能なので、実際に切り替えて試してみるのがよさそうだ。
左側には+48Vのファンタム電源を備えたマイク入力も用意されているが、これについては実際に録音した音も含めて後で紹介する。
外部スピーカーへの出力端子は、Sound Blaster AE-9のカード自体にすべて搭載されている。メインとなるステレオ出力はRCAのピンジャックでの出力となっているので、これをアンプ内蔵のモニタースピーカーなどへ接続するか、オーディオアンプなどへ接続するかたちとなる。
AE-9もAE-7と同様、ディスクリートでの5.1ch出力に対応しているが、リアの2ch、センターフロントとサブウーファは、3.5mmの端子から出力され、さらにオプティカルでのデジタル入出力も備えている。
ピュアオーディオ、映画、ゲームとマルチに設定可能なSound Blaster Command
Sound Blaster AE-9を動かすためには、あらかじめドライバ類をインストールしておく必要があるのだが、これによってインストールされるSound Blasetr Commandを使うことで、さまざまなことが実現可能になる。これはAE-9に限らず、AE-7もほぼ同様のことができるので、Sound Blasterがほかのサウンドカード、オーディオインターフェイスと大きく異なる点。順番に見ていこう。
まずデフォルトではSBXプロファイルなるものがオンの状態になっているが、これによって、Sound Blasterの音場をいろいろな環境に変えることが可能になる。たとえばシネマを選べば映画館風な音になるし、コンサートを選べばコンサートホールのようなサウンドになる。またゲームを選べばゲームを臨場感あふれるサウンドで楽しめるようになり、夜間を選ぶと重低音など周りに響く音を抑えてスピーカーでも静かに鳴らせるようになる、といった具合。それぞれのプリセットはサラウンド、クリスタライザ、バス、スマートボリューム、ダイアログ+のパラメータで設定されているが、もちろんユーザーが自由に設定することも可能になっている。
このSBXプロファイルとは別にイコライザーの設定も用意されている。これはとても自由度の高いパラメトリックイコライザーで、ユーザーの好みに応じて好きにパラメータ設定することもできるし、プリセットもボーカル、ゲーム、シネマ、コンサート……といろいろ用意されているので、試してみるといいだろう。
さらに再生のタブを見てみると、ここにも重要な機能がいろいろ詰め込まれている。まず出力先としてスピーカーを使うか、ヘッドフォンを使うかを選択するようになっている。そう、Sound Blaster AE-9ではスピーカーとヘッドフォンの同時出力はできず、どちらかを選択するのだ。
ヘッドフォン選択時においては、普通のステレオヘッドフォンを使っていてもバーチャル的に7.1chのサラウンドを実現できるようになっているのもユニークな点。テストボタンを押して、サウンドチェックすると、確かに後ろのほうから音が聴こえてくるのは面白いし、実際、映画作品やゲームにおけるサラウンドにおいて、立体感を演出できる。
スピーカーの場合、リアルに5.1chを接続するのがベストではあるが、ヘッドフォンのバーチャルサラウンドをステレオスピーカーで実現させるという設定も用意されている。さすがに、後ろから音が聴こえるほどにはならないものの、かなり音に広がりを出すことができるのは楽しいところだ。
このように、Sound BlasterのDSP機能によって、音に味付けをしてくれるのがSound Blasterの醍醐味ではあるのだが、ピュアオーディオを求めるユーザーにとっては不要と感じることもあるだろう。そんなときは、ダイレクトモードをオンにすればいい。これによってSBXプロファイルもイコライザもバーチャルサラウンドもすべて無効となり、ハイレゾのオーディオサウンドを原音のまましっかりと出すことが可能になる。
この画面には、オーディオクオリティというのがあり、ここで16bit/44.1kHz~32bit/384kHzまでを選択可能になっているのだが、これがWindowsユーザーにとっては便利に機能するところでもある。
ピュアオーディオにおいては、ASIOドライバを使うのが本来なので、そこではあまり関係ないが、Windows Media Playerなどを使う場合、通常ビット深度とサンプリングレートの設定はコントロールパネルにあるサウンドのプロパティで指定しなくてはならない。しかしSound Blaster Commandのこの設定を変えることで自動的にコントロールパネル側も切り替わるので、これだけを使えばよくなっている。
さらにエンコーダとしてDolby Audio、さらにはDTS Connectも搭載しているので、最新の映画作品などもサラウンドで存分に楽しめるのも重要なポイントだ。
Scout Modeやファンタム電源装備で、ゲーム配信にも最適。特別ゲストに黒田瑞貴さんをお迎え
さて、そんなSound Blaster AE-9だが、ゲーマーにとって、どれだけの恩恵があるのだろうか? これに関しては筆者があまりゲームをしないので、モデルでありながら生粋のゲーマーである黒田瑞貴さんに協力をお願いし、AE-9の音をヘッドフォンで聴きながら、ゲームをしてもらった。
今回使ったゲームは「Apex Legends」。とくにチェックしてもらったのは、足音などの環境音をハイライトすることでかすかな動きをサウンドで感じとれるようにしたというScout Modeの効果だ。
まずはScout Modeはオフの状態で、SBXプロファイルをゲームやシネマ、コンサートなどに切り替えながら音を確認してもらったところ、「普段聴いている音より、断然いいし、モードによってずいぶん雰囲気が変わります。面白いのはコンサートモードにしたら、BGMでのバイオリンの音などが目立ってきて、こんな音が入っていたのか、と改めて発見しました」との感想。ゲーマーにとっても第一印象はよさそうだ。
実戦に入ってもらったところで、Sount Modeのオン/オフを切り替えてみたところ「これ、メチャわかる!!ダラーーーーが、ダッダッダダダダって聴こえて、数えられる!」(黒田さん)。
何を言っているのかさっぱりわからなかったので(笑)、詳しく聞いてみたところ、このゲームにおいて重要なのは、相手がいま何発玉を撃って、マガジンにあと何発残っているのかなのだとか。普通のサウンドカードで聴いていると、連射された場合、発射音が繋がって聴こえるけれど、Sound Blaster AE-9を使い、Scout Modeをオンにすると、1発1発がハッキリと聴き取れ、相手のマガジンの残り弾数がわかり、相手がリロード(この間、相手は撃てない)するまでどれくらいかがわかるようになるのだという。
さらにゲームを進めていき、沼地を歩いて行ったとき「これ、すごい!!足音がヌチャヌチャするのがハッキリわかる!」と。ゲーマーでない筆者にはサッパリだったが、黒田さん曰く、Scout Modeをオンにすると、自分の靴と地面が擦れる音が非常にハッキリに聴こえるようになるとともに、沼地で泥がまとわりつく音が、普段よりリアルなのだそうだ。
さらに建物に入っていくと、「これは上下がハッキリ分かる!!メチャ怖い!」と黒田さん。建物内を歩く敵の足音の気配を感じつつ、ゲームを進めていくわけだが、その敵が上のほうにいるのか、下のほうにいるのかが、ヘッドフォンからの音でもハッキリ伝わってきて、リアル過ぎて恐怖感を覚えるほどなのだとか。
この手のシューティングゲームでは、相手の残りの弾数や、場所など、目では見えない部分を音で補って把握することで、より勝てるようになるらしい。Sound BlasterのScout Modeはその手助けをしてくれるのだ。
黒田さんは普段、ネット配信も行なっているので、マイクについても少しテストするとともに、その音の違いをチェックしてもらった。ここで比較したのは、一般的なものより、ちょっと高価なヘッドセットのマイクでの音と、レコーディング用のコンデンサマイクを使った音。
ヘッドセットのマイクは、外付けモジュールの3.5mmのジャックに接続したもので、下記のビデオのような感じで、決して悪くはない。
それに対し、コンデンサマイクを使ったのがこちらだ。
黒田さんには、マイクに近づいたり、遠ざかったりしてもらいつつ、普通の声、小声でもしゃべってもらったが、距離が離れても小さい音もクッキリと捉えているのが分かるだろう。レコーディング用のコンデンサマイクとはいっても、これはmarantz ProfessionalのMPM-1000という6,000円程度で入手可能なマイク。+48Vのファンタム電源というものを必要とするため、一般的なサウンドカードには接続できないが、AE-9の場合、端子が用意されているので、利用できるのだ。
コンデンサマイクを使うことで、とても小さな音までハッキリと録ることができるし、音質的にも圧倒的にキレイなのが特徴。ただし、小さな音まで捉えるだけに、PCのファンノイズやエアコンの音も非常によく分かってしまうので、ネット放送時などは、その点を気にする必要が出てくる。このサンプル動画でも、PCのファンや空調の音を思いのほか拾ってしまっている。とはいえ、音のクオリティーは圧倒的に高くすることができるので、使ってみる価値は多いにあるだろう。
以上、30周年を迎えたSound Blasterについて見てきたがいかがだっただろうか? 30年前と違う、どのPCにもオーディオの入出力機能は搭載されるようになったが、やはり音のクオリティーや、臨場感という面では、Sound Blasterの実力がよく分かったのではないかと思う。PCでワンランク上のオーディオを楽しんだり、ゲームを楽しむ上でひじょうに良い投資となるだろう。