レビュー
機能で選ぶ?装着性で選ぶ?ファーウェイの新スマートウォッチ「HUAWEI WATCH FIT 2」、「HUAWEI Band 7」実機レビュー
2022年6月15日 06:24
ファーウェイ・ジャパンはスマートウォッチ2製品「HUAWEI WATCH FIT 2」(価格2万680円)、「HUAWEI Band 7」(同8,580円)を5月26日に発表、6月2日より販売開始した。
HUAWEI WATCH FIT 2は1.74型ディスプレイを搭載するスマートウォッチ。前モデルよりディスプレイの表示面積が約18.6%拡大されたほか、GPSの精度が向上しており、より詳細な経路モニタリングが可能となっている。
HUAWEI Band 7は1.47型ディスプレイを搭載するスマートウォッチ。前モデルより本体部分が薄くなり、約9.99mmの薄さを実現。装着感が向上している。
今回ファーウェイより実機を借用したので、両製品の主な違い、それぞれの使い勝手などについてレビューしていこう。
WATCH FIT 2はGPSとオーディオ機能に対応、Band 7はスリムで装着性良好
HUAWEI WATCH FIT 2は1.74型AMOLEDタッチスクリーン(336×480ドット、336ppi)ディスプレイを搭載したスマートウォッチ。ストラップがシリコンバンドのアクティブモデル(価格2万680円)、レザーベルトのクラシックモデル(同2万3,980円)を用意。カラーはミッドナイトブラック、サクラピンク、アイルブルー、ネビュラグレー、ムーンホワイトから選択可能だ。
センサーは加速度、ジャイロ、磁気、光学式心拍、装着検知を内蔵。測位方式はGPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSSに対応し、前モデルより2種増えた。通信規格はBluetooth 5.2 BLEを採用している。
オーディオ機能はマイクとスピーカーを搭載。本体内のストレージに音楽データをインポートすることにより単体で音楽を再生できるほか、スマートフォンを経由して音声通話が可能だ。
本体サイズは33.5×46×10.8mm(幅×高さ×厚さ)、重量はアクティブモデルが約26g(ベルト含まず)、クラシックモデルが約30g(同)。防水性能は5ATM(水深50mでの耐水性)。バッテリ駆動時間は通常使用で10日間、ヘビーユースで7日間、GPS連続使用時で約12時間とされている。
HUAWEI Band 7は1.47型AMOLEDタッチスクリーン(194×368ドット、283ppi)を搭載したスマートウォッチ。ストラップはシリコンバンドのみ。カラーはウィルダネスグリーン、フレイムレッド、グラファイトブラック、ネビュラピンクから選択可能だ。
センサーは加速度、ジャイロ、光学式心拍を内蔵。GPSは非搭載。またオーディオ機能は搭載されておらず、アラームやタイマーはバイブレーションで知らせる仕様だ。
本体サイズは26×44.35×9.99mm(幅×高さ×厚さ)、重量は約16g(ベルト含まず)。防水性能は5ATM(水深50mでの耐水性)。バッテリ駆動時間は通常使用で14日間、ヘビーユースで10日間とされている。
なお、HUAWEI WATCH FIT 2とHUAWEI Band 7に搭載されているヘルスケア、スマートアシスタント機能は下記の表の通り基本的に同じ。ワークアウト機能はワークアウトモードの数が前者が12種類、後者が11種類と異なるほか、13種類のランニングコースを利用できるのは前者だけとなっている。
HUAWEI WATCH FIT 2 | HUAWEI Band 7 | ||
---|---|---|---|
モデル | アクティブモデル | クラシックモデル | - |
カラー | ミッドナイトブラック サクラピンク アイルブルー | ネビュラグレー ムーンホワイト | ウィルダネスグリーン フレイムレッド グラファイトブラック ネビュラピンク |
材質 | フロントケース:ポリマー リアケース:ポリマー | フロントケース:アルミニウム リアケース:ポリマー | フロントケース:ポリマー リアケース:ポリマー |
ストラップ | シリコンベルト | レザーベルト | シリコンベルト |
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 33.5×46×10.8mm | 26×44.35×9.99mm | |
重量(ベルト含まず) | 約26g | 約30g | 約16g |
手首サイズ | 130~210mm | 140~210mm | 非公表 |
ディスプレイ | 1.74型AMOLEDタッチスクリーン (336×480ドット、336ppi) | 1.47型AMOLEDタッチスクリーン (194×368ドット、283ppi) | |
センサー | 加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー、光学式心拍センサー、装着検知センサー | 加速度センサー、 ジャイロセンサー、 光学式心拍センサー | |
操作部 | スクリーンタッチ、サイドボタン | ||
充電端子 | 磁気充電ポート | ||
対応OS | Android 6.0以上、iOS 9.0以上 | ||
防水 | 5ATM(水深50mでの耐水性) | ||
測位方式 | GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSS | - | |
通信規格 | Bluetooth 5.2 BLE | ||
動作環境 | -10~45℃ | ||
充電 | 5V/1A | 5V/1A、5V/1.5A、5V/2A | |
バッテリ持続時間 | 通常使用:10日間 ヘビーユース:7日間 | 通常使用:14日間 ヘビーユース:10日間 | |
オーディオ | マイク、スピーカー | - | |
付属品 | 充電クレードル付きUSBケーブル、クイックスタートガイド、保証とアフターサービスのご案内 | ||
ヘルスケア | 活動量データ(歩数、消費カロリー、距離)、24時間血中酸素モニタリング、24時間心拍数モニタリング、睡眠モニタリング、ストレスモニタリング、HUAWEI TruSport(ランニング能力指数、トレーニング負荷、乳酸閾値などのデータを測定)、活動促進通知、呼吸エクササイズ | ||
ワークアウト | 12種類のワークアウトモード、85種類のカスタムワークアウトモード、13種類のランニングコース、6種類のワークアウトを自動識別 | 11種類のワークアウトモード、85種類のカスタムワークアウトモード、6種類のワークアウトを自動識別 | |
スマートアシスタント | スマート通知(着信、メッセージ、メール、カレンダー、SNSアプリ)、スマートフォン探索、アラーム設定、タイマー、ストップウォッチ、懐中電灯、天気情報、リモートシャッター | ||
価格 | 2万680円 | 2万3,980円 | 8,580円 |
管理アプリは専用の「Huawei Health」
セットアップの流れはHUAWEI WATCH FIT 2とHUAWEI Band 7で違いはない。まず充電クレードル付きUSBケーブルと接続して充電したあと、電源を投入する。言語を選択したのち、ペアリング画面が表示されたら、スマートフォンに「Huawei Health」アプリをインストール、起動する。
「Huawei Health」アプリでアカウントを作成、サインインしたら、ホーム画面の「デバイス」から「追加」を選択。すると近くにあるデバイスが検出されるので、候補から選択して、あとはメッセージの手順に従っていけばオーケーだ。権限の許可がやや面倒だが、さまざまな個人情報や通知をやり取りするのでいたしかたない。
画面サイズの差は大きいが、基本アプリを中心に使うなら気にならない
HUAWEI WATCH FIT 2とHUAWEI Band 7で最も大きな違いだと感じたのは、やはり画面サイズ。「Gmail」の通知を有効にしておくと、メールが到着したさいに件名を表示できるが、HUAWEI WATCH FIT 2は40文字、HUAWEI Band 7は30文字と10文字の差がある。最近のメールは件名に情報を詰め込んであり、件名だけで事足りることもある。この文字数の差は使い勝手を大きく変えると感じた。
アプリへのアクセスしやすさという点でもHUAWEI WATCH FIT 2に軍配が上がる。HUAWEI WATCH FIT 2はアプリアイコンを同時に12個表示できるが、HUAWEI Band 7は2.5個だ。目的のアプリを起動するためには何度もスクロールしなければならない。
ただし左右スワイプで表示できる基本アプリの情報量には大きな差はない。基本アプリを中心に利用するのであれば、アプリアイコン数の差は問題とならないだろう。
衛星測位システムとオーディオ機能の有無も両機種の大きな違い。ランニング、ウォーキング時の正確な位置トラッキング、スマートフォンを経由しての音声通話機能を利用できるのはHUAWEI WATCH FIT 2だけだ。価格が倍以上違うので比べるものではないかもしれないが、用途を大きく変えるので慎重に検討してほしい。
機能は「HUAWEI WATCH FIT 2」が上だが、装着性は「HUAWEI Band 7」が◎
機能的にはHUAWEI WATCH FIT 2のほうが充実している。特に位置トラッキングと音声通話を利用したいのなら選択の余地はない。しかし、HUAWEI Band 7にも大きな利点がある。それは装着性。ストラップ込みの実測重量が11.9g軽く、またストラップが細いので手首の動きを邪魔しにくい。これからの猛暑の時期でも汗がたまりにくいはずだ。価格が半分以下という点も、ある程度ラフに扱えるという心理的なアドバンテージがある。
もちろん質感という点では、ファーウェイ製だけに大きな差は感じない。両機種は基本機能がほぼ同じで、プラスアルファの機能で差別化が図られている。個人的には、位置トラッキングと音声通話が必要かどうかだけで選んでも後悔はないと考える。