レビュー

7型になって大幅シェイプアップ! 「ONEXPLAYER mini」を写真でチェック

ONEXPLAYER mini

 ONE-NETBOOK Technologyのスレート型ゲーミングUMPCシリーズから、7型液晶を備えた小型モデル「ONEXPLAYER mini」が突如発表となった。今回短時間でありながら試作機を試用する機会を得たので、写真を中心にレポートをお届けする。今回の試作機はベンチマークなどが不可だったため、詳細レビューは改めてお届けする。

 ONEXPLAYERはスレート型のゲーミングUMPCだが、液晶には2,560×1,600ドット表示対応の8.4型が採用されていた。競合とも言えるGPDの「GPD WIN Max」シリーズは8型、「AYA NEO 2021」は7型、「GPD WIN 3」は5.5型なので、市場の中では最も大きい部類に入る。

 もちろん、ONEXPLAYERの大画面には迫力があったのは確かだが、フットプリント的に大きく、単なるポータブルゲーム機として見た場合、携帯性が大きく損なわれていた点は否めなかった。今回投入されるONEXPLAYER miniでは、ONEXPLAYERの優れた操作感を継承しながら、液晶ディスプレイを1,920×1,200ドット表示対応7型へと小型化を図るとともに、重量を600g以下に抑えることで、携帯性を向上させることに成功した。

 重量は公称で589g、実測で594g。実際に手にすると想像以上に軽く、ONEXPLAYERのように手に負担がかることがなくなった。AYA NEO 2021の650gと比べても50g以上も軽いわけだが、ONEXPLAYER miniでは大きく出っ張ったグリップによって、手への負担がAYA NEO 2021よりも少ない。据え置きゲーム機ばりの抜群のフィット感を実現しているのが実感できる。

ONEXPLAYER(左上)とONEXPLAYER mini(右下)の比較
左右のラウンド形状も抑えたため、実際手にすると写真以上にコンパクトになっている印象だ
本体の実測は594gだった。600gを下回っているのは大きい
従来のONEXPLAYERは844g

 グリップを除く部分もちょっと厚みが増した印象なのだが、これは同じプロセッサを積むための工夫だろうか。とは言え、グリップの方が厚みがあるので、持ち運ぶ際のデメリットとはならないはずだ。

ONEXPLAYERと比較して若干厚くなっているが、いずれにしてもグリップの方が出っ張っているので気にならないだろう

 液晶のサイズ的にはAYA NEO 2021とほぼ同等だが、解像度が高いというアドバンテージを持っている。CPUはTiger Lake世代のCore i7-1195G7なので、内蔵GPUの性能的には、ちょっと古めの3DゲームをフルHD解像度で問題なくプレイできる程度。WIN MaxやAYA NEO 2021の解像度に物足りなさを感じている人にも、文句なくおすすめできる。

 ONEXPLAYERから省かれた要素としては、まず指紋センサーが挙げられる。とは言えWindowsならPINコードでもすぐログインできるので弊害は少ないだろう。キックスタンドも省かれ、自立できなくなった。さらに、オプションのキーボードカバーのポゴピンも省かれた。この辺りは小型軽量化とのトレードオフといったところだろう。

背面のキックスタンドや指紋センサーはなくなった。音量ボタンは上部へ移動、ミュートボタンはなくなった
底面のポゴピンは省かれた

 これだけ小型化しても、コントローラの操作感が8.4型とあまり変わらない点には驚かされる。指に吸い付くような形状でサイズに余裕があり、7mmものストロークを実現したL2/R2トリガーや、据え置きゲーム機のコントローラばりにストロークが深いジョイスティックやボタンは、ONEXPLAYERそのものだ。小型化したからと言って妥協したものは何もないのが素晴らしい。

本体左側面
ショルダーボタンやトリガー、ジョイスティックなどの操作はONEXPLAYERそのもの

 小型化によりバッテリの容量も心配となるところだが、ONEXPLAYER miniは10,455mAhのバッテリを搭載し、CPUのTDPを15Wに設定した場合、2時間のゲームプレイが可能としている。また、100Wの急速充電をサポートしており、テストでは20分で50%充電できるとしている。

 一方、心配になる発熱だが、ハネウェル製のPCM(フェーズチェンジマテリアル)放熱シートを採用したほか、デュアルヒートパイプのヒートシンクや4.4CFMのファンの採用により放熱性を高めたとしている。今回は試作機のため負荷テストを行なっていないが、試用中に本体が熱くなるということはなかった。

 さて、いよいよ盛り上がってきたx86ポータブルゲーム機だが、Valveの「Steam Deck」を待つというユーザーも少なくないだろう。ONE-NETBOOKによれば、ONEXPLAYER miniはSteam Deckと比較してフットプリントは22.8%小型で、重量は11.94%軽量として挙げており、同じ視覚体験をより小型軽量で実現したと謳っている。

 ONEXPLAYERやSteam Deckではサイズや重量、GPD WINやAYA NEOシリーズでは解像度不足で躊躇していた人にとって、ONEXPLAYER miniは最良の選択肢となりそうだ。