レビュー

Oculus Quest 2ユーザーはマストバイ! VRバトルロイヤルゲーム「POPULATION:ONE」

BigBox VR「POPULATION:ONE」2020年10月22日発売予定

 VR空間でプレイ可能な“バトルロイヤルゲーム”は、raptor labの「STAND OUT : VR Battle Royale」や、CyberDream/Spiral Summit Gamesの「Virtual Battlegrounds」などがすでにリリースされている。しかしどちらもどちらもPC用VRゲームであり、基本的にVRヘッドセットにケーブルが接続されている状態でプレイするしかないのがネックだ。

 今回ご紹介するのはクロスプラットフォームで発売される「BigBox VR「POPULATION:ONE」。なんと「Oculus Rift」、「HTC Vive」、「Windows MR」、「Valve Index」、そして「Oculus Quest」でプレイ可能な、VR専用バトルロイヤルゲームだ。

 Oculus Quest 2の発売前に、このPOPULATION:ONEの体験会が開催されたので、今回はレポートをお届けしよう。なお、体験会は9月9日に開催されており、それからゲームシステムやグラフィックなどが変更されている可能性がある点には、留意してほしい。

 結論を先に言ってしまえば、13日発売の「Oculus Quest 2」の購入を検討しているユーザーはもちろんのこと、Oculus Questユーザーにも、ぜひプレイしていただきたいVRコンテンツであった。

「フォートナイト」的なVR版バトルロイヤルゲーム

 POPULATION:ONEは、「フォートナイト」ライクなバトルロイヤルゲームである。舞台は近未来世界。ほかのバトルロイヤルゲームと同様に部隊で協力して、生き残りをかけて戦うことになる。

 このゲームには4つの基本操作がある。登る、飛ぶ、銃を撃つ、そして壁を作ることだ。本作独自のシステムが、「登る」と「跳ぶ」というアクションによって実現された「バーティカルバトルシステム」。ステージにはさまざまな塔、ビル、木、壁などがあるが、プレイヤーはクライミングの要領で垂直方向に自由に登り降りできる。高所の利を活かせば、銃撃戦を有利に進められるわけだ。

 銃を持っていない状態で壁に手を近づけると、青く点灯する。その状態で中指でグリップボタンを押すと壁をつかみ、登り降り可能だ。壁を下に投げる要領で、勢いをつけて手を離すと、大きなストライドでより速く壁を登れる。

ステージに存在する塔、ビル、木などの全オブジェクトに登ることが可能だ
オーバーハングがあっても天井をつかんで、越えていける

 また、両手を開く「Tポーズ」をとって高所から飛び降りると、ハンググライダーのように空中を滑空可能。このときに飛行機のフラップのように両手を動かせば、自由自在に旋回できる。地上よりも素早くステージを移動でき、滑空中に眼下の敵を攻撃することも可能。この立体的な戦闘システムこそが、POPULATION:ONEの醍醐味だ。

両手を開く「Tポーズ」をとれば、空中を滑空できる
飛行機のフラップのように両手を動かせば、飛行中に自由に旋回可能だ

 銃器の扱いは非常にリアル。銃と弾丸を入手しても、マガジンを装着し、チャージングハンドルをスライドさせて弾丸を装填しなければ発射できない。スマホ、PC用バトルロイヤルゲームであればワンタップでリロードできるが、POPULATION:ONEでは一連の動作をスムーズに行なえるように練習する必要がある。

銃や弾丸はステージに点在している。銃に手を伸ばすとサークルが白色から緑色に変化するので、グリップボタンを押せばゲットできる。銃にはハンドガン、マシンガン、スナイパーライフル、ショットガンなどさまざまな種類が用意されている
当然、銃によって弾丸は異なる
金色に光るマガジンをもう片方のコントローラーのグリップボタンでつかみ、銃に装着する
最後にチャージングハンドルをスライドさせて弾丸を装填する。これで戦闘準備完了だ
上がマガジン内の弾数、下が所持している弾数。マガジン内の弾をすべて撃ちつくすと、再びマガジンを装着し、チャージングハンドルで弾丸を装填しなければならない。また、銃ごとに装填方法が異なるので、最短時間でリロードできるようにすべての銃をまんべんなく練習しておく必要がある
両手で持つとリコイルを抑え、集弾率を向上できる
メニューから所持している武器を持ち替えられる

 フォートナイト的な要素が、壁を作ることだ。前後左右、そして上にも壁を作れる。空からもいきなり敵が攻めてくる本作では、できるだけ遮蔽物で射線を切ることが生き残るための重要なテクニックとなる。

Aボタンを押すと素手になる。その状態でトリガーボタンを引くと壁を作成できる
トリガーボタンを引いている状態で腕の方向を変えれば、壁を作成する場所を選べる。トリガーボタンを離すとその場所に壁が作成される。作成した壁はもちろん登ることが可能だ
壁は一定回数以上の攻撃を受けると破壊される。破壊する方法は銃のみだ
左コントローラのトリガーボタンを引くと、地図が表示される
高速移動すると視野角が狭くなる。筆者はチュートリアルを含めて約40分体験したが、VR酔いはまったく感じなかった

実際にプレイしてみた感想はいかに?

 さて実際にPOPULATION:ONEをプレイしてみた感想だが、序盤の立ち回り方はほかのバトルロイヤルゲームと変わらない。まずは、銃、弾丸、回復アイテム(バナナ、ソーダ)、容量の大きいバックパック(Backpack Upgrade)などの物資を素早く入手する。

 個人的には過疎地に降りたって、装備を十分揃えてから中心地に向かうのが好みだが、あえて激戦地で最低限の武器を入手して、ほかの装備は倒した敵から奪ってもいいだろう。どちらを選ぶかは好みと腕次第だ。

 なお素手で敵を攻撃できるかどうかについては、今回の体験会で確認することを失念していた。ぜひご自身で試してほしい。

ステージに向かうためには飛行ポッドに搭乗する
「LAUNCH」をタッチすると飛行ポッドが発進
金色のEJECTレバーを引くと降下が始まる。飛行ルートは選べないが、ルート上のどこで降りるかは選択できる
着地したら真っ先に物資を探しに行く。今回プレイした際には建物内に物資が落ちていたので、このような広場ではなく建物の近くに降り立ったほうがよさそうだ
安全地帯が少しずつ狭まっていくのもほかのバトルロイヤルゲームと同じ。赤いラインが迫ってくるので、それより先に白いライン内に移動する必要がある
赤いラインの外に出てしまうと、ダメージを受け続けることになる
ソーダとバナナは回復アイテム。ソーダを飲むと、少しずつ体力が回復していく。飲んだ直後の大きなゲップが超リアルだ

 敵と撃ち合いするさいには、スマホのように画面スワイプではなく、実際に腕を動かして敵に照準を合わせることになる。照準が合うとターゲットが黄色から赤色に変化するので、比較的エイムしやすく感じた。ただし、今回はサブマシンガンをメインウェポンとして使ったが、リコイルが結構強かったので、しっかりと両手で握って集弾率を上げたほうがよさそうだ。

 また、スマホやパソコンのバトルロイヤルゲームより、銃器のリロードに時間がかかる。リロード中に身を隠せる場所に陣取るか、あらかじめ遮蔽物となる壁を作っておいたほうがよいだろう。

照準が合っていないときターゲットは黄色のままだ
照準が合うとターゲットが赤色に変わる
敵を倒すと、その周りに装備が散乱する。物資大量補給のチャンスだ
今回運よく、空を飛んでいる敵をショットガンで撃ち落とすことができた。VRでは、実際に身体で向きを変えつつ、腕で照準を微調整できるので、動いている敵も狙いやすい

 今回はせっかくなので「ガンガンいこうぜ」的にOPULATION:ONEをプレイしたのだが、爽快に4人を倒すことができたものの、赤いゾーンによって袋小路に追い詰められたうえに、至近距離での乱戦となってしまい、筆者の死亡をきっかけにチーム3人がすべて倒れることになってしまった。

 いま振り返ってみると、3人でのチーム戦だったにもかかわらず、前衛、後衛などの役割分担をせずに、壁などの遮蔽物もいっさい作らずに戦ってしまっていた。サービス開始時にはしっかり作戦を立てて、リベンジを果たしたいと思う。

自キャラが死亡するとグラフィックがモノクロに変わる
仲間が回復アイテムを持っていれば復活させてもらえるが……
今回は即座にもう一度撃ち倒され、それをきっかけに仲間全員が死亡してしまった。「ELIMINATED」の文字が表示されたらゲームオーバーだ
ゲーム終了後に「SPECTATE(見物人)」モードを選択すると……
上空からその後の戦いを見物できる。生き残ったプレイヤーたちの立ち回り方を今後の参考にできるわけだ。なお今回は一度も見られなかったが、補給物資が空から落ちてくるようだ

Oculus Quest 2などのスタンドアローンVRデバイスでプレイすることを強く推奨

 今回はゲーム中盤でチーム全員が倒れてしまったため、ゲームは実質7分程度しかプレイできなかった。しかし、それでもPOPULATION:ONEがVR専用バトルロイヤルゲームとして非常に完成度が高いことがわかった。

 また、今回の戦いはあまりにも筆者が無謀かつ稚拙すぎたが、チーム全員でしっかりと連携し、壁を作って戦えば、戦術的にも非常に奥が深いであろうことを確信できた。

 たったの1回、しかも約7分しか戦っていないが、毎日「PUBG」をプレイしている筆者は、お世辞抜きでPOPULATION:ONEのトリコになってしまった。本作をプレイ可能なVRデバイスを持っているならマストバイだと自信をもって勧められる。そして、プレイ中に実際の身体の動きがかなり激しくなるので、Oculus Quest、Oculus Quest 2などのスタンドアローンVRデバイスでプレイすることを強く推奨したい。本稿を読んでいる方とPOPULATION:ONEの戦場でお会いできれば幸いだ。

これはパソコン版POPULATION:ONEのトレイラー。Oculus Quest、Oculus Quest 2でプレイするさいにはグラフィックのクオリティが低下する点には留意してほしい。しかし、それがゲーム性をスポイルすることはないので安心してほしい