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Windows 10が1年延命、それでも早めにやっておきたいWindows 11移行ガイド

 2025年10月にサポートが終了し、Windows Updateによる新機能強化やセキュリティアップデートが行なわれなくなったWindows 10。しかしMicrosoftは、Windows 10に対して「拡張セキュリティ更新」(Extended Security Update: 以降ESU)を提供し、1年間の「猶予期間」を設けた。

 2026年6月にESUの期間が1年延長されることが発表され、2027年10月までWindows Updateが提供されるようになったが、それでもあと1年5カ月でWindows 10は安全に利用できなくなる。こうした猶予期間を活用してWindows 11を迎える準備を整えるとともに、実際にWindows 11に移行したときのユーザーインターフェイスの変化などを解説しよう。

PC正常性チェックアプリでWindows 11への対応を確認

 ESUは、サポートが終了したWindows 10に対する救済措置と考えてよい。Windows 10に限らず、セキュリティ対策が不十分なPCでインターネットを利用し続けることは、非常に大きなセキュリティリスクをともなう。しかしESUを適用すれば、Windows Updateを通してセキュリティのアップデートを引き続き受けられる。機能追加こそ行なわれないが、長くWindows 10を利用し、Windows 11へのアップデートの準備が整えられなかったユーザーにとっては非常にありがたいことだ。

 とはいえ、ESUでセキュリティアップデートが提供されるのは、現状では2027年10月までだ。メモリやSSDなどハードウェアコストの上昇は自作PCユーザーの懐を直撃しており、以前よりもさらに厳しい状況が続いてはいるが、2027年10月を過ぎてもESUが継続されるかどうかは不明だ。そもそもメモリやSSDの価格が、あと1年で落ち着くようにも見えない。こうしたさまざまな背景を考えても、早急にWindows 11への移行を検討した方が良さそうだ。

ESUに登録するとセキュリティ更新は受け続けられる
ESUに登録している場合はWindows 10でもWindows Updateでセキュリティの更新ファイルが受信できる

 Windows 11へアップグレードする前にまず確認したいのは、自分が普段利用しているハードウェアやアプリがWindows 11に対応しているかどうかである。これが理由で2025年10月にアップグレードできなかったというユーザーは多いと思われるが、時間が経過したことで対応状況が改善されている可能性は高い。メーカーのWebサイトで告知を確認し、ドライバーやアプリの最新版をチェックしたい。

 次に、今使っているPCがWindows 11に対応しているかどうかを確認しよう。Windows 11では搭載CPUの世代やセキュリティチップの有無などで、利用できるかどうかのかなり厳格なルールを設定している。そしてMicrosoftは、さまざまなチェックを自動で行ない、Windows 11にアップグレードできるかどうかを簡単に確認できる「PC正常性チェックアプリ」を配布している。

PC正常性チェックアプリでアップグレード可能か確かめよう
PC正常性チェックアプリを起動した画面。この画面の中央近くにある「今すぐチェック」をクリックする
Windows 11対応の「Ryzen 5 PRO 4650U」を搭載したレノボの「ThinkPad T14 Gen 1(AMD)」の場合、「このPCはWindows 11の要件を満たしています」と表示される
Windows 11未対応の「Ryzen 5 PRO 2500U」を搭載するレノボの「ThinkPad A485」では、Windows 11のシステム要件を満たしていないと表示される

 PC正常性チェックアプリでWindows 11に対応していることを確認したら、設定アプリからWindows Updateを呼び出し、実際のアップグレード作業を行なおう。なお、Windows 10 HomeはWindows 11 Home、Windows 10 ProはWindows 11 Proといったように、Editionはそのまま引き継がれる。

 Windows 11のシステム要件を満たさないPCに関しては、何らかの対策が必要だ。Windows 11では主にCPUの世代による「足切り」が設定されているため、CPUを交換できないノートPCや小型デスクトップPCでは、ほぼ買い替え一択となる。

 一方で、CPUを換装できるデスクトップPCでは、CPUやマザーボード、メモリなどを買い替えることで対応できるケースはあるので、検討してみるのもいいだろう。

要件を満たしているならアップグレードを実行するだけでOK

 このPC正常性チェックアプリでシステム要件を満たしていることを確認した後に、設定アプリからWindows Updateを実行すると、Windows 11へのアップグレードボタンが表示されているはずだ。このボタンからアップグレードウィザードを開始し、何度か再起動を行なえばWindows 11へのアップグレードは終了する。

実際にWindows 11にアップグレードしてみよう
設定アプリのWindows Updateを開くと、Windows 11へのアップグレードを促す画面が表示される。「ダウンロードしてインストール」をクリックする
Microsoftのソフトウェアライセンスが表示されるので、内容を確認したら「同意してインストール」をクリックする
Windows Updateに戻り、記事作成時の最新バージョンとなるWindows 11 バージョン25H2のダウンロードとインストールが開始される
Windows 11のインストールが終了すると再起動を促されるので「今すぐ再起動する」ボタンをクリックする
Windows 11へのアップグレードが終わってサインインすると、Windows 11のデスクトップが表示される

 Windows 11にアップグレードしても、アカウント情報はそのまま保持される。パスワードはもちろん、PINコードや指紋認証でサインインしていた場合も、同じ方法でサインインできる。また、WebブラウザのEdgeやChromeのお気に入り、ブックマーク、無線LANの設定といったハードウェアの設定も、Windows 10で使ってきたものがそのまま利用できる。

(おすすめしないが)Windows 10に戻すこともできる

 Windows 10のサポートが切れた今となってはまったくオススメできないが、どうしてもWindows 11が肌に合わないということならアンインストールしてWindows 10に戻すことも可能だ。設定アプリの「Windows Update」にある「詳細オプション」から、Windows 11をアンインストールできる。

Windows 10に戻す方法も用意されている
設定アプリの「Windows Update」にある「詳細オプション」をクリックする
「回復」ボタンをクリックする
「復元」欄をみるとWindows 10に戻せるという記述がある。「復元」ボタンをクリックする
ここは何も考えずに「次へ」ボタンをクリックする
Windows Updateで問題が解決するかどうかをもう一度確かめるなら「アップデートの確認」ボタンをクリックしてWindows Updateに戻る。あくまでWindows 10に戻したいなら「行わない」をクリックする
最後の確認ダイアログだ。ここから先は戻れないので、覚悟を決めたら「次へ」ボタンをクリックしよう
復元作業が終わると、Windows 10のデスクトップが表示される

変更が加わったユーザーインターフェイスを確認しよう

 Windows 11にアップグレードしても、普段使っているアプリの操作方法や使用感が変わるわけではない。Windows 10のときと同じようにアプリを呼び出し、利用すればよい。

 ただ、タスクバーやスタートメニュー、エクスプローラーなど、Windowsの基本的なユーザーインターフェイスはかなり変わった。ここに戸惑いがある人もいるかもしれないが、よく見るとそう大きな違いはなかったり、レイアウトが変更されたりしているだけだったりする。簡単な設定変更で使いやすくできるものもある。

 まず、Windows 11のタスクバーでは、スタートボタンやピン留めされたアプリアイコンが中央寄りになった。Windowsでは伝統的に左寄せで配置されていたこともあり、違和感を覚えるポイントの1つだろう。しかし、これは従来通りの左寄せにも変更できる。

タスクバーは中央配置に変わった
Windows 10のデスクトップでは、タスクバーの左にスタートボタンやアプリアイコンがある
一方、Windows 11ではスタートボタンなどが中央寄せで配置されている
タスクバーの設定で左揃えに戻せる
タスクバーの右クリックメニューを開き、「タスクバーの設定」をクリックする
すると設定アプリが開くので、個人設定のタスクバーの設定項目を表示する。「タスクバーの動作」のプルダウンメニューを開き、「タスクバーの配置」を「左揃え」にすると、スタートボタンなどが左寄せで表示される

 スタートメニューのレイアウトも大きく変更された。Windows 10では左から各種機能ボタン、すべてのアプリのリスト、よく使うアプリをピン留めしたタイルという3つのブロックに分かれた構成だった。アプリの起動に特化した構造であり、これはこれで分かりやすい。

 しかしWindows 11では、上からピン留めしたアプリを表示する「ピン留め済み」、よく使うファイルを表示する「おすすめ」、すべてのアプリをカテゴリごとにまとめた「すべて」、そしてアカウントと電源ボタンという構成になっている。「おすすめ」欄から参照頻度の高いファイルをすぐに開けるようになっており、作業を継続する場合に便利な構成だ。

 ただ、アプリ名からアプリを探すくせがあるユーザーにとって、カテゴリによる分類はかなり分かりにくい。そこで、このカテゴリごとの分類を従来の一覧方式に変えてみよう。Windows 10のように縦長にアプリのリストを表示できる訳ではないが、それでも今までと同様にアプリ名を手がかりにして目的のアプリを探せる。

スタートメニューもデザインが刷新
Windows 10のスタートメニューでは、左にインストールされているすべてのアプリ、右にピン留めしたアプリというアプリ中心の構成になっている
Windows 11のスタートメニューではアプリだけではなく、「おすすめ」からよく使うファイルを直接呼び出せるようになった
アプリを一覧表示することもできる
「すべて」の右にあるプルダウンメニューを「ビュー: 一覧」に変更すると、Windows 10のときのようにすべてのアプリを名前順に表示してくれるようになる

 ただ、こうした変更を行なっても戸惑う場面はあるだろう。Windows 11のスタートメニューがアプリランチャーとしてどうしても使いにくいのであれば、いっそのことデスクトップにアプリのアイコンを置いたり、タスクバーにアプリをピン留めしてそこから起動するようにするとよい。

 ファイルの右クリックメニューも変わった。Windows 10では単純に利用できる機能がずらっと並ぶ形式だったが、Windows 11ではよく使う機能をボタンにして一番上に配置した上で、Windows 11の標準機能以外は「その他のオプション」をクリックしないと表示しないようになった。ただしこれについては、Shiftキーを押しながら右クリックすることで、Windows 10と同じ右クリックメニューを直接表示できる。

右クリックメニューは「コピー」などが最上部に移動
Windows 10の右クリックメニューは、利用できる機能をカテゴリごとに並べるタイプ
Windows 11では上にファイル操作関係のアイコンを配置するとともに、システム関係の機能を並べている
Shiftキー+右クリックで従来メニューに
Shiftキーを押しながら右クリックメニューを表示すると、Windows 10のときと同じような表示になる

 このようにWindows 11のユーザーインターフェイスは、Windows 10と比べるといろいろと手が加えられている。個人的には、使いやすくなる方向で改良されているところが多いと感じていて、いわば慣れの問題でもあるので、1日でも早く使い始めて慣れてしまう方が得だろう。

 また、どうしても「慣れない」部分に関しては、今回紹介したようなテクニックを使って「昔に戻す」こともできる。ESUの期限が切れることにおびえるくらいなら、Windows 11にアップグレードして安心してPCを使いこなしていきたい。