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USB4やThunderbolt 5も揃ってきた!今おすすめのType-Cドック

 最近のPCはほぼUSB Type-C端子を装備している。PCの拡張性を高めたいと考えている人はUSB Type-Cに対応したドッキングステーション(ドック)に注目してみよう。USB Type-C端子はもともと拡張性を強く意識して設計された端子で、電力出力が標準で15Wと大きく、ドッキングステーションを利用すれば、USB端子の数を増やすだけでなく、カードリーダや有線LAN端子、映像出力端子など、多くの端子を増設できる。

 ドッキングステーションは、現在、高速かつ高機能なThunderbolt 5/4またはUSB4に対応した高価な製品と10Gbps以下のUSB Type-C接続で比較的安価な製品の2つに大きく分けられる。今回はそれぞれ4製品ずつ、計8つのおすすめ製品を紹介する。

ドッキングステーションの選び方

 ドッキングステーション選びで失敗しないためには、自分の必要とする端子の有無の確認が重要となる。たとえば、10Gbpsで接続可能な外付けSSDを利用したいのに、ドッキングステーションが5GbpsのUSB端子しか装備していなければ、せっかくの性能を十分に発揮させることができないからだ。

 まずはドッキングステーションに搭載される主なインターフェイスを整理しておくので、自分が必要とする端子の規格などを確認してみよう。

USB系インターフェイス

ThunderboltとUSBの主な仕様
インターフェイス端子形状転送速度USB PD(Power Delivery)映像出力(DisplayPort)
Thunderbolt 5USB Type-C最大120Gbps
(Bandwidth Boost時)
最大80Gbps
(双方向)
○: 最大240W ※1○: 最大8K/120Hz ※3
Thunderbolt 4USB Type-C最大40Gbps
(双方向)
○: 最大100W ※1○: 最大8K/60Hz ※3
USB4 Version 1.0USB Type-C最大40Gbps
(双方向)
○: 最大100W ※1○: 最大8K/60Hz ※3
USB 3.2 Gen 2x2USB Type-C最大20Gbps
(双方向)
△: 最大100W ※2△: 最大8K/60Hz ※4
USB 3.2 Gen 2USB Type-C最大10Gbps
(双方向)
△: 最大100W ※2△: 最大8K/60Hz ※4
USB 3.2 Gen 1USB Type-C最大5Gbps
(双方向)
△: 最大100W ※2△: 最大8K/60Hz ※4

※1 実際の出力W数は機器により異なる
※2 対応の有無、実際の出力W数は機器により異なる
※3 機器の仕様で異なる
※4 対応の有無、仕様は機器で異なる

 現在、USB Type-Cのドッキングステーションステーションに搭載されている可能性があるUSB系インターフェイスを表にまとめた。Thunderbolt 5は単方向では最大120Gbps、双方向では最大80Gbpsの転送に対応。Thunderbolt 4とUSB4(Version 1.0)は最大40Gbps(双方向)に対応する。

 ただし、ドッキングステーションの各端子の転送速度は各製品で異なるので注意が必要だ。各端子の最大転送速度は仕様表で必ず確認しよう。

 なお、これらのインターフェイスはUSB PD(Power Delivery)と映像出力にも対応している。USB PDの対応電力出力量と映像出力の最大解像度も各製品で異なるので、こちらも要確認だ。

 Thunderbolt 5、Thunderbolt 4、USB4以外のUSB規格の転送速度は表の通り。Thunderbolt 5、Thunderbolt 4、USB4以外のUSB Type-C端子でもUSB PDと映像出力をサポートできるが、オプション扱いとなるので、製品によって対応の有無が分かれる。USB PDの対応電力出力量と映像出力の最大解像度も各製品で異なるので要確認だ。

カードリーダ

対応カードの形状
形状寸法
SD32×24×2.1mm
microSD/TF(TransFlash)15×11×1mm
容量規格
規格容量
SD~2GB
SDHC2GB~32GB
SDXC32GB~2TB
SDUC2TB~128TB
バスインターフェイス
規格最大転送速度
SD1.012.5MB/s
High Speed(SD2.0)25MB/s
UHS-Ⅰ(SD3.0)104MB/s
UHS-II(SD4.0)312MB/s
UHS-III(SD5.0)624MB/s
SD Express(SD7.0/8.0)3,940MB/s

 現在、ドッキングステーションに搭載されているカードリーダはSDカード対応のものがほとんど。SDカードリーダのチェックポイントは「形状」「容量規格」「バスインターフェイス」だ。microSDカード対応のスロットはTF(TransFlash)対応と表記されていることもあるので要注意。TFはサンディスクが開発した規格で現在はSD規格に統合されており、カードリーダにTF対応と書かれていればmicroSDカードが利用できる。

 高速なSDカードを利用したい人はバスインターフェイスに要注目だ。500MB/s以上の高速SDカードを利用するにはUHS-III以上の規格に対応している必要がある。

映像出力

映像出力端子の規格最大解像度
HDMI 2.04K/60Hz
HDMI 2.18K/60Hz、4K/120HZ
DisplayPort(DP) 1.24K/60Hz
DisplayPort(DP) 1.3/1.48K/60Hz、4K/120HZ

 現在、ドッキングステーションに搭載されている映像出力端子は表の通りだ。規格により最大解像度が異なるので要注意。映像出力端子を複数持つ製品は、接続するモニターの台数で最大解像度が変わるので、その点もよく確認しておく必要がある。

 そのほか、有線LANの有無と対応規格、ヘッドフォン出力やマイク入力などのオーディオポートの有無なども要チェックだ。

14ポートを装備したThunderbolt 5対応ハイエンドモデル
Anker Prime ドッキングステーション(14-in-1, 8K, Thunderbolt 5)

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価格: 5万円前後●Thunderbolt 5(アップストリーム、120Gbps、最大140W)●Thunderbolt 5ダウンストリーム(80Gbps、最大15W、最大8K/60Hz)×2●USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)×2(2ポートの合計で最大45W)●USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×1、USB 3.2 Gen 2 Type-Aポート(10Gbps)×2●DisplayPort 1.4(最大8K/60Hz)●HDMI 2.1(最大8K/60Hz)●2.5Gigabit Ethernet●SDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●microSDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●オーディオ入出力●サイズ: 約116×116×75mm●重量: 約1,086g

 Thunderbolt 5ポートを3つ(うち1つはPCと接続するアップストリーム)搭載したAnkerの最上位モデル。Thunderbolt 5対応のPCには最大140Wの電力供給が可能。5つのUSBポートはType-C、Type-Aともに10Gbpsに対応するので高速SSDなどを多数台接続できる。そのほか、映像出力ポートや有線LANポート、SDカードリーダなどを装備しており、さまざまな機器を接続できる。GaN(窒化ガリウム)を採用したACアダプタを本体に内蔵しているため、デスク周りをすっきりと整理できる点も本製品の魅力だ。

Thunderbolt 5ポートを3つに拡張可能な13ポート搭載モデル
UGREEN Revodok Max 2131 Thunderbolt 5 13-in-1 Docking Station 140W

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価格: 6万円前後●Thunderbolt 5(アップストリーム、120Gbps、最大140W)●Thunderbolt 5ダウンストリーム(120Gbps、最大30W、最大8K/60Hz)×1●Thunderbolt 5ダウンストリーム(120Gbps、最大15W、8K/60Hz)×2●USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps、最大20W)×1●USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×2、USB 3.2 Gen 1 Type-Aポート(5Gbps)×2●2.5Gigabit Ethernet●SDカードスロット(最大312MB/s)※●microSDカードスロット(最大312MB/s)※●オーディオ入力●オーディオ出力●サイズ: 約116×116×75mm●重量: 約1,086g ※最大対応容量は非公表

 「UGREEN Revodok Max 2131 Thunderbolt 5 13-in-1 Docking Station 140W」は、PCのThunderbolt 5ポートを3つに増やせるハイエンドモデル。Thunderbolt 5のほか、USB Type-CとType-Aポートを合計5基搭載するなど拡張性が抜群に高い上、SDカードリーダや2.5Gigabit Ethernet端子も装備する。HDMI、DisplayPortといった映像出力端子は搭載していないが、モニターはThunderbolt 5で接続できる。高価ではあるものの、それだけの価値がある逸品だ。

14ポートを装備したThunderbolt 4対応モデル
エレコム DST-W13

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価格: 3万7,000円前後●Thunderbolt 4(アップストリーム、40Gbps、最大入力150W、最大出力96W)●Thunderbolt 4ダウンストリーム(40Gbps、最大15W、最大8K/30Hz)×1●USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps、最大30W)×1●USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×2、USB 3.2 Gen 1 Type-Aポート(5Gbps)×2●DisplayPort(最大8K/30Hz)×2●HDMI(最大8K/30Hz)●2.5Gigabit Ethernet●SDカードスロット(最大2TB)※●microSDカードスロット(最大2TB)※●オーディオ出力●サイズ: 約225×85×22mm●重量: 非公表

 エレコムの「DST-W13」は、Thunderbolt 4に対応、ノートPCに最大96Wの電力供給が可能なドッキングステーション。5つのUSBポート(うち3つが10Gbps対応、2つが5Gbps対応)、有線LANポート、SDカードリーダなどを装備しており、多彩な機器を接続できる。映像出力はThunderbolt 4に加え、DisplayPort2つとHDMIを装備、最大4台のモニターに同時出力ができる。なお、2~4台のモニターに同時出力する場合は最大解像度は4K/60Hzになる。

Thunderbolt 4に対応した10in1ドッキングステーション
サンワサプライ 400-VGA027

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価格: 4万3,000円前後●Thunderbolt 4(アップストリーム、40Gbps、最大96W)●Thunderbolt 4ダウンストリーム(40Gbps、最大15W、最大8K/30Hz)×2●USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×4●HDMI(最大8K/30Hz)●2.5Gigabit Ethernet●SDカードスロット(最大1TB)※●オーディオ入出力●サイズ: 200×75×31mm●重量: 約440g ※最大転送速度は非公表

 サンワサプライの「400-VGA027」は、PCのThunderbolt 4ポートを2つに増やせるほか、10Gbps対応のUSB Type-Aポートを4つ、HDMI、有線LANポート、SDカードリーダなどを増設できる10in1モデル。

 PCと接続するThunderbolt 4アップストリームポートからは最大96Wの電力供給が可能。データ通信を行ないながらノートPCを充電できる。Thunderbolt 4とHDMIを合わせて最大2台のモニターに映像出力が可能(2台同時接続時の最大解像度は4K/60Hz)だ。

14の機能を1つにまとめたUSB Type-Cドッキングステーション
Anker Prime ドッキングステーション(14-in-1, Dual Display, 160W)

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価格: 3万円前後●USB 3.2 Gen 2 Type-C(アップストリーム、10Gbps、最大100W)●データ転送専用USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)×2●データ転送専用USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×1●データ転送用USB 2.0 Type-A(480Mbps)×3●充電専用USB Type-C(最大出力100W)×2●充電専用USB Type-A(最大出力12W)×1●HDMI(最大4K/60Hz)×2●1Gigabit Ethernet●オーディオ出力●サイズ: 140×97×47mm●重量: 約888g

 「Anker Prime ドッキングステーション(14-in-1, Dual Display, 160W)」は、最大100W出力に対応したUSB 3.2 Gen 2 Type-Cアップストリームポートに加え、充電専用のUSB Type-Cポート(最大100W)2つとUSB Type-Aポート(最大12W)を搭載、合計で最大160Wの高出力で4台の機器を同時充電可能な14in1ドッキングステーション。

 データ転送用として、2つの10Gbps対応USB Type-Cなど6つのUSBポートを搭載しており、周辺機器を多数台接続することが可能。映像出力は4K/60Hz対応のHDMIポートを2つ搭載している。

6千円で導入できる低価格モデル
エレコム DST-W03

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価格: 6,000円前後●USB 3.2 Gen 2 Type-C(アップストリーム、10Gbps、最大入力100W、最大出力85W)●データ転送専用USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)×1●充電専用USB Type-C(最大85W)×1●USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×2(2つのポートで合計最大15.2W出力に対応)●USB 3.2 Gen 1 Type-A(5Gbps)×2(2つのポートで合計最大15.2W出力に対応)●HDMI(最大4K/60Hz)×1●1Gigabit Ethernet●SDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●microSDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●サイズ: 135×54×16mm●重量: 非公表

 エレコムの「DST-W03」は、10Gbps対応USBポートを3つ(うち1つはType-C)と5Gbps対応のUSBポートを2つ搭載するほか、HDMI、有線LANポート、SDカードリーダとmicroSDカードを搭載。比較的低価格ながら高い拡張性を持つことが特徴。電源として別途USB PD対応の充電器を用意する必要がある点は注意。できるだけ少ない予算でPCの拡張性を高めたい人は要注目の製品だ。

スマホのワイヤレス充電に対応した多機能モデル
j5create JCD3199-EJ

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価格: 1万8,000円前後●USB 3.2 Gen 2 Type-C(アップストリーム、10Gbps、最大100W)●電力入力専用USB Type-C(最大140W)●USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)×1●USB 3.2 Gen 1 Type-C(5Gbps)×1●USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×1●USB 3.2 Gen 1 Type-A(5Gbps)×1●HDMI(最大4K/60Hz)×1●HDMI(最大4K/30Hz)×1●1Gigabit Ethernet●SDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●microSDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●オーディオ出力●マグネット式ワイヤレス充電パッド(最大15W)●サイズ: 130×130×43.5mm●重量: 約416g

 j5createの「JCD3199-EJ」は、MagSafe対応のマグネット式ワイヤレス充電パッドを搭載した多機能ドッキングステーション。USB PD充電器(別売)で専用ポートから60W以上の電力を入力すれば、Qi対応のスマホなどは最大15Wで、MagSafe対応のiPhoneは最大7.5Wでワイヤレス充電ができる。

 そのほか、10Gbps対応のUSBポートと5Gbps対応のUSBポートを2つずつ搭載、HDMIやSDカードリーダ、有線LANポートなど、主な機能は一通り押さえられている。ワイヤレス充電器とUSBハブなどを一まとめにして机周りをすっきりさせたいという用途に適している。

M.2 SSDを搭載できる12in1モデル
ORICO USB C ハブ M.2 SSDケース M2P11

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価格: 1万2,000円前後●USB 3.2 Gen 2 Type-C(アップストリーム、10Gbps、最大85W)●電力入力専用USB Type-C(最大100W)●USB 3.2 Gen 2 Type-C(10Gbps)×1●USB 3.2 Gen 2 Type-A(10Gbps)×1●USB 3.2 Gen 1 Type-A(5Gbps)×2●DisplayPort(最大8K/30Hz)●HDMI(最大8K/30Hz)●1Gigabit Ethernet●SDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●microSDカードスロット(最大2TB、最大104MB/s)●オーディオ入出力●M.2((Type 2280/2260/2242/2230、PCIeまたはSATA、最大8TB)●サイズ: 135×65×30.2mm●重量: 非公表

 「ORICO USB C ハブ M.2 SSDケース M2P11」は、8TBまでのPCIe(NVMe) SSDまたSATA SSDに対応した外付けSSDケース機能も持つ12in1モデル。冷却ファンを搭載しており、高速なPCIe SSDも安心して搭載できる。

 そのほか、10Gbps対応のUSBポートと5Gbps対応のUSBポートを2つずつ搭載、2種類の映像出力ポート、SDカードリーダを搭載するなど多彩なインターフェイスを持つ。電力は専用のUSB Type-C端子からUSB PD充電器(別売)で入力する。