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Ctrl+Tとか使ってる?日本語入力が超便利になるMS IMEのワザ3選
2024年2月1日 06:14
日本語入力をどれだけすばやくできるか? それは、PCでの作業効率化を追求するにあたって最重要のテーマです。キーボードの文字配置が指に染みついているなら、次はぜひWindows標準の日本語入力機能である「Microsoft IME」の使いこなしにチャレンジしてみてください。Ctrlと別のキーの同時押し、あるいは意外なキーをポンと一押しするだけで、便利な機能が発動しますよ。
今回は、Windows 11でMicrosoft IMEを使った場合の機能について、おすすめの4つ+αを厳選して紹介します。なお、同じくメジャーな日本語入力ソフトである「ATOK」や「Google 日本語入力」で同等の機能が使えるかについても言及していますので、ご参考まで。
本稿で紹介する内容は、Windows 11 Proの23H2バージョンで主に検証しています。加えて、Windowsの設定画面では「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」はオフとしています。
また、各機能が動作するかは、どのアプリを使っているか、どんな入力状態かによっても変化しますのでご注意ください。特記なき限り、本稿ではWindows 11標準のメモ帳で動作確認しています。
(1) 【Ctrl+T】入力文字を半角英数へ変換
(2) 【変換】確定を取り消して直前の文節を未変換に戻す
(3) 【範囲指定+変換】入力文字の再変換
(4) 【Tab】変換候補の表示数を増やす
(5) まとめ
【Ctrl+T】入力文字を半角英数へ変換
まずは定番中の定番機能から。たとえば「group」と入力したいのに、日本語入力がオンのまま該当キーをタッチしていくと、「gろうp」となってしまい、そこからスペースキーを押しても「g労p」くらいにしか変換できません。
この場合、確定操作を行なう前(Enterキーを押したり、別の文字を入力する前)にCtrl+Tと入力しましょう(Ctrlキーを押しながら、Tキーを1回押す)。すると「group」へ変換されます。つまり、入力文字を半角英数へと直接変換できるのです。
もちろんおなじみのF10キーを押すことで半角英数になりますが、右手を伸ばさなければならず、よほど慣れていない限り、キーを見ずに押すのは難しいでしょう。Ctrl+Tなら画面を見たままでも押せます。
ちなみにCtrl+Tを押すごとに、group→GROUP→Group→group……(全部小文字→全部大文字→先頭文字のみ大文字→全部小文字……を繰り返す)へと切り替わっていくので、英単語の先頭文字だけを大文字にすることも可能です。
また数字が混ざっても大丈夫。「gろうp11」と入力してもCtrl+Tで「group11」になります。
このショートカットはGoogle日本語入力でも機能します。なおATOKではCtrl+@で、ほぼ同等の操作ができます。
なお、Ctrl+Iを押すとカタカナに変換されるので、合わせて覚えておきましょう。F7まで手を伸ばす必要がないのでこちらも便利です。
【変換】確定を取り消して直前の文節を未変換に戻す
変換ミスは日本語入力で常に起きうる問題です。たとえば「優勝」と入力したいのに、スペースキーを押す回数を間違えて「有償」「勇将」で確定してしまったらどうするでしょう? 削除のためにBackSpaceキーを数回押し、「ゆうしょう」と打ち直して変換をやり直す……というのがよくあるパターンです。
Microsoft IMEをはじめ、ATOKやGoogle日本語入力でも、Enterキーでの確定直後(カーソルキー等を一切動かさない状態)にCtrl+BackSpaceと入力すると、確定直前状態に戻る、言わば“アンドゥ”機能がありました。しかしMicrosoft IMEの現行バージョンでは、この操作が使えなくなっています。
ですがここであきらめないでください。確定直後に「変換」キーを押してみると、どうでしょう? カーソルキー直前の文字が変換可能な状態に戻ったはずです。
ただし「桃太郎の鬼退治」のようにやや長めの文章だと「退治」だけが未変換に戻るため、期待の挙動とは若干異なるかもしれません。それでもこの機能を知っているといないでは大違い。Windows 11時代の新たなアンドゥ機能として、ぜひ覚えておくべき機能です。
【範囲指定+変換】入力文字の再変換
実は「変換」キーの真骨頂はここから。Microsoft IMEがオンかオフに関わらず、文字列をShift+カーソルキーなりマウスドラッグなりで範囲指定して、変換キーを押しましょう。これで再変換ができます。たとえば「新刊」と入力された文字列があったら、文字キーには一切触れずに「新館」「神官」へと変換できるのです。
前項で紹介したような、IME入力での確定直後でなくとも、この操作は有効。利用シーンも極めて広く、Word、メモ帳アプリ、ブラウザのURL入力欄など大概のアプリで機能します。
ちなみに範囲指定せずに変換キーを押すと、カーソルキー前後の文字列の状況に応じて、再変換対象がOS側で自動調整されます。ですので、前項で確定アンドゥと説明した仕様は、本来は「範囲未指定での変換キー押下」と見たほうが納得がいくでしょう。
Windowsの日本語入力においては、漢字の変換にはスペースキーを使うケースがほとんど。そのキー表記とは裏腹に、「変換」キーは出番が少なく、まったく触ったことがないという人もいるかもしれません。
ですが、この再変換は本当に便利かつ強力な機能です。ATOKでもGoogle日本語入力でも動作しますから、たとえば文字校正中に変換ミスを発見した場合の修正などで、大いに威力を発揮するはずです。これからの時代、ぜひ変換キーを使いこなしましょう(ATOKにおける再変換はShift+変換)。
【Tab】変換候補の表示数を増やす
読みが「しょう」の漢字は非常に多いです。たとえば人名で「翔」を入力しようとした時、変換候補が多すぎてなかなか見つからないということはありませんか?
こうした場合は、変換候補を表示している最中にTabキーを押しましょう。するとMicrosoft IMEでは「テーブルビュー」という状態になり、通常なら最大9個の候補表示が、4倍の36個にまで増加します。
スペースキーを9回ほど押せばテーブルビューには自動移行しますが、Tabキーならこれを任意のタイミングで切り替えられるのがミソ。PgUp/PgDnキーで変換候補をページ単位で送ったり戻したりするより便利かも?
なおATOKでは、変換時にCtrl+Spaceを入力すると、候補表示数が最大35個になる「全候補表示」という機能があります。
【お詫びと訂正】記事初出時、ATOKには変換候補の表示一覧を広げる機能がないと記述していましたが誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。
まとめ - とにかくまずは「Ctrl+T」を! 慣れてきたら「再変換」も試して
最後に、本稿で紹介した3つ(+α)のショートカット・機能をまとめましょう。
- 【Ctrl+T】入力文字を半角英数へ変換
- 【変換】確定を取り消して直前の文節を未変換に戻す
- 【範囲指定+変換】入力文字の再変換
- 【Tab】変換候補の表示数を増やす
1つ目のCtrl+Tは、IMEの状態オン/オフを間違えたままでの入力ミスを、瞬時にカバーできるという意味で特に有用です。
そして2つ目・3つ目のテクニックで用いる「変換」キーは、知らなきゃ損! な機能へと進化していました。現行のMicrosoft IMEではCtrl+BackSpaceキーによる確定アンドゥが機能せず、さらに範囲指定しての再変換がとにかく実用的なことを考えれば、なるべく積極的に使いたいところです。
このほかにも、Ctrlキーと別のキーの同時押しによるショートカット機能は沢山あります。むしろ、ありすぎて何が便利か最初のうちは分からないかもしれません。
ですのでまずは“とにかくCtrl+T”。ここから始めて徐々にステップアップし、慣れてきたらCtrl+Iでのカタカナ変換なども試してみてください。