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覗き見防止フィルタって実際どうなの?Amazonで3千円くらいの4製品を買って試してみた
2023年11月4日 06:47
ノートPCを外で使っていて気になるのが他人の目。個人情報を屋外で表示しないようにしていたとしても、メールやメッセージをチェックしたり、通販サイトやネットバンキングを利用したり、はたまた公序良俗に反しないがちょっと趣味に走り過ぎたコンテンツなどを見たくなることもある。
そんなときに役立つのが「覗き見防止フィルタ」だ(プライバシーフィルタや覗き見防止フィルムなどとも呼ばれる)。今回はAmazonで販売されている3千円くらいの覗き見防止フィルタを4製品購入してみたので、どれくらいの効果があるのか、そしてそれぞれ違いがあるのかをレビューしていこう。
覗き見防止フィルタは視認性を保ちつつ、視野角を制限する
覗き見防止フィルタには細かい縞模様状に配置された遮光部(マイクロルーバー)により、光の方向を正面に制限するという技術が使われている。マイクロルーバー自体は髪の毛1本と同じぐらいの太さで、正面からは視認性を確保しつつ、視野角を約60度に制限することで覗き見を防いでくれるのだ。
メリットは覗き見を防ぐことだけではない。一般的な画面保護フィルムと同じく、画面への傷を予防でき、ブルーライトカット、紫外線カットなどの効果を謳う製品もある。また現行製品の多くが、光沢(グレア)と非光沢(アンチグレア)のリバーシブルに対応しており、好みの表面加工を選択可能だ。
デメリットは輝度が下がり、発色にも多少の影響があること。また、メリットの裏返しではあるが、視野角が狭くなることにより、頭の位置を動かすと画面の見え方がわずかに変わる。覗き見防止フィルタを貼ることで輝度が下がり、それに応じて画面の明るさを上げたら、バッテリ駆動時間も短くなることだろう。
とは言えこのデメリットも、マグネット式の覗き見防止フィルタであれば、必要に応じて脱着するという運用で避けられる。覗き見防止フィルタは比較的安価なPC向け周辺機器だ。費用対効果は高いと言えよう。
購入した覗き見防止フィルタ4製品
今回、下記の4製品をレビュー用に購入した。最初の3つは画面サイズが13.3型、アスペクト比が16:10のディスプレイ向けの汎用品。最後の1つはM1搭載13インチMacBook Air、M1/M2搭載13インチMacBook Pro用の専用品だ。
製品名 | 価格 | 視野角 | 表面 | 硬度 | 装着方法 |
---|---|---|---|---|---|
LOE 13.3インチ 16:10 覗き見防止フィルム | 3,300円 | 60度 | リバーシブル | 3H | 直貼り |
LOE 13.3インチ 16:10 覗き見防止フィルム(マグネット式) | 3,430円 | 60度 | リバーシブル | 3H | 磁力 |
LuFiYa 13.3インチ 16:10 覗き見防止フィルター | 2,699円 | 60度 | リバーシブル | 4H | 直貼り |
M1搭載13インチMacBook Air、M1/M2搭載13インチMacBook Pro用覗き見防止くん | 2,980円 | 60度 | リバーシブル | 3H | 磁力 |
※価格は購入時のものです
視野角が60度、光沢と非光沢のリバーシブルという点は共通。装着方法は直貼りとマグネット式の2種類。またすべての製品でブルーライトカット機能が謳われているが、LuFiYa製のみ紫外線カット機能と、硬度が4Hとされている。
専用品の「覗き見防止くん」は上部と下部のマグネットによりディスプレイに固定する。ほかの覗き見防止フィルタには両面テープが同梱されており、隅に貼ることでディスプレイに貼り付ける。ちなみに「LOE 13.3インチ 16:10 覗き見防止フィルム(マグネット式)」は磁石が付いているのが上部のみ。そのため、下部に貼り付ける両面テープが含まれているわけだ。
最初に使い勝手をお伝えしておくと、やはりマグネット式の専用品のほうが上だ。何回でも脱着できるし、Webカメラの部分だけに穴が空いており、ほぼ全面をカバーできる。また汎用品はサイズがピッタリなので、正確に貼り付けないと隙間から洩れる光が気になる。
専用品はある程度台数が出ている製品でなければ発売されていない。しかし個人的には、多少高くても専用品を購入することをおすすめする。ちなみに今回は専用品のほうが安かった。量産効果が出るほど、MacBookは売れているのだろう。
ベルモンド「M1搭載13インチMacBook Air、M1/M2搭載13インチMacBook Pro用覗き見防止くん」
実際に使い比べてみる
それでは本題だ。今回、M1搭載13インチMacBook Airに4製品の覗き見防止フィルタを貼り、ターンテーブルに乗せて見え方を動画で比較してみた。なお今回は、すべての覗き見防止フィルタで光沢(光沢)側を使用している。
単独で見ていると違いはまったく分からなかったが、横並びにすると明らかに「覗き見防止くん」の視野角が広い。「覗き見防止くん」は、画面が見え出すのが早く、画面が黒く消失するのが遅い。ほかの3製品については今回検証したかぎり違いはないようだ。
しかし「覗き見防止くん」の視野角が広いと言っても、その差はわずか。角度にすれば数度の違いに過ぎない。覗き見を防止するという用途において、実用上問題はないと考える。
回転させて比較
画面保護も兼ねるなら多少出費が増えても「覗き見防止フィルタ」を選びたい
「覗き見防止フィルタ」は1つの目的に注力した製品だが、画面保護、ブルーライトカット、映り込み低減などの恩恵も受けられる。輝度、発色などへの影響を心配している方も多かったと思うが、正面からであれば付けているのを忘れてしまう程度の違いだ。
個人的にはこれまでノートPCには非光沢の画面保護フィルムを貼ってきた。しかし、今後は多少出費が増えるとしても「覗き見防止フィルタ」を選びたい。