やじうまPC Watch

生体ウェアを使った運送ドライバー居眠り防止システムを実験

実験のイメージ

 株式会社NTTデータMSE、株式会社NTTドコモ、京都大学、熊本大学らは、心拍数などの生体情報を取得できる「hitoe」ウェアを活用した運送会社のドライバー向け眠気検知システムの実証実験を開始したと発表した。

 hitoeは東レ株式会社とNTTドコモが開発したナノファイバー生地に高伝導性樹脂を特殊コーティングしたインナーで、一見では普通のTシャツにしか見えないが、NTTドコモ製のhitoeトランスミッターを通して心拍数、加速度、心電波形を測定できるという特徴を持つ。トランスミッターはBluetooth接続でスマートフォンなどと通信可能で、着用者の生体データを転送できるようになっている。

 今回、京都大学と熊本大学が共同開発した眠気検知アルゴリズムを搭載したスマートフォン用アプリを活用し、運送会社の協力の下、実際にドライバーにhitoeを着用してもらい、眠気感知システムの有用性を検証する。眠気検知アルゴリズムは多変量統計的プロセス管理という工学的手法を用いて心拍間隔の平均や副交感神経の活性度など、8種類の心拍変動指標から、正常時および眠気発止時の心拍パターンを判断するというもの。

 hitoeを着用したドライバーに異常があった場合は、本人だけでなく管理者にもアラートが発せられ、ドライバーの居眠り運転を未然に防ぐようにサポートを行なう。

 将来的には取得した心拍データをクラウド上に蓄積し、管理者が過去の心拍データとの比較や傾向を把握する機能や、車載器などから取得した白線逸脱といった操作情報、心拍変動指標を連携した統合的なデータを解析するアルゴリズムを開発し、より一層の高度化を目指す。

(中村 真司)