やじうまPC Watch

「AMD B650で作った“拡張カード”はIntelでも使える」。お前は何を言っているんだ?

 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ。

 「おれはAMD B650チップセットがマザーボードに使われるものだと思ったら、Intelでも使える拡張カードに使われていた」

 な、何を言っているのかわからねーと思うが……。

 ことの発端は、中国の動画プラットフォームbilibiliでwesd氏が2025年末に公開した動画。その内容によれば、「AMDのチップセットは標準的なPCIeデバイスとして認識されるため、任意のプラットフォームで使える。そのため、オープンソースでサウスブリッジとして使う拡張カードを開発した」というのだ。

 具体的にいうと、AMDのAM4プラットフォーム以来、X570(これはRyzenに内包されているものを切り出したもの)を除いて、サウスブリッジはすべて台湾ASMediaに委託して開発したものとなっている。マザーボードの下位モデルに至っては、CPUに内包されるもののみで動作し、サウスブリッジなしのものも存在する。この点はIntelと大きく異なる。

 そこでwesd氏は、「AMDのCPUがチップセットに依存せず動作するのなら、チップセットもCPUに依存しないのでは?」という発想で開発に至った。

 実は以前、ASRockはB650を拡張カードの形状にして、「B650のマザーボードをX670にする拡張カード」の技術デモをしたことがあるのだが、このカードは一般小売されていないため、作者は自らの考えを検証はできなかった。

 できないのなら作ってしまえ……と1年前からハードウェアのマニュアルを読みつつ制作し、完成したのがカードが「Promontory 21」のだが、肝心なファームウェアがないため、SATA以外は正常に動作しなかった。一般的に、B650のファームウェアはマザーボードのBIOSの中にバンドルされているからだ。

 すると、「2023年にBIOSのBINファイルからASMediaのファームウェアを分離させるソフトウェアを書いた」というユーザーが登場。そしてその抽出したファームウェアをSPIフラッシュに書き込み、B650の“バックドア”とも言えるSPIフラッシュ信号線につないだところ、見事に動作した。そして“念願”のIntelプラットフォームでの動作も実現したそうだ。

 ちなみにwesd氏が開発した拡張カードPromontory 21の機能だが、

  • USB 3.2 Gen 2x2
  • SATA 6Gbps 4基
  • PCIe 4.0 x4 M.2 2基

となっている。設計図はCC BY-NC-SA 4.0ライセンスで公開されており、仮に自身で再現する場合のパーツのコストは300人民元(約7,000円)程度だ。なお、ライセンスの問題からか、ファームウェアは公開されていない。