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「ミウラ折り」の強さを14歳学生が実証。自重の1万倍以上を支えられることも

 Thermo Fisher ScientificおよびSociety for Scienceは10月28日、自重の最大1万倍の耐荷重を実現する折り紙構造を実証したとして、14歳の学生Miles WuさんにThermo Fisher Scientific ASCEND Awardを贈呈した。本賞は中学生対象のコンテスト「Thermo Fisher Scientific Junior Innovators Challenge」で授与されるもので、賞金は2万5,000ドル。

 Wuさんは、平らに折りたためて、スムーズに展開できる折り方「ミウラ折り」に着目して、折り目の間の幅/高さ/角度/紙の厚さ(面積あたりの重量)が異なる54種類のパターンを実験。5インチ(約12.7cm)の幅を設けたガイド枠の間に折った紙を設置して、重りを載せていくことで耐荷重を検証した。

 その結果、パネルの幅や高さが小さく、折り目の角度が急であるほど、強度重量比が高くなることが実証された。また、厚手の紙よりも薄い紙の方が自重に対する耐荷重に優れ、実験したパターンの中では最大で1万673倍もの重量を支えられることが示された。

 ミウラ折りは、三浦公亮氏が考案し、人工衛星の太陽光パネル展開など宇宙工学分野でも活用されている技術だ。Wuさんは、携帯性と強度を兼ね備えたミウラ折りの特性が、災害時の展開式シェルターに応用できると考え、今回の研究に取り組んだ。