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月面に再び人を届ける「アルテミス計画」。無人試験飛行ミッションが今夜開始

 米NASAは、月面着陸や探査を目指す「アルテミス計画(Artemis missions)」の第1弾となる「Artemis I」を29日(米国時間)より開始すると発表した。ロケットの打ち上げウィンドウは8時33分(日本時間の29日21時33分)。

 アルテミス計画は、アポロ計画に続く有人宇宙飛行による月面着陸/探査計画。女性および有色人種の飛行士による史上初の月面着陸実現などを目指している。

 今回のArtemis Iは、Orion宇宙船、SLS(Space Launch System)ロケット、地上システムを含めた深宇宙探査の統合試験で、打ち上げ後、無人飛行にて月周回軌道を航行したのち、地球への帰還および回収を行なう。帰還する際の再突入時の熱シールドの実証実験や、ミッションの全フェーズにおける各種運用やシステムの検証、着水後の回収などを主要な目的とし、ミッション所要時間は42日と3時間20分、ミッション距離は約210万kmを予定している。

 OrionとSLSロケットには10機のCubeSatが積載され、実験や調査に向けてミッション中に展開される予定。月面に着陸し環境調査を行なう「OMOTENASHI」(JAXA)や、地球・月のラグランジュ点に向けて航行し軌道制御技術の実証実験を行なう「EQUULEUS」(東京大学/JAXA)といった日本の機関のものも含まれる。そのほか、将来の有人飛行に向けたテスト用マネキンや放射線を測定する各種センサーなども搭載される。