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KFC、鶏の細胞と植物材料で3Dプリントした「バイオミート」のチキンナゲット

~秋にはロシア・モスクワで発売予定

現在のロシアKFCのチキン。秋には"バイオミート"のナゲットが加わる

 ファストフート大手のKFCは16日(ロシア時間)、ロシアの3D Bioprinting Solutionsと協力し、鶏の細胞と植物材料を3Dバイオプリント技術によって代替肉「バイオミート」に生成する技術の研究を始めたと発表した。

 同製品は「世界初の『研究所で作られたチキンナゲット』」で、KFCは3D Bioprinting Solutionsにパン粉やスパイスなどのナゲットを作るために必要な情報を提供し、味や外観を忠実に再現することを目指すとしている。

 同製品が誕生した背景として「健康的なライフスタイルと栄養に対する人気の高まり、従来の肉の代替品に対する需要の増加による環境に優しい食の開発に対する必要性に応えるかたちで、パートナー間で生まれたもの」と説明し、「未来のレストラン」を作成するという革新的なコンセプトの一歩を踏み出したと述べた。

 「バイオミート」は、従来の畜産品と同等の成分を持ち、生成にあたって動物にいかなる害も与えず動物福祉の改善に寄与できるほか、従来の畜産品で使用されている添加物も排除できることからよりクリーンな製品にできると謳う。加えて、農場で食肉生産をする場合と比較すると、エネルギー消費を半分以上、温室効果ガスの排出量を25分の1に削減できるほか、使用する土地も100分の1の面積で済むという。

 2020年秋にはロシア・モスクワで商品化予定で、バイオミートについては「現時点では、動物細胞からこのような複雑な食品を生成する方法はほかにない」とアピールした。