やじうまPC Watch

TencentのMOBAゲームAIが人類を打ち負かす

 中国のスマートフォン向けMOBAゲーム「王者栄耀」の2018年度KPL(King Pro League)ファイナルに、TencentのAI Labが開発した“策略協作型”AI「絶悟」が“スペシャルゲスト”として登場し、人間のプロチームに挑戦するというエキシビジョンマッチが行なわれた。

 王者栄耀はいわばLeague of Legendsのゲーム性をほぼそのままスマートフォンに移植したタイトル。10の2万乗に相当する操作の可能性を秘めているが(ちなみに観測可能な宇宙に存在する原子の数ですら10の80乗程度)、絶悟は1日で人間が150年練習するのと同等の訓練が行なえ、これを過去1年間継続して学習したという。

 エキシビジョンマッチでは使用不可にしたいキャラクターを8体選出するが、AIチームはおもに敵の移動速度を制限する敵、人間チームは高い攻撃能力を持つ敵を選んだ。操作するキャラクターは、AIチームは前線と背後の攻撃力を重視、人間チームはミニオンをリードするような防御力重視構成となった。

 序盤は1対1もしくは2対2の小規模な衝突があり、はやくも人間チームが(キル数)5-0のリードを奪ったが、AIは相手陣地のバフ持ちモンスターの近くの草むらに隠れて待機したり、仲間が包囲されるとさらに外側から包囲する、前線に向かう途中のミニオンを断つといった“戦略”も見せた。

 形勢が一気に逆転したのは、AIチームの集団戦により人間チームの盾役が倒されてからで、追撃と精確な遠隔攻撃により攻撃役が2人連続でダウン。すでに4人集まっていたAIチームは、ミドルレーンの防衛タワーを一気に2本踏み倒し、遠隔攻撃キャラで最終の防衛タワーも攻略。人間チームは盾役の復活もむなしくあっという間に負けとなった。