やじうまPC Watch

VIAもといCentaurの流れを汲む8コアx86 CPUが中国で登場していた模様

開先

 以前に「VIAのCPUが気付かないうちに進化を遂げていた模様」という記事を書いたのだが、あれから1年、どうやらVIA Technologiesは開発提携している中国・上海の半導体企業「兆芯」に、Centaur Technologyの全てを託したようだ。

 というのも、VIAやCentaurからはまったく発表はないものの、兆芯は2016年8月に「開先」と「開勝」という2つの新しいプロセッサをリリースしたのだ。開先は4コアのCPU、開勝は8コアのCPUであり、2015年に投入したVIA QuadCore-E/Eden X4/Eden X2をベースとしたZX-Cの改良版、ZX-C+となっている。

 ZX-C+の最大のポイントは、暗号化エンジンに中国でスタンダードになっている暗号化規格「SM3」、および「SMS4」を新たに追加サポートした点。そのほかの仕様は従来と同様、28nmプロセスで製造され、クロックは2GHz、キャッシュは2MB(8コア版は4MB)などとなっており、64bitやSSE4.2/AVX/AVX2命令をサポートする。

 パッケージも変更されており、開先ZX-C+ C4700/C4710は金属のヒートスプレッダが付いたHFCBGA、開勝ZX-C FC-1080/FC1081は2ダイを1チップにまとめたMCMパッケージとなっている。ただピンやパッケージは従来品と互換があり、ZX-Cシステムからアップグレードできる。

開勝

 2016年の記事では、VIAに問い合わせをしてCPUに関する続報をお伝えするとした。PC Watchでは広報を通して、COMPUTEX TAIPEI 2016開催に合わせてインタビューをセッティングしようとしたのだが、その後兆芯側の希望で、取材に応じられないとして断られてしまったのだ。Centaurの開発は実質、兆芯が握っていると見ていいだろう。

 ちなみに旧モデルのZX-Cを搭載したPCは、中国のLenovoなどから発売済み(製品名:聯想昭陽CF03)とされている。