やじうまPC Watch
SSDの空き容量が急に減ったと思ったら、Chromeが1千万個ものファイルで計40GBも使っていた
2017年1月17日 06:01
「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」。親鸞が説いた悪人正機の一節で、「悪人こそが阿弥陀仏の本願による救済の主正の根機である」という意味である(Wikipediaより引用)。
一方、筆者は「イケメンなおモテようと研鑽を積む、いわんやブサメンをや」というブサメン正機を唱えている。
読者の皆さん、まだブラウザの戻るボタンを押さないで欲しい。
イケメンでさえ、もてようと日々努力しているのだから、筆者のような非イケメンは、なおのこと努力しなければいけないという自戒だ。
とは言え、今回の話は、モテる、モテないとは関係ない。筆者のノートPCのSSDに困ったことが起きたのだ。
「実録! 俺のバックアップ術」の回でも紹介したとおり、筆者はメインマシンとしてノートPCを利用している。ストレージは256GBのSSD。保存しているデータで容量を食うのが取材写真なのだが、1カ月に1度、それらは外付けHDDに移動することで、しのいでいる。
だが、最近、それでは追いつかないくらいSSDの空き容量が逼迫してきた。十数GBくらいしかないのだ。それまでは30～40GBは空いていたのに。
と言うことで、原因を調べることにした。こういうときに役に立つのは、フォルダごとに占有している容量を調べてくれるソフトだ。いくつかあると思うが、とりあえず検索で上位に出てきた「FileSum」というソフトを使ってみた。
窓の杜のこちらの記事によると、少なくとも1999年の時点でバージョン2ということで、かなり年季の入ったものだが、2016年5月に64bit Windows 10対応のバージョン3.01が出るなど、まだ更新されている現役のソフトだ。
この手のソフトを使うことで、どこに大きなサイズのファイルがあるのかがすぐに分かる。実行すると、C:\Users\%USER%\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default\Storageのフォルダに40GBものファイルがあることが分かった。
AppDataフォルダは、通常は隠しフォルダ設定になっており、アプリの設定データなどが保存されている。また、C:\Users\%USER%\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default\Storageフォルダには、HTML5 File APIを利用してここにファイルが保存されることもあるらしい。
しかし、40GBというのは、いくらなんでもでかすぎる。実際、サブマシンの同じフォルダを調べたら、1GBしか使っていなかった。
AppData配下のファイルを不用意に削除すると、動作がおかしくなることがあるのだが、筆者のケースは、本来一時的に保存されたデータが消されていないものと判断し、全削除を敢行することにした。
【1月17日追記】不要削除ファイルソフトとして定評のある「CCleaner」でうまく消せるかとも思ったが、このソフトでは数百MBくらいしか削除できなかった。
さすがにChrome動作中は問題が出そうなので、いったんChrome自体をアンインストール。これで消えるかなとも思ったが、C:\Users\%USER%\AppData\Local\Googleフォルダは消されないままだったので、C:\Users\%USER%\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default\Storageを手動で削除した。
ファイル削除のシステムダイアログによると、なんとこのフォルダには1千万以上のファイルが保存されていた。ランダムアクセスに強いSSDとは言え、1千万ものファイルI/Oともなると、削除に6時間半もかかってしまった。
【1月17日追記】と言うか、FileSumの画面写真を見直して、後から気付いたのだが、実行時点でCドライブ全体で1,014万ファイルあるうちの、974万ファイルがこの問題のフォルダに保存されていた。そして、そこから1週間足らずで、30万ファイルも増えたことになる。Chromeさん、なかなかの傍若無人ぶりである。
この間は、Chromeを再インストールできない(するとまたおかしくなる可能性がある)ので、Chromeをメインブラウザにしている筆者は、1日サブマシンでの仕事を余儀なくされた。
と言うわけで、晴れて40GBのスペースを取り戻し、Chromeも再インストールしてみたが、ファイル削除による問題は特に発生していない。また、Chromeは、お気に入りや拡張機能など、ほとんどの情報、設定はクラウドに保存されているので、インストールし、ログインするだけで、アンインストール前の状況に簡単に戻せる。ただし、Cookieや閲覧履歴は削除(後者は残すことも可能)されるので、その辺りは留意が必要だ。
今回の件で調べたところ、同じフォルダにChromeが作成したファイルが大きな容量を使っているという報告はほかにも多数あった。どうもストレージの空き容量が思ったより少ないと感じたら、FileSumのようなフォルダ容量のチェックソフトを使って確認すると良いだろう。
ただし、先にも書いたとおり、C:\Users\%USER%\AppData\配下のフォルダは不用意に削除すると、問題を引き起こす可能性がある。削除の場合は、そのフォルダにどのようなファイルがあるかを調べ、自己責任の上で実行してほしい。