レセプションに登壇した(左から)Intel GmbHのPeter Gleissner氏、MSIのJoseph Hsu社長、DynaaudioのWilfried Ehrenholz CEO |
会期:3月2日~3月6日(現地時間)
会場:ドイツ共和国 ハノーバー市 ハノーバーメッセ
CeBIT 2010開幕前日となる3月1日、MSIは同社ブースを先行公開。ノートPCやマザーボードの新製品をいち早く披露した。
●SO-DIMM3枚を搭載可能なゲーミングノートゲーミングPCに位置づけられる「GT660」は、Core i7-720QMをベースとした製品。16型液晶を搭載し、解像度は出荷時にカスタマイズできる。GPUはGeForce GTX 285Mでビデメモリは1GB。
3枚のSO-DIMMを搭載できることを売りにしており、4GBのSO-DIMM×3枚で最大12GBまでメモリを増設可能。とくにゲーム体験においてメモリ容量が重要であるとし、メモリ不足による性能低下などを発生させないとしている。
そのほか、Dynaaudio製のスピーカ、USB 3.0の搭載、ゲーミングPCらしいLEDによるライトアップなどをアピールしていた。
MSIのゲーミングPC「GT660」 | GPUはGeForce GTX 285Mを搭載 | スピーカーはDynaaudio製を搭載 |
SO-DIMMスロットを3基備えており、最大12GBまでメモリ搭載が可能 | USBポートは左右に4ポート備えるが、そのうち左側面の2ポートがUSB3.0に対応している |
●NVIDIAのOptimus TechnologyをサポートするノートPC
NVIDIAが2月に発表したOptimus Technology。CPUやチップセットに内蔵されたGPUと、NVIDIAのディスクリートGPUをシームレスに切り替えることができる本技術を採用したノートPCも、MSIブースで展示された。
MSIのノートPCラインナップのうち、FXシリーズにラインナップされる製品が該当する。具体的なディスクリートGPUの名称は不明。CPUはCore i5シリーズを搭載する。14型液晶のFX400、15.6型液晶のFX600の2モデルがラインナップされている。
Optimus Technology対応の15.6型ノート「FX600」 | 同じくOptimus Technology対応の14型ノート「FX400」 |
●Mobility Radeon HD 5000シリーズ搭載ノートを展示
AMDが今年1月に発表したMobility Radeon HD 5000シリーズ。これを搭載する製品が多数展示されたのもMSIブースの大きな特徴となった。
そのラインナップはゲーミングPCから低価格なクラシカルノートシリーズ、薄型ノートシリーズにまで採用するなど幅広い。DirectX 11対応というマーケティング的なアピール力によるものと見られるが、今年のノートPC向けディスクリートGPUの流れを感じさせる展示となっている。
ノートPC製品については、いずれもスイッチャブルグラフィックスに対応しており、内蔵GPUと切り替えることでバッテリ駆動時間を延ばすことができるようになっている。この機能はとくにX-Slimシリーズで強くアピールされている。
また、MSIではおなじみになっている液晶一体型のオールインワン型PCの新製品にもMobility Radeon HD 5000シリーズを採用してきている。こちらはデスクトップ向けCPUにモバイル向けGPUを組み合わせる変則的な構成となっているのも特徴といえる。
●3D対応にも注力
MSIではステレオ表示を用いた3D表示対応製品への対応も進めている。今回展示されたのは、液晶一体型PCの3D AIOと、ノートPC製品である。
3D AIOは先に紹介したWind Top AE2400シリーズをベースとした23.6型製品で、120Hz対応液晶を搭載。GPUはMobility Radeon HD 5730となる。ブースではデモも行なわれ、3Dメガネを使った体験コーナーが用意された。
ノートPCのほうはNVIDIA GPUを搭載したデモ用のプロトタイプ機が展示された。具体的な製品名などは決まっていないが、同じく120Hzの液晶を内蔵したノートPCになる。
3D表示のデモが行なわれた液晶一体型PC「3D AIO」 | こちらは表示が乱れており正しくデモが行なわれていないが、3D表示対応ノートPCのデモ機 |
●AMD 800シリーズチップセットを搭載したマザーボードが登場
PCパーツ関連では、未発表のAMD 800シリーズチップセットを搭載するマザーボードの展示が目立った。
「890FXA-GD70」は、AMD 890FX+SB850で構成されるチップセット。ノースブリッジ側は合計42レーンのPCI Express 2.0インターフェイスを持つチップセットで、サウスブリッジのSB850は6Gbps対応SATAへの対応が特徴になる。また、AMDが計画している6コアCPUとオーバークロックへの対応もアピールしている。またUSB 3.0もサポートする。
「870A-G54」は、AMD 870+SB850の構成。6Gbps SATA、USB 3.0をサポート。PCI Express x16スロットは2基持つが、x16+x4の構成となる。これはAMD 870が持つPCI Express x16スロットのコンフィグレーションがx16×1に固定されているためとしている。
「890GXM-G65」はAMD 890GX+SB850を搭載する製品で、やはりSATA 6GbpsとUSB3.0をサポート。AMD 890GXはAMD 785Gの上位モデルかつAMD 790GXの後継にあたるチップセットで、高クロック動作のDirectX 10.1対応グラフィックス統合型チップセットという位置付けの製品だ。
「880GMA-E45」はAMD 880G+SB850を搭載する製品。AMD 880GはAMD 785Gの後継製品という位置付けになるが、具体的な変更点は不明とされた。ただしサウスブリッジがSB850になっていることによる機能強化はあるという。やはりSATA 6GbpsおよびUSB 3.0をサポートする。
ちなみにMSIのマザーボードについては、SATA 6Gbps対応ポートに白色のパーツを使うことで、従来の3Gbps対応ポートと区別するとしている。
AMD 890FX+SB850を搭載する「890FXA-GD70」。白色のSATAポートが6Gbpsを示す。この6Gbps対応はSB850によって実現されている | AMD 870+SB850を搭載する「870A-G54」 |
AMD 890GX+SB850を搭載する「890GXM-G65」 | AMD 880G+SB850を搭載する「880GMA-E45」 |
(2010年 3月 2日)
[Reported by 多和田 新也]