イベントレポート

Intel Arc G3搭載で注目のMSI新型携帯機「Claw 8 EX AI+」、競合を圧倒

MSI Claw 8 EX AI+の基板

 MSIは5月31日(台湾時間)にIntelと共同で記者説明会を開催し、Intelのハンドヘルドゲーミングデバイス向けプロセッサ「Intel Arc Gシリーズ・プロセッサー」(以下Arc Gシリーズ)を搭載したゲーミングデバイス「MSI Claw 8 EX AI+」(以下Claw 8 EX AI+)の技術的な詳細を説明した。

 Claw 8 EX AI+は、プロセッサにIntel Arc G3 Extreme、最大32GBメモリ、M.2 2280のSSD、8型WUXGA(1,920×1,200ドット/48~120Hz VRR)のディスプレイ、80Whの大容量バッテリというスペックで785gと比較的軽量を実現したハンドヘルドゲーミングデバイスとなる。

 この中でMSIは、LenovoやASUSなどが販売している競合製品に比べて、Claw 8 EX AI+が性能で凌駕していると主張し、熱設計や性能調整機能の詳細などに関して解説したほか、F1 2025などのゲームにおける性能を公開した。

Meteor Lake、Lunar Lake、Panther Lakeと3世代にわたって製品を提供してきたMSI

Claw 8 EX AI+

 MSIは5月31日に同社本社において、Intelと共同で開催した記者説明会の中で、Claw 8 EX AI+の詳細に関して説明した。MSIにとっても、Claw 8 EX AI+は第3世代の製品となる。

 第1世代はCore Ultra(Meteor Lake)を搭載した初代「Claw A1M」で、その後Core Ultraシリーズ2(Lunar Lake)を搭載したClaw 8 AI+とClaw 7 AI+がリリースされた。そして第3世代となるのが今回紹介されたClaw 8 EX AI+で、搭載されているプロセッサがArc G3 Extremeへと強化されている点が大きな変更点となる。

 MSIは、Meteor Lake、Lunar Lakeに続き、今回のArc G3でもIntelのハンドヘルドゲーミング向けローンチパートナーを務めている。両社にとって本製品が重要な位置づけであることがうかがえる。

進化した熱設計、改良されたデザイン、アップグレード性

Claw 8 EX AI+の4つの特徴

 そのClaw 8 EX AI+の技術的な特徴についてMSIの担当者は4つがあるという。

  1. より強力になったArc G3 Extreme向けの進化したファンなどの熱設計
  2. より人間工学に基づいたグリップなどのデザイン
  3. M.2 2280を採用したことによる容易なアップグレード
  4. 120Hzの可変リフレッシュレート(VRR)のディスプレイ、Thunderbolt 4 2基、80Whバッテリなどのスペック

 今回Intel Arc G3 Extremeでは、いわゆるPBP(従来のTDPに相当、いわゆるPL1)がCore Ultraシリーズ3の上位と同じ35Wに設定されている。また、cTDP(つまりPL2)では8W~45Wの間で可変することが可能なスペックになっている。

 Claw 8 EX AI+では、XboxアプリなどのXbox UIに対応しており、コマンドセンターなどで性能の設定ができる。バッテリ駆動時間優先などの設定もできるが、マニュアル設定ではPL1を35W、PL2を45Wの設定など、スペックの上限設定が用意されている。

Claw 8 EX AI+の熱設定、PL1とPL2を設定できる。最高設定はPL1 35W、PL2 45W。最低設定はPL1 8W、PL2 10W
ファン設計
新製品(左)と従来製品(右)の比較

 こうした物理的な設定を生かすためにMSIが導入したのが「Cooler Boost HyperFlow」と呼ばれる放熱機構。従来のClaw 7/8などと比較して5mmほど高くなっているが、TDPの枠でいうと5W、ファンの風圧でいうと25%、エアフローでいうと9%増えているという。

 このため、Cinebench R23のループを100回やっても、性能が落ちることがなかったという。

デザインの変更やモーターの交換
ハプティックモーター、左が新製品、右が従来品
デザインの調整

 また、PCゲーミングでのゲームコントローラの事実上の標準はXboxコントローラだが、Claw 8 EX AI+ではそうしたXboxコントローラの人間工学的な使いやすさ、快適さを意識して設計されているという。本体下部の出っ張り部分がレーザーによりドットテクスチャになっていること、さらにはXboxコントローラと同じような角度のデザインになるなど工夫されているという。

 また、ハプティックセンサーに利用しているモーターも新しいモーターが採用されており、より強力なフィードバックをユーザーが感じることが可能になっている。

M.2 2280に対応したSSD
M.2 2280を利用できる基板

 こうしたゲーミングデバイスではストレージの容量も大事だ。PCゲームはデータ量が巨大なため、ストレージ交換のニーズが高い。ハンドヘルドデバイスでは小型のM.2 2230/2242の採用が一般的だが、本製品は一般的なノートPCで使われるM.2 2280を採用している。SSDの入手性が高く、アップグレードが容易になっているのは大きなメリットだ。

VRRに対応
Thunderbolt 4 2基
本体上部のポート
バッテリは80Wh
Wi-Fi 7に対応
Xboxモードに対応したクイック設定
Androidアプリを実行できるBluestackがプリインストール
内容物
主な仕様

 最後に、従来モデルと共通するところだが、120Hzで可変リフレッシュレートの8型WUXGA、Thunderbolt 4を2ポート搭載していること、80Whという大容量バッテリを搭載していることなどが挙げられた。なお、公称バッテリ駆動時間に関しては現在測定中ということで、出荷時までなどには公表される予定だ。

F1 2025で、XeSSのMFG(Multi Frame Gen)を利用した設定で平均77fpsを実現

性能で、LenovoやASUSなどの製品を上回る

 MSIは実際のゲームを利用した性能も公開している。今回MSIは同社が行なった競合機種(LenovoやASUSの同クラスの製品)と比較して大きな性能アップを実現している。

F1 2025でベンチマークを行なっているところ

 今回、筆者は展示されている実機を利用して、F1 2025でベンチマークしてみた。PL1を35W、PL2を45Wに設定し、サーマル設定としては最高の状態で、ゲームの表示としてはHigh設定、XeSSのMFG(4X)を有効にした状態でテストした。平均フレームレートは77で、60fpsといわれているAAAタイトルゲームをプレイするのは十分な性能を確認することができた。

 ちなみに、その状態でゲーム本来のフレームレートを表示するツールで見ていると、概ね20~25ぐらいの間だった。1080p設定であっても十分にゲームができる性能を持っていることが確認できた。

 その状態でACアダプタから切り離して実行したが、結果は同じ77。ACアダプタをつないでいなくても、性能設定が優先されて、フル機能を発揮できるようになっていた(もちろんその場合にはバッテリ駆動時間が短くなるのは当然予想されるが……)。