大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

自分で組み立てたレッツノートは最高!30周年の神戸工場で子どもたちが大奮闘

手づくりレッツノート工房が開催された神戸工場

 夏休み恒例企画となっているパナソニック コネクトの「手づくりレッツノート工房」が、2026年8月1日、兵庫県神戸市のパナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部神戸工場で開催された。

 23回目を迎えた今回の「手づくりレッツノート工房」では、レッツノートの誕生から30周年の節目を迎えたこともあり、スタッフ全員が「30周年」の記念ロゴが入ったTシャツを着用。神戸工場の社員だけでなく、パナソニック コネクト執行役員ヴァイス・プレジデントモバイルソリューションズ事業部マネージングダイレクターの青木秀介氏をはじめ、大阪・京橋、東京・浜離宮に勤務する社員たちを含めて、約100人の同社社員が参加し、子どもたちの組み立てをサポートした。

入口の大型ディスプレイで参加者を迎えた
受付に並ぶ参加者たち

SC7とFC7の2種類から選べる2026年の手づくりレッツノート工房

 また、今回の組み立て教室では、初めて2種類の機種から選択できるようにしたのも特徴だ。レッツノート工房では、全員が一緒になって組み立てを行なう方法を取っているため、組み立てる機種を1つに限定してきたが、今回は、12.4型ノートPCのレットノート「SC7」と14型ノートPCのレッツノート「FC7」を選択できるようにした。

 実は、2026年4月に発売した「SC7」と「FC7」は、新たな製品ラインである13.3型ノートPC「NC7」とともに、「互換性設計」を採用しているのが特徴だ。

 互換性設計とは、画面サイズに関係する部品や筐体部品を除き、すべてのハードウェア、ソフトウェアの互換性を確保し、導入時のマスター作成の工数削減や、運用時の管理でもIT管理者の負荷を軽減できるようにしている。その設計思想が、レッツノート工房での機種の選択肢を増やすという思わぬ効果にもつながったといえる。

 ボトムカバーを取り付ける際のネジの数が異なるなど、微妙な違いはあったが、同じ組み立て手順で、作業を進行することができた。

 今回のレポートでは、「SC7」と「FC7」の2機種の組み立ての様子を、写真を通じて紹介する。基板や部品、レイアウトなどを含めて、共通設計となっている部分が多いことが確認できる。

値上がりしたが31組が参加し大盛況

 今回の「手づくりレッツノート工房」には、兵庫県からの参加のほか、北海道や徳島などからの参加を含めて、31組の親子が来場。13人の小学生、13人の中学生、5人の高校生が組み立てに挑戦した。また、従業員枠として5組が参加。小学生が1人、中学生が1人、高校生が3人となった。36人すべての参加者のうち、男の子が24人、女の子が12人という構成だった。

午前10時から行なわれた開校式の様子

 今年(2026年)に入ってから、PC本体価格が上昇しており、参加費は、前年の19万円から、SC7が23万4,400円、FC7が23万9,900円と高くなったが、それでも定員数を大きく上回る101件の応募があったという。

 午前10時からスタートした開校式で、「手づくりレッツノート工房」の「理事長」として挨拶した青木秀介氏は、「本当は応募者全員に参加してほしかったが、場所の制約などもあり、厳正な抽選の結果、31組の親子に参加してもらうことになった」とし、「みなさんに組み立てを体験してもらうために準備を進め、今日の日を心待ちにしていた。レッツノートは、今年で30周年を迎えた。その間、ずっと神戸の地でレッツノートを生産している。単に作り続けるだけでなく、神戸工場の一人ひとりが、少しでもいいものを作るために、毎日改善を加えている。今日時点での集大成ともいえる最高のモノづくりを体験してもらうことになる。モノづくりの難しさとともに、難しいからこそ感じることができる楽しさや面白さを体験してもらい、思い出になる1日にしてほしい」と挨拶した。

 また、レッツノートと同じ30歳となった神戸工場の宰 翔央氏が、この日の「工房長」を務め、「PCづくりだけでなく、夏の思い出づくりとなるイベントもたくさん用意している。ぜひ、楽しんでほしい」と、参加者に呼びかけた。

手づくりレッツノート工房の理事長となったパナソニック コネクト執行役員ヴァイス・プレジデントモバイルソリューションズ事業部マネージングダイレクターの青木秀介氏
「工房長」を務めた宰 翔央氏。「1日、楽しんでほしい」と子どもたちに呼びかけた

 さらに、組み立て作業の開始前には、神戸工場の社員が扮したレッツ博士とノート助手が登場し、レッツノートに関するクイズを出題。「レッツノートの天板はどのような構造になっているのか」(答えは車のボンネット構造)、「頑丈さを確認するためにどのぐらいの高さから落として、テストをしているか」(答えは机の高さ=76cm)といったクイズに頭を悩ましていた。

 レッツ博士とノート助手は、「頑丈さと、軽さを両立しているのがレッツノートの特徴。それだけでなく、動画を再生しながら、神戸から青森までを新幹線で往復しても、使い続けられる長時間駆動も実現している」と説明し、参加者を驚かせていた。

レッツノートに関するクイズを出題
レッノートの頑丈さに関するクイズが出された
会場を盛り上げたレッツ博士とノート助手

13個の部品を組み立て

 午前10時からスタートした組み立て作業では、13個の部品を使用。SC7では6種類28個のネジを、FC7では6種類31個のネジを使用した。組み立ての様子を写真で追ってみる。

組み立て教室の様子
こちらが組み立てに使うSC7の部品。今回はジェットブラックの筐体を組み立てる
こちらがFC7の部品。違いはネジの数が3本多いだけだ。こちらはカームグレーの筐体を組み立てた
「ねじ4」とされたネジの数が違う(左がSC7、右がFC7)
まずはディスプレイ部を開けて下方向に向ける。これは実際の組立工程と同じ仕組みだ
最初にピンセットを取り出して、トップケースの剥離紙をはがす作業から開始
スピーカーケーブルを接続し、両面テープにケーブルを固定する
筐体の大きさの違いから、SC7のスピーカーの位置と、FC7のスピーカーの位置が微妙にずれているのが分かる
スピーカーは左右に取り付けるが、左右同じものを使用。ケーブルの取り回しの違いで共用している
基板のコネクタにFPC(フレキシブルケーブル)を差し込む作業。まっすぐ差し込んでロックする
基板は同じものを使用しながら、SC7とFC7では長さが異なるFPCを使用している
シートを取り出す。絶縁の役割とともに、一部部品を固定する役割も果たす。さまざまな形状のシートがあり、1枚のシートで効率的にカバーする。これもSC7とFC7では共通だ
まずはFPCの上に貼り付ける。生産工程でも治具などは使わずに貼付しているという。熟練の作業スキルが求められる工程だ
同じシートを使うため、FC7の方がカバーできていない部分が広いが、そこには部品が載らないので問題はないという
基板の熱を取り込んで外に逃がす放熱シートのラミネートをはがす
その上に冷却ファンを取り付ける
冷却ファンをネジで固定する
冷却ファンケーブルを取り付ける
冷却ファンを取り付けたSC7とFC7
LCDケーブルの取り付け作業
ホイールパッドへのFPCの取り付け作業
基板にもFPCを接続する
ここからシートの取り付け作業が続く
FPCのレイアウトにあわせたシート形状となっている
折れ線に沿って曲げて貼付するシートもある
あらゆるところがシートで覆われているのが分かる
電源ケーブルの取り付け作業。丸型DCプラグの搭載はレッツノートのこだわりだ。なお、USB Type-Cからの充電も可能だ
ここで青木ヴァイス・プレジデントが組み立てに急遽参加することに。アースバンドを取り付ける
SSDの取り付け作業を行なう
SSDをネジで固定する
作業を心配そうに見守る神戸工場の遠藤工場長(左)とレッツ博士(右)
シートを取り付けてSSDの取り付け作業が完了
子どもたちの組み立て作業も順調に進んでいる
スタッフのサポートで安心して作業ができる
レッツ博士は、子どもたちに声をかけて応援
青木ヴァイス・プレジデントも子どもたちの作業を応援
続いてファンルーバーの取り付け
バックカバーを取り付ける
スピーカーの保護フィルムをはがす
ボトムケースを取り付ける。こちらはSC7
そしてFC7のボトムケースも取り付ける
ここからはネジ締めの作業が続く。SC7のネジを締めている様子
FC7は筐体が大きい分、ネジが3本多い
セキュリティラベルを貼る。ユーザーが分解した場合に、それが分かるようになっている
バッテリを取り付ける
FC7にバッテリを取り付ける。これもSC7と同じものを使用している
最後にバッテリをネジで固定する。これで組み立て作業は完了
参加者全員で電源スイッチを押す
全員のPCが無事に起動した。レッツノート30周年記念ロゴが表示された
続いて製品検査を行なう。すべてのキーが動作することを確認するキーボード検査
続いてホイールパッドやスピーカーも検査して完了
午後からは梱包作業を開始
キーボードの上にシートを乗せる
袋の中にレッツノートを入れる
ダンボールの緩衝材にレッツノートを固定する
外箱に入れて梱包が完了
完成したレッツノート。これですべての工程が終了した
組み立てが終わり、参加者全員で記念撮影
みんなで昼食タイム
神戸工場の中を見学するツアーを実施
76cmの高さから落とす落下試験機では、大きな音に耳をふさぐ子どもの姿も
同伴者も楽しめるようにさまざまなイベントが行われた
オリジナルキーホルダーをレジンで制作
子どもたちが「未来のレッツノート」を考えた
未来のレッツノートを考えるワークショップの作品
ブロックを使って工程の作業改善を体験
電動ドライバーを使って、作業時間を競うイベントも実施
部品に見立てたビーズを基板台紙に取り付ける体験
神戸工場で生産しているパナソニックのモバイル決裁端末を使って、商品のバーコードリーダーを読み取る。合計金額をちょうど3,000円にするゲームとなっていた
半分の1,500円にしかならなかった。物価高を意識しすぎた結果か。レシートには30周年記念ロゴマークが表示されていた
タフブックを搭載したパトカーに乗ることができるイベントも

 小学生の参加者からは、「PCの組み立てがとても楽しかった」という声があがっていたほか、中学生や高校生の参加者からは「将来は、工業系の高校へ進学したい。普段使うPCを自分の手で組み立てられる貴重な機会になった」、「学校はレポートを提出する課題が多いため、調べものや文章の入力にPCを活用したい」、「父から譲り受けたレッツノートを使用していたが、これからは自分で組み立てたレッツノートを使いたい」などの声があがっていた。

 閉校式で、「校長」として挨拶したパナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部神戸工場の遠藤昇工場長は、「最後の梱包工程で、自分で組み立てたPCを大事に扱っている姿を見て、手づくりレッツノート工房を開催してよかったと思った。学校にいったら、夏休みのいい思い出として、ぜひ友達に自慢してほしい。みなさんに、ずっとレッツノートのファンでいてもらえるように、私たちもがんばる」と述べた。

 また、取材に応じたパナソニック コネクト 青木ヴァイス・プレジデントは、「実際に組み立てみて、難しさを感じた。日々、これを正確に、速いスピードで組み立てることができる社員のすごさを改めて感じた。堅牢性があり、軽く、長時間にわたって利用するための工夫が随所に凝らされていることも改めて理解できた」とし、「参加した子どもたちが夢中になって、組み立てに取り組んでいることに感動した。これからも継続していきたいイベントである」と、来年度の「手づくりレッツノート工房」の開催を約束した。

閉校式で挨拶したパナソニック コネクトモバイルソリューションズ事業部神戸工場長の遠藤昇氏
青木秀介氏
最後は社員全員で参加者を見送った
参加者を見送る青木ヴァイス・プレジデント
遠藤工場長も旗を振って見送った
レッツ博士とノート助手も、社員の列に加わって見送る

30周年記念のTシャツ着用で応対

 今年の「手づくりレッツノート工房」では、スタッフ全員がレッツノートおよびタフブックの30周年を記念して制作したロゴマークが入ったTシャツ着用した。

 会場には、ロゴマークをデザインしたパナソニック コネクト デザイン&マーケティング本部デザイン統括部第2エクスペリエンスデザイン部MSデザイン課の堺 千里氏も参加していた。

 堺氏は、「レッツノートとタフブックのイメージが、ひとめで伝わることを意識した。何度も作り直した結果、形を忠実に再現したデザインではなく、デフォルメしながら、『らしさ』を感じられ、そしてシンプルなものに仕上げた。昨年から制作を開始し、完成したのは2026年6月。最終決定したときには、会議に参加していた社員全員が、『これだ!』と言って拍手した」という自信作だ。

 レッツノートは1996年6月に発表され、タフブックは1996年9月に発売されている。どちらも同時に30周年を迎える。ロゴは、今後1年間に渡ってさまざまなシーンで使用され、各種記念グッズも制作される予定だという。

中央が30周年ロゴマークをデザインしたパナソニック コネクト デザイン&マーケティング本部デザイン統括部第2エクスペリエンスデザイン部MSデザイン課の堺 千里氏
スタッフ全員が着用した30周年記念ロゴが入ったTシャツ。ロゴは、今後1年間に渡ってさまざまなシーンで使用される