イベントレポート
個性爆発!注目PCケース一挙紹介~be quiet! 、CORSAIR、HYTEなど最新トレンドを総ざらい
2025年5月30日 10:32
COMPUTEX TAIPEI 2025が、5月20日から23日まで台湾・台北で開催された。世界最大級のPC・IT見本市として知られるこのイベントだが、その中でもPCケースはデザインと機能性の両立を追求した個性的な製品が数多く登場し、来場者の注目を集めた。
今回は、会場などで展示されていたPCケース特集をお届けする。
be quiet!
be quiet! では、昨年(2024年)のCOMPUTEX TAIPEI 2024で展示し、現在では日本でも発売されている「Light Base 900」の“専用スタンド”のコンセプトが展示されていた。
「Light Base 900」はExtended ATXマザーボードに対応するピラーレスケースだ。脚パーツを付け替えることにより、「通常」、「倒立」、「横置き」の3つのレイアウトを実現できるが、今回の専用スタンドを使うことにより新しいレイアウトを追加することができるようになる。
CRYORIG
CRYORIGでは、ファンレス水冷ケースの「Lull」を展示していた。
TDP 180WのCPUまでであればファンレスで動作できるという。
CORSAIR
AIR 5400
コルセアでは、トリプルチャンバーケースとなる「AIR 5400」を展示していた。
これまで同社では、6500Xといったデュアルチャンバーケースをリリースしてきたが、今回は簡易水冷CPUクーラーのラジエータ専用スペースを追加したことで、トリプルチャンバーとなった。
FRAME 4000D PROTO TYPE
既に発売済みの「FRAME 4000D」だが、こちらを全面ガラスに変更したプロトタイプが「FRAME 4000D PROTO TYPE」となる。
会場の展示マシンでは電源ユニットまで透明になっており、スケルトン好きにはたまらない仕様だ。
darkFlash
darkFlashでは、コラボケースとなる「CO-BRANDED」シリーズの展示が目立った。
DeepCool
DeepCoolでは、ハイパースプリットタワーデザインの「CL6600 WH」を展示していた。
これは、ケース上部に設置されたもう1つのケースに360mmサイズのラジエータが入っている。通常、ケースの中に入っているラジエータだが、完全に分離をすることで冷却効率を高められるという。
HYTE
HYTEでは、すべて丸みを帯びたラウンド形状で構成された新型ケース「X50」が展示されていた。
サイドパネルには曲面ガラスを採用しているが、このガラス「アコースティックラミネートガラス」を採用することで静音性を向上しているという。
カラーは「ブラック」、「ホワイト」、「ストロベリーミルク」、「抹茶ミルク」、「タロ」そして「チェリー」の6色で展開される。
そのうちの「ブラック」と「ホワイト」の2色については、サイドパネルの曲面ガラスがメッシュになった「X50 Air」も用意される。
HYTEはそれぞれのカラーについて、金属製のメッシュパーツから樹脂パーツに至るまで同系色のカラーで揃えられており、ケース全体を1つの作品として仕上げるこだわりを感じられる。
LIAN LI
LIAN LIは強化ガラスの前面パネルに3つのファンを搭載する「LANCOOL 4」を展示していた。多くのPCケースメーカーは「ガラスは内部のパーツを見せるモノ」という思想で作られているが、このLANCOOL 4はそこに140mmのファンを3つ埋め込みエアフローを改善している。デザインもファンというよりは巨大なスピーカーといった感じだ。
もう1つは「LANCOOL 217 INF」で、既に日本でも販売されているLANCOOL 217のフロントパネルを強化ガラス&ARGB化したバージョンとなる。木製パーツを使った落ち着いたイメージのLANCOOL 217と比べると正反対なイメージに仕上がっている。
NZXT
日本でも(記事執筆時点で)ちょうど発売されたばかりの「H9 Flow」と「H3 Flow」が展示されていた。
H9 Flowについては、同じ名前のケースが存在するが、こちらはいわば2025年モデルとなる。右側面に斜めに設置されたファンによりエアフローが改善しているという。
H3 Flowについては新たにラインナップ追加されたmicroATXケースとなる。
前面に280mm、上部に240mmのラジエータが搭載可能となっている。
SilverStone
SilverStoneでは、レトロ風PCケースの第2弾となる「FLP02」が展示されていた。
このFLP02だが、今回は同社のミッドタワーATXケースの「SETA D1」をベースとしており、搭載できるビデオカードのサイズなど基本的なスペックは同じだという。
5インチのフロントベイについては、5インチフロッピードライブデザインのカバーが取り付けられている。こちらはレバーが6時の位置にある時に固定され、外す時は9時の方向へレバーを動かすとパネルを取り外すことができる。
フロントパネルにはロッカースイッチ型の電源ボタンにリセットボタン、ターボボタン、そしてロック用の鍵が搭載している。なお、ターボボタンを押すとファンの回転数が上がる。
Thermaltake
Thermaltakeは、会場でも広い場所を取り、かなりの数のPCケースを展示していた。個人的にはデュアルチャンバーケースの「View 380 XL」に追加されたウッドシリーズとなる「View 380 XL Wood (Snow)」が気になった。
まとめ
今回のCOMPUTEX TAIPEI 2025では、個性的なPCケースが多く登場した。特にCRYORIGのファンレス水冷やDeepCoolの分離型冷却など、冷却を追求した製品が印象的だった。見た目も大きく変わり、HYTEのラウンドデザインやSilverStoneの懐かしいレトロ風ケースなど、従来の四角いケースとは一味違う製品が目を引いた。
また、曲面ガラスや木材を使ったPCケースも今回紹介したメーカー問わず多く展示されており、PCケースが電子部品を格納する箱から部屋のインテリアの一部になってきていることを実感した。PCケースの世界もまだまだ面白い進化が続きそうだ。