イベントレポート
ASUS、半透明でE INK+Lunar Lake搭載のミニPCなど多数展示
2025年5月22日 06:13
COMPUTEX TAIPEI 2025におけるASUSブースは、一般消費者向けから法人向けまで全方位でのAI対応を前面に推す展示となっていた。また、今年2025年は、発売するPCの中でCopilot+ PC対応モデルの構成比率を30%以上にするという目標を掲げており、ブースでも多数のCopilot+ PC準拠PCを展示した。
Copilot+ PC準拠のNUC
「NUC 14 Pro AI+」、「NUC 14 Pro AI」は、NUCシリーズ初のCopilot+ PC準拠モデル。ASUSは、手のひらサイズのPCとして初のCopilot+ PC対応を謳う。2024年のIFAで発表されたものだが、今回実際の製品を展示した。
大きな特徴が、本体前面にCopilotボタンを配置する点。本体にマイクとスピーカーを内蔵しており、Copilotボタンを押すとCopilotが起動し、声で指示を出せるという。また、上部に指紋センサーを搭載し、標準で生体認証を利用できる点も特徴の1つだ。
そして、NUC 14 Pro AI+には上部にE INKディスプレイを搭載するというほかにはない特徴も備えている。このE INKディスプレイはマルチカラー対応で、自分だけの好きなデザインを表示できる。半透明の筐体とリング状に光るLEDイルミネーションも採用し、E INKディスプレイと合わせて個性的なPCとして利用できるという。
PCとしてのスペックはいずれもほぼ同等。プロセッサはLunar LakeことCore Ultraシリーズ2を採用。Core Ultra 5からCore Ultra 9まで幅広く搭載可能。メモリはプロセッサ内蔵で16GBまたは32GB、内蔵ストレージは最大4TBのPCIe 4.0 SSDを搭載可能。
無線機能はWi-Fi 7準拠無線LANとBluetooth 5.4。外部ポートは、前面にThunderbolt 4、USB 3.2 Gen 1 2基、音声入出力を、背面に2.5Gigabit Ethernet、Thunderbolt 4、HDMI 2.1、USB 3.2 Gen 2 2基を用意。
サイズはNUC 14 Pro AI+が144×112×41mm、NUC 14 Pro AIが130×130×34mm。重量はいずれも0.5kg。
NUCシリーズではないが、Ryzen AI 7 350またはRyzen AI 5 340を搭載するミニPC「ExpertCenter PN54」も展示。こちらも3月に発表済みだ。Copilot+ PCの準拠しており、Copilotボタンや指紋センサーを搭載。メモリは最大64GB搭載でき、内蔵ストレージはPCIe 4.0 M.2 SSDを2枚搭載可能。
無線機能はWi-Fi 7またはWi-Fi 6E準拠無線LANとBluetooth 5.4。外部ポートは、前面にUSB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 2 2基、音声入出力を、背面に2.5Gigabit Ethernet 2基、USB4、Display Port 1.4 2基、HDMI 2.1、USB 3.2 Gen 2、USB 2.0を用意。サイズは130×130×34mm、重量は0.55kg。
Copilot+ PC準拠のタワー型デスクトップPCと一体型PC
法人向けPCの「Expert P」シリーズは、プロセッサにRyzen AI 300シリーズを採用する最新PC。ノートPCを1製品、タワー型PCを2製品、一体型PCを1製品展示した。
ノートPCは、14型のExpertBook P3 PM3406を展示。
プロセッサにRyzen AI 7 Pro 350を採用しており、Copilot+ PCに準拠する。メモリは16GBまたは32GBで、最大64GBまで搭載可能。内蔵ストレージは1TBのPCIe 4.0 SSDを搭載し、最大2枚のSSDを搭載できる。
ディスプレイは、リフレッシュレート144HzのWQXGA(2,560×1,600ドット)またはWUXGA(1,920×1,200ドット)の液晶を採用。筐体は、米国国防総省調達基準「MIL-STD 810H」準拠の堅牢性試験をパスする堅牢性を備える。
今回は展示していなかったが、バリエーションモデルとして16型液晶搭載のExpertBook P3 PM3606も用意される。
タワー型PCは、スリムタワー型の「ExpertCenter P700 SFF」と、ミニタワー型の「ExpertCenter P700 Mini Tower」の2製品を展示。
ExpertCenter P700 SFFは、プロセッサにRyzen AI 7 350またはRyzen AI 5 330を搭載。ビデオカードとしてNVIDIA RTX 400も搭載する。メモリは最大64GB、ストレージはHDDからM.2 SSDまで幅広く搭載可能。光学ドライブも搭載できる。
無線機能はWi-Fi 6準拠無線LANとBluetooth 5.4を搭載。MIL-STD 810H準拠の堅牢性試験もクリアしている。サイズは93×296×309mm、重量は5.06kg。
ExpertCenter P700 Mini Towerも、プロセッサにRyzen AI 7 350またはRyzen AI 5 330を搭載。ビデオカードはNVIDIA RTX 400に加えて、GeForce RTX 3050も選択可能。こちらもメモリは最大64GBで、ストレージはHDDからM.2 SSDまで幅広く搭載可能。電源は、搭載ビデオカードに合わせて180W(80PLUS Bronze)または330W(80PLUS Platinum)のいずれかとなる。サイズは155×296×347mm、重量は6kg。
一体型PCの「ExpertCenter P600 AiO」は、23.8型フルHD液晶一体型のCopilot+ PC。プロセッサはRyzen AI 7 350、Ryzen AI 5 340、Ryzen AI 5 330から選択できる。メモリは最大64GB、内蔵ストレージはM.2 SSDを最大2基搭載できる。
ディスプレイは、標準はタッチ非対応だが、タッチ対応パネルも選択できる。ディスプレイ上部にはポップアップ型の顔認証カメラを搭載。カメラの解像度は1080pまたは500万画素。無線機能はWi-Fi 7またはWi-Fi 6準拠無線LANとBluetooth 5.4を搭載。サイズは541×210×416mm、重量は6.9kg。
VivobookシリーズのCopilot+ PC準拠モデルやGeForce RTX 50シリーズ搭載ProArtシリーズなど続々日本に投入
メインストリーム向けノートPC「Vivobook」シリーズでも、Copilot+ PC準拠モデルを拡充。会場で展示していた14型モデル「Vivobook S14 S3407QA」と16型モデル「Vivobook S16 S3607QA」は、プロセッサにSnapdragon Xを採用するモデル。日本ではまだ未発売だが、2025年下半期に日本で発売する予定だという。
また、プロセッサにRyzen AI 300シリーズ搭載の14型モデル「Vivobook S14 S3407AA」と16型モデル「S3607KA」も同じく2025年下半期に日本に投入予定。
アーティストやクリエイターをターゲットとする「ProArt」シリーズのノートPCのうち、dGPUにGeForce RTX 5070/5060搭載の最新モデルも、7月以降順次日本で発売する予定だ。
ミラノデザインウィーク2025で展示した特別デザイン天板のZenbook
Zenbookシリーズとしては、4月にミラノで開催されたミラノデザインウィーク2025で披露した、特別デザイン天板のZenbookコンセプトモデルを展示。最新Zenbookシリーズで採用されている、アルミニウムをベースにセラミックの質感を施した独自素材「セラルミナム」に、スクラッチやドットなどの特徴的なデザインを彫り込むとともに、鮮やかな彩色を施している。
かなり特殊な加工が必要で、現時点ではコンセプトモデルとなっているが、2027年に量産化できるよう検証を進めているそうだ。