【CEATEC JAPAN 2009レポート】
次世代コンピューティングパビリオンで各社PCが一斉展示

次世代コンピューティングパビリオンのブース

会期:2009年10月6日~10日
会場:幕張メッセ



 本稿では、10月6日~10日の間に幕張メッセで開催されているIT/エレクトロニクス総合展の「CEATEC JAPAN 2009」における、日経BPとインテルの共催による「次世代コンピューティングパビリオン」と、UQコミュニケーションズ、およびシャープのブースの模様をお伝えする。

●次世代コンピューティングパビリオン

 大手PCメーカー各社は、CEATECにおいて目立ったPCの展示を行なっておらず、ほぼこの次世代コンピューティングパビリオンに集約されている。主だった話題としては、Core i7、CULV CPU搭載ノート、MID/UMPC、Windows 7搭載PCなどがある。

 Core i7の話題としては、デルのCore i7搭載ノートPC「Studio 15」が参考展示されている。タスクマネージャーからわかるように、8つのスレッドが動作していることがわかる。展示機はディスクリートGPUとしてRadeon HD 4570も搭載しており、性能には期待が持てそうである。また、デスクトップ向けのCore i7の話題はなかったものの、SSDとHDDのパフォーマンス比較として置かれている展示機がLynnfield+Intel P55 Expressベースであることが確認できた。

デルのStudio 15。モバイル向けCore i7を搭載するSSDとHDDの比較デモ。デモにはLynnfield搭載機が用意されていた

 CULV CPU搭載ノートPCとしては、日本エイサーが現在発売中の「Aspire Timeline」と、Gatewayブランドの「EC1400-31K」などを展示し、ブースの一角を占めた。多数並んで稼動しているため、実際に試用することが可能だ。エイサー関連で、ネットブックのAspire oneシリーズなども置かれている。

日本エイサーのAspire TimelineGatewayブランドのEC1400-31K。Celeronを搭載しながら実売59,800円前後となっている
Aspire oneの最上位機種にあたる751シリーズ。液晶が一回り大きく、8時間駆動となっているGatewayの廉価なCeleron 900搭載ノート。展示機ではWindows 7をプリインストールしていた

 また、Lenovoは10型前後の液晶を搭載しているとみられる「IdeaPad U150」を参考展示した。超低電圧版Core 2 Duoを搭載しているとのことだが、稼動していなかったためスペックを確認できなかった。革のような柄が入ったパームレストや、シャンパンゴールドを髣髴とさせるキートップなど、デザインに力を入れている製品であることが伺える。

Lenovoの「IdeaPad U150」パームレストには模様が入っている

 Core 2 Duoを搭載した新製品として、パナソニックが「Let'snote N8」、「同S8」を展示。こちらは実際に稼動しており、触ることもできる。

パナソニックの「Let'snote N8」Let'snote S8。両方ともWiMAX通信中であるS8の光学ドライブのふたをあけたところ

 MID関連では、BenQやCOMPAL製のMoblin搭載機が並べられており、実際に手に取ることができる。Moblin搭載というと、開発環境が整っていないというイメージがあったが、ブースではネットディメンションがMoblin向けのアプリケーション開発環境をデモしていた。デモを実際に見せてもらったところ、Atom搭載機とは思えないスムーズさで3DのUIが動作し、地図や音楽/動画再生、3Dゲームなどのコンテンツを実行していた。

 一方UMPCでは、Yukyung製の「Viliv S5」や「X70」(国内ではBRULEが取り扱っている)、富士通の「LOOX U」などが展示されていた。こちらはいずれも発売済みの製品だ。

ネットディメンションのMoblin向けアプリケーション開発環境で作成したソフトウェアデモ。地図や音楽再生などが直感的な3D UIで実現できるBRULEが取り扱っているViliv S5とX70BenQ製のMID。Moblinが動作している

 Windows 7に関しては、「Windows 7 タッチ&トライコーナー」を用意し、各社のPCにWindows 7をインストール、実際に使用を体験することができる。目立ったところでは、富士通がシニア向けの「らくらくパソコン」に、またエプソンはネットブック「Endeavor Na02mini-V」にWindows 7をインストール。特にNa02mini-Vに関しては、Windows 7 Starterをインストールしており、展示機の大半を占めるWindows 7 Home Premium以上との違いを体験することができるはずだ。

Windows 7 タッチ&トライコーナー富士通のらくらくパソコンにWindows 7搭載モデルが登場エプソンのネットブックEndeavor Na02mini-VはWindows 7 Starterをインストール
リラックマとガチャピンをテーマとしたネットブック教育機関向けのクラスメイトPC

●UQコミュニケーションズ

 WiMAXのプロバイダであるUQコミュニケーションズのブースでは、WiMAXモジュールを内蔵したノートPCを多数展示。レノボや東芝の製品のほかに、MSIのCULV CPU搭載ノートPC「X340」、オンキヨーのネットブック「C204A5」にWiMAXモジュールを内蔵したモデルを展示した。

UQコミュニケーションズのブースさまざまなWiMAX内蔵PCを展示
MSIの「X340」にWiMAXを内蔵したモデルオンキヨーの「C204A5」にWiMAXを内蔵したモデル

 また、先述の「Viliv S5」や、工人舎のUMPC「PM」にWiMAXを内蔵したモデルも参考展示し、これらの持ち運びが容易な小型デバイスにもWiMAXが最適であることをアピール。さらに、AavaとQuanta、Elektrobit製のMIDのモックアップも展示した。

 さらに、Intelの無線モジュール「WiMAX/WiFi Link 6250」も展示。従来の「WiMAX/WiFi Link 5150」では、下りで最大13Mbps、上りで最大3MbpsのWiMAX通信が可能だったが、新製品は下り最大20Mbps、上り最大6Mbpsと速度が向上している。搭載機器は2010年以降になるとしている。

Viliv S5にWiMAXを内蔵した参考展示モデル工人舎のPMシリーズにWiMAXを内蔵した参考展示モデル
海外各社のWiMAX対応MIDのモックアップWiMAX/WiFi Link 6250

●シャープ

 シャープのブースでは、9月25日に発売したUbuntu搭載モバイルインターネットツール「NetWalker」を展示。カラーバリエーションも展示されているので、購入前の検討材料となるだろう。さらに、ブースの一部のコンパニオンはデコレーションしたNetWalkerを手にしている。

 このほか、光センサー液晶を搭載したネットブック「PC-NJ70」や、カラー電子辞書「Brain」シリーズなども展示した。

シャープのブースモバイルインターネットツールNetWalker
ネットブックPC-NJ70シリーズカラー電子辞書Brainシリーズ

(2009年 10月 7日)

[Reported by 劉 尭]