イベントレポート

ADATA、リード最大7,000MB/sのPCIe 4.0 SSD試作機を展示

~InnoGrit製コントローラ採用で超高速アクセスを実現

PCIe 4.0対応SSDコンセプトモデル「SAGE」。PCIe 4.0 SSD最上位モデルとなる

 ADATA Technologyは、CES 2020会場ブースにおいて、PCIe 4.0対応SSDのプロトタイプを3製品展示した。

 展示されていたSSDのうち、最上位となるのがコードネーム「SAGE」という製品だ。最大の特徴はその性能で、シーケンシャルアクセス速度はリード最大7,000MB/s、ライト最大6,100MB/sに達している。実動のデモも行なわれていたが、ベンチマークテストではシーケンシャルリードが7,240MB/sと公称を上回る速度を確認できた。

 SAGEが採用するSSDコントローラは、InnoGrit製の「IG5236」というものだ。聞き慣れないメーカーだが、元Marvell Technologyで最高技術責任者を務めていたZining Wu氏が2016年に立ち上げたファブレス企業とのこと。安定性などは現時点では不明だが、展示されていたプロトタイプでもこれだけの性能を発揮できていることを考えると、かなり高性能なコントローラに仕上がっていると考えられる。

 接続インターフェイスはPCIe 4.0 x4、プロトコルはNVMe 1.4をサポート。容量も最大4TBと大容量なモデルまで投入する予定となっている。

SSDコントローラにInnoGrit製の「IG5236」を採用し、リード最大7,000MB/s、ライト最大6,100MB/sの超高速アクセスを実現
こちらがSSDコントローラのInnoGrit製「IG5236」
実働モデルも展示していた
ベンチマークテストでは、シーケンシャルリードが7,240MB/sに達していた

 また、コードネーム「INDIGO」という製品も、かなり高性能なPCIe 4.0 SSDとなっている。こちらはSSDコントローラにSillicon Motionの「SM2264」を採用し、シーケンシャルアクセス速度はリード最大7,000MB/s、ライト最大6,000MB/sと、SAGEに匹敵する性能を実現。容量も最大4TBまでを想定。

PCIe 4.0対応SSDコンセプトモデル「INDIGO」。こちらもSAGE同様の高性能モデルだ
SSDコントローラはSillicon Motionの「SM2264」を採用
リード最大7,000MB/s、ライト最大6,000MB/sと、こちらも非常に高性能だ

 メインストリーム向けとなるのがコードネーム「PEARL」だ。SSDコントローラにSillicon Motionの「SM2267」を採用し、シーケンシャルアクセス速度はリード最大4,000MB/s、ライト最大3,000MB/sとなる。

 上位2モデルに比べるとやや遅く感じるが、それでもPCIe 3.0 x4 SSDと比べると十分に高速で、メインストリーム向けとして考えると圧倒的な性能を実現する製品となる。また、こちらも大容量の4TBモデルまでが用意される予定。

メインストリーム向けPCIe 4.0対応SSDコンセプトモデル「PEARL」
こちらはSSDコントローラにSillicon Motionの「SM2267」を採用
メインストリーム向けだが、リード最大4,000MB/s、ライト最大3,000MB/sと申し分ない速度を発揮する

 これらPCIe 4.0 SSDの発売時期はまだ確定していないものの、製品によっては早ければ2020年4月に発売される可能性があるという。価格は未定だ。

PCIe 3.0 SSDにも4TBが登場、こちらは1月末に発売

容量4TBを実現したPCIe 3.0対応SSD「XGP SX8100」新モデル。中国の春節に間に合うように発売する予定とのこと

 現時点でM.2 SSDの最大容量は2TBだが、ADATAはいち早く最大容量となる4TBを発売するという。その製品がPCIe 3.0対応SSDの「XGP SX8100」シリーズだ。発売済みの製品だが、新たに4TBモデルが追加となる。

 仕様は既存モデル同様で、SSDコントローラにRealtekのRTS5762を採用し、容量4TBの3D TLC NANDフラッシュメモリを搭載する。シーケンシャルアクセス速度は、リード最大3,500MB/s、ライト最大3,000MB/s。

 2020年1月末の中国の春節までには発売するとのことだが、現時点では価格は未定だ。