イベントレポート
Seagate、20TB超の容量を実現する熱アシスト磁気記録方式対応の3.5インチHDDを展示
~マルチアクチュエータ技術「MACH.2」対応HDDも展示
2018年6月7日 08:22
Seagateは、COMPUTEX TAIPEI 2018会場ブースにおいて、熱アシスト磁気記録方式「HAMR」に対応する3.5インチHDDや、マルチアクチュエータ技術「MACH.2」に対応するHDDを展示した。
HAMRは、データ記録時に記録媒体をレーザー光線を利用して過熱することによって、記録密度を大幅に高められる技術で、Seagateが長年開発に取り組んできたものだ。2017年10月には、HAMR方式を採用したHDDを2018年末より出荷を開始すると発表(Seagate、WDより2年早く40TB HDDを実現)。そして今回、COMPUTEX TAIPEI 2018ブースでHAMR方式対応の3.5インチHDDを実際に展示した。
展示されたHAMR対応HDDは、なかが見えるように透明の板が取りつけられたデモ用となっていた。ヘッドを見ても、通常のHDDのヘッドとの違いはほとんどわからなかったが、これが実際のHAMR対応のヘッドになるという。展示されていた個体も実際に動作するとのことだが、残念ながら動作デモは行なわれなかった。もちろん出荷時には、金属パネルで覆われるため、なかが見えることはない。
容量は、Seagateがすでに発表しているとおり、最低容量が20TBになるという。そして、2019年よりエンタープライズ向けの製品から出荷を開始するとのことだ。
また、マルチアクチュエータ技術「MACH.2」に対応するHDDも展示。MACH.2は、複数のアクチュエータを用いて、ヘッドを複数に分けてそれぞれを個別に動作させられるというもの。
展示されていたのは2つのアクチュエータを搭載し、ヘッドを2ブロックに分けてそれぞれが個別に動作する仕様となっていた。ヘッドが2つのブロックで個別に動作することで、データアクセス速度が通常のHDDに比べて2倍に向上するとしている。さらに将来は、3ブロックや4ブロックというように、アクチュエータの数を増やしていく計画とのことで、それによってHDDのアクセス速度を飛躍的に高められると説明した。
展示されていたMACH.2対応HDDは、HAMR対応HDD同様に透明な板でなかが見えるようになっており、実際にヘッドが2ブロックに分かれて異なる位置で停止している状態となっていた。こちらも実可動モデルだと説明されたが、実際に動作デモは行なわれなかった。このMACH.2対応HDDもエンタープライズ向けからの製品展開を想定しているとのこと。出荷時期は現時点では未定。