イベントレポート

Intel、Edison/Galileoの後継小型開発ボード「Joule」を発表

~Atom T5700/4GBメモリ/16GBストレージ/Wi-Fi/USB 3.0などを搭載

Intel CEO ブライアン・クルザニッチ氏が手に持っているのが開発ボードの「Joule」

 Intelは、8月16日~18日(米国時間)の3日間に渡り、開発者向けイベント「IDF(Intel Developer Forum)」を開催している。

 初日に行なわれた基調講演には、同社のCEOブライアン・クルザニッチ氏が登壇し、メイカーと呼ばれる電子機器をDIYで開発する開発者向けに提供してきた小型のコンピュータボード「Edison」、「Galileo」などの後継製品として、「Joule(ジュール)」――エネルギー量を示す単位ジュールの由来となっている科学者ジェームス・プレスコット・ジュールの名前に由来すると考えられる――を明らかにした。

Edisonと同じようなカードサイズにAtom SoC、Wi-Fi/BTなどを統合したJoule

Jouleは、Edison、Galileoの後継となるメイカー向け開発ボード

 Intelが公開した資料によるJouleの仕様は下表のようになっている。

【表】Joule 570XとJoule 550Xの仕様
Joule 570XJoule 550X
SoCAtom T5700(1.7GHz)Atom T5500(1.5GHz)
GPUIntel HD Graphics(4K対応)
メモリ4GB LPDDR43GB LPDDR4
ストレージ16GB eMMC8GB eMMC
無線機能IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1
インターフェイスUSB 3.0、CSI/DSI、GPIO、I2C、UART

 Jouleは、Atom T5700ないしはAtom T5500というSoCを搭載し、内蔵のIntel HD Graphicsを利用して4K出力が可能。メモリは4GBないしは3GBで、16GBないしは8GBのeMMCをストレージとして持つ仕様になっている。

 無線はWi-Fi(IEEE 802.11ac対応)とBluetooth 4.1で、USB 3.0、CSI/DSI、GPIO、I2Cなどのインターフェイスを備えている。具体的なサイズは明らかにされていないが、Intelが公開した資料では、25セントコインと比較しており、縦は25セントコイン1つ分、横は25セントコイン2つ分ちょっとという大きさになっている。OSとしてはIntelから提供されるReference Linux IoT、Ubuntu、Windows 10 IoT Coreなど各種のOSが利用可能。各種IoT(Internet of Things)機器の開発などに活用できる。

Jouleのボード、シルバーのヒートスプレッダがJoule
Windows 10 IoT Coreで動いている様子

 クルザニッチ氏の講演の中では、GEがこのJouleを利用したIoTによるスマートシティーのデモを行なったほか、Joule 570Xの即売会も行なわれた。Intelによれば、日本、米国、多くの欧州諸国では、Joule 570X、Joule 550Xの開発キットが第4四半期から販売開始される予定となっている。

IntelのJouleのデモ。作業用のARメガネに組み込んでいる様子。ディスプレイに作業すべき箇所が表示されている。GPUを内蔵しているためこうした表示が可能に
IDFでの特別価格として、Joule 570Xが369ドル(日本円で約37,000円)で販売されている