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「コカ・コーラの味」を完全再現?科学系YouTuberが公開した「秘密のレシピ」が話題に

 科学系YouTubeチャンネルのLabCoatzにおいて1月8日、「コカ・コーラを完全に再現できた」という動画が投稿された。

 コカ・コーラは1886年に誕生した、世界でも馴染み深い炭酸飲料の1つなのだが、そのレシピはトップシークレットであり、巨大な鋼鉄の金庫室の中に保管されている。原料を製造する会社ですら、何に使われるものなのか知らされないままラベルなしで出荷している。そのためこれまで、YouTube上ではコカ・コーラのレシピを再現しようとさまざまな試みがなされてきたが、いずれも「似て非なるもの」だった。

 このレシピを“リバースエンジニアリング”する唯一の手段は、質量分析計を用いて解析することだと、2016年に発表されたある記事で述べられていたが、そうしたリソースや時間を持っているのは大企業に限られると、当時の記事内でまとめられている。

 しかしLabCoatzによれば、「これは科学系YouTuberが活動する前の話で、実際、私は質量分析計を所持している2人の友人がいる」と、約1年前から彼らに協力を得てチャレンジを始めたという。

 実は、これまでpH測定やそのほかの科学的分析によって、コカ・コーラの成分の99%は何でできているのか分かっている。それは容量1Lあたり、

  • 約110gの砂糖
  • 96mgのカフェイン
  • 0.64gのリン酸
  • カラメル色素
  • フラルなどの風味化合物

 ただ、残りの「天然香料」については不明なのだ。初期のレシピでは脱コカインされたコカの葉を原料としているといった記録もあるため、LabCoatzが取り寄せようともしたのだが、あえなく失敗。そのためプロファイルを一から作り始めたという。

 これまでの再現系ドリンクでは柑橘類、スパイス、キャラメル、バニラばかり目が行きがちだったが、LabCoatzが注目したのは、これまで見落とされていたコカの葉から得られる“グリーン系”の風味で、これがないとペプシコーラのようなスパイス系コークになってしまうのだという。ただ、ティーツリーオイルを始め、さまざまなフレーバーを数カ月試してもうまくいかず、「やはりコカの葉がないとダメかも」と諦めかけたという。

 そうして試行錯誤した結果ついに見つけた答えが、お茶に含まれるタンニンだ。これは甘い風味を隠すために役立つドライで渋い味がある。揮発性もないため、ガスをベースとした質量スペクトルに現れないため長らく見逃していたという。ワイン製造のために販売されているため、すぐにサンプルを取り寄せ試したところ、見事オリジナルのコカ・コーラとほぼ同一の質量スペクトルが検出された。そしてその味はコカ・コーラに酷似し、クラシックなコカ・コーラにもっとも近かったとしている。

 動画ではレシピが公開されているのだが、質量計、最大1,000μLまで正確に計量できるマイクロピペット、50mLのメスシリンダー、ガラス製の保存ボトルや耐熱容器などが必要になるため、「制作のための初期費用は高くつく」としている。ただし原液は長期保存可能で、大量に作れるため、コカ・コーラ好きなら非現実的なコストというほどでもないようだ。

 ちなみに、コカ・コーラのレシピは特許申請されていない。特許を取得するためにはそのレシピを公開する必要があり、秘密にしたいコカ・コーラの意思に反するためだ。よって、製造した“コカ・コーラもどき”をコカ・コーラとして販売しない限り、コカ・コーラが(告訴など)できることは何もないという。