ワコム、マルチタッチ対応ペンタブレット「Bamboo」発表会

Bambooシリーズ

10月3日 発売
価格:オープンプライス



 株式会社ワコムは24日、マルチタッチにも対応したペンタブレット「Bamboo」シリーズ新製品の発表会を都内で開催した。

 Bambooの新シリーズは、従来のペンによる操作のほか、タッチセンサーを搭載することで、タッチパッドのように指で直接触れて操作する機能が加わった。タッチは2本指による操作に対応するのが特徴となっている。主な仕様や機能については製品ニュース記事を参照されたい。

●新しいユーザーインターフェイス(UI)のカテゴリ
代表取締役社長 山田正彦氏

 発表会の冒頭では、同社 代表取締役社長 山田正彦氏が挨拶。同氏は、「PCが登場して25年間の間に、市場が大きく変化した。それはクラウドコンピューティング環境の整備など、技術的な側面だけでなく、それを取り巻くユーザーの使い方にも地殻変動が起きている」とした。

 使い方変化としては、単純にPCに計算をさせるような「処理」ではなく、PCがネットワークによって相互に接続することで、人と人が繋がり、「感動などを分かち合う」ような使い方に変わった。それにより、PCは生活の一部分を占めるようになり、デジタルライフスタイルが生まれたとした。


デジタルライフスタイルの誕生市場の変化

 その一方で、デジタル機器の多様化と多機能化により、UIも多様化、そして複雑化していった。さまざまな機器とその機能を「使いこなす」ためには、この多様で複雑なUIの壁を乗り越えていかなければならないとし、「我々は革新的なUIをもたらす製品を開発することで、ユーザーが多様化/多機能化するデジタル機器を使いこなして、そのメリットを享受できる環境を作っていきたい」と語った。

 UIに求められる要素は、「簡単さ」であり、「説明がいらないぐらいのシンプル性」が重要だとする。そのためには、UIそのものの効率よりも、感性に訴えるものが必要だと指摘した。

 そこでワコムは、今回新たに、従来のペンに加えて、タッチ操作に対応したタブレットを開発。「タッチは五感のうちの1つで、人間の感性に訴えることができる。ロジックを超えて感性に近いところにあり、好奇心や冒険心などを誘う。そういった観点から、今回新たにタッチを採用することで、新しいユーザーインターフェイスのカテゴリを創出できるものだと考えている」と語った。

 最後に同氏は、「新Bambooシリーズは、直感的に操作できるタッチと、表現力を高められるペンの組み合わせを提案したい。PCとPCが繋がるのはPCを繋げることが目的ではなく、人と人を繋げるのが目的であるが、Bambooも人と人の繋がりを促進するようなツールでありたい」と述べた。

タッチはロジックを超えて感性に近く、直感的である同社のタッチに対する概念Bambooにより新たなカテゴリの創出

●Social Creatives向けの製品

 同社 オペレーションズ統括 営業本部 プロダクトマーケティング部 GMの大山和子氏は、製品について説明。同氏はまずペンとタッチが融合したメリットを、「やりたいことを思いのままにできるだけでなく、自分らしさを表現することも可能」だと表現した。

 Bambooがターゲットとするユーザーも、前述のように「自分らしさを表現する人」だとする。一例としてSNS「mixi」やマイクロブログ「Twitter」で情報を発信している人などがあり、同社ではこの人たちを「Social Creatives」と名付けて、製品のターゲットユーザーとした。

 そして、このSocial CreativesにBambooを使ってもらうことで、インスピレーションが生まれ、直感的に自分らしさを表現できるとした。

オペレーションズ統括 営業本部 プロダクトマーケティング部 GMの大山和子氏自分らしさを表現するツールとしてのBamboo自分らしさを表現する人たちを同社ではSocial Creativesと名付けている
Social Creatives向けに目指したものBambooによる新たな使い方の創出Bambooのラインナップ

 発表会後では、実際にBambooを使い、Google Earthの直感的な操作や、LoiLoScopeを使った動画編集、プレゼンテーションの資料作成などをデモし、Bambooの操作性の良さをアピールした。

女性が水族館に出かける前の地図チェックや、水族館に行った後のビデオ編集を想定したデモ男性が会社に到着し、プレゼン資料作成やWebチェック、手書き入力による文書校正などを想定したデモ

(2009年 9月 24日)

[Reported by 劉 尭]