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Microsoft、137BコーディングAIをPCローカル実行へ。トークン消費を節約
2026年10月8日 14:39
クラウド頼みだったAIを、手元のPCとの“二刀流”へ。米Microsoftは10月7日(現地時間)、NVIDIA RTX Spark搭載PCの予約開始に合わせ、ローカルとクラウドのAIを組み合わせるハイブリッドインテリジェンスに向けたWindowsの新たな基盤とモデルを発表した。RTX Spark搭載PCは、Microsoftの「Surface Laptop Ultra」のほか、ASUS、Dell、HP、Lenovo、MSIから登場し、10月16日に出荷を開始する。
Microsoftが提唱するハイブリッドインテリジェンスとは、ローカルAIとクラウドのAIを組み合わせ、エージェントが必要に応じてそれぞれを利用し、組織が期待するセキュリティと管理性を兼ね備えたプラットフォームのこと。実現には、安全なプラットフォーム、高性能なローカルモデルとランタイム、Copilot機能の強化、そしてそれを動かすための新世代のシリコンを搭載したPCが必要だとしている。これらは特定の新製品だけの機能ではなく、Windows 11やCopilot、GitHub Copilotといった既存のOS・アプリ側の強化として順次提供されるもので、ローカルAIの実行にはCopilot+ PCやRTX Spark搭載PCなど対応ハードウェアが必要になる。
AIエージェントを動かすうえで最重要なセキュリティ
AIエージェントをローカルで動かすうえで課題になるのがセキュリティだ。従来のアプリと異なり、AIエージェントは24時間動き続け、ツールを使い、コードを書き、ファイルにアクセスし、システムをまたいで操作する。しかも人間がすべての手順を見張っているわけではない。
そのためMicrosoftは、こうした動き方に合わせた新しいセキュリティモデルが必要だとし、エージェントのアクセス範囲を制御する「封じ込め」、どのエージェントが操作したかを識別する「ID」、組織として統制する「管理性」の3つをWindowsに組み込む。
その中核は、同日にWindows 11で一般提供を開始した「Microsoft Execution Containers(MXC)」だ。プロンプトやツール呼び出しのたびに封じ込め要件が異なるAIエージェントに対し、従来のサンドボックスは機能的に不十分だったとしている。
一方MXCでは、エージェントがアクセスできるファイルやネットワークをあらかじめ定義し、そのポリシーを実行時に強制する。隔離方式は、プロセスやセッション単位の分離のほか、WSLc、仮想マシン、「Windows 365 for Agents」から選択できる。個人のPCでも、MXCの保護はエージェントの利用体験の一部として組み込まれる。
MXCには、Codex、GitHub Copilot、OpenClaw、Replit、LM Studio、NVIDIAの「OpenShell」、Unsloth AIがすでに対応しており、AnthropicのClaude CodeやPerplexity、Manusなども対応を予定する。Metaの個人向けAIエージェントであるMuse for Windowsも、MXCと統合したネイティブアプリとして近日登場する。
AIエージェントのためのモデルとランタイム
モデル面では、6月のBuildで発表したコーディング向けモデル「MAI Code 1.1 Flash」をローカルで動作可能にした。このモデルは総パラメータ数137B(1,370億)、アクティブパラメータ数6.8B(68億)で、3bit精度によってモデルサイズを8割近く削減し、コーディング品質を保ちながら256Kトークンのコンテキストウィンドウに対応する。
このほか、70B(700億)を超えるパラメータを2bitで量子化して20GB強のメモリで動作するNVIDIAの次期「Nemotron」モデルや、パラメータ数284B(2,840億)の「DeepSeek V4 Flash」などを、RTX Spark上でローカル動作させる。最適化と調整により、精度と性能を維持しながら、これまで最先端技術でしか実現できなかった機能をローカルにもたらし、メモリとシステムリソースの使用量を削減する。
処理の振り分けでは、GitHubが今年(2026年)に入って提供を開始した、タスクごとに適切なクラウドのモデルを選ぶ「HydraFusion」をWindowsに拡張し、PC上のローカルモデルも振り分け先として利用できるようにする。GitHub Copilotアプリ、GitHub Copilot CLI、Visual Studio Codeにおいて、10月中に試験的なプレビューとして提供される。
また、ランタイム面では、GPU/NPU/CPUにAIモデルを展開するWindows MLがllama.cppをサポートするとした。これによりオープンソースのモデルを扱いやすくなる。
Copilotアプリではクラウドとローカル両方で賢く処理
Copilotアプリの強化も発表。ユーザーが許可することにより、ローカルのコンテンツを理解してワークフローに取り込めるようになるほか、ローカルでファイルの整理やデバイス診断の評価、問題のトラブルシューティング、コーディングなどを実行できる。ローカルのモデルと組み合わせて利用することも可能になる。
また、単一のプロンプトからネイティブのWindowsアプリを作成したり、MXCサポートによってコードを安全に実行したり、必要に応じてローカルモデルを使用したりできる。これらの機能は、今後数カ月以内にCopilot+ PCで順次展開予定。
ミニPCがAIエージェントに最適な実行プラットフォームに
AIエージェントを動作させるPCとして、ミニPCが人気だとMicrosoftも認識しているという。そのため、人気のAIエージェントを数クリックで簡単にセットアップできる方法が発表された。
公開された動画ではHermes Agent、OpenClaw、Perplexityの3つが確認でき、ウィザード形式でセットアップを進めることができるとされる。OpenClawユーザー向けには、セットアップを簡素化するネイティブWindowsゲートウェイと、MXC統合機能を提供する。
これらのハイブリッドインテリジェンス機能を動作させるPCとしてはCopilot+ PCのほか、RTX Sparkを搭載したPCを挙げている。中でもMicrosoft自社のSurface Laptop Ultraは、最大128GBのユニファイドメモリを搭載し、120B(1,200億)を超えるパラメータのAIモデルをローカルで実行できるとしている。
また、RTX Spark搭載のデスクトップ型開発機「Surface RTX Spark Dev Box」も予約を開始しており、米国では11月に出荷する。他社のRTX Spark搭載の開発機やミニPCも年内に登場予定。さらに上位として、NVIDIAの「GB300 Grace Blackwell Ultra Desktop Superchip」を搭載したデスクサイドのスーパーコンピュータ「DGX Station for Windows」を年内に投入する。












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