やじうまミニレビュー

ダイソーのイス付きリュック、カッターが貫通する薄さでPCは要注意

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「折りたたみイス(リュック付仕様)」。ダイソーで販売されている。実売価格は1,100円と破格の安さ

 ダイソーから、折りたたみチェアの機能を備えたリュック「折りたたみイス(リュック付仕様)」が登場した。価格は1,100円。普段は背負って持ち運び、休憩時には広げてチェアとして使える製品だ。長時間の行列時はもちろん、屋外のイベントやキャンプなどで、何かと便利に使える逸品だ。

 同様の製品はアウトドアグッズとしてはおなじみだが、本製品は実売わずか1,100円という破格のプライスが特徴だ。もっともそれゆえ省略されている部分も多いのだが、ノートPCやタブレットなどの持ち歩きに使えるかは気になるところ。実機を購入したので詳しくチェックしていく。

リュックとチェアが合体。チェアは実用的な高さ

 まず全体の構造から見ていこう。一般的にリュックとチェアが合体した製品には、リュック内にチェアを完全収納できる製品とそうでない製品があるが、本製品は後者で、チェア部分が露出したまま利用するタイプだ。チェアには背もたれはなく、またリュック部分はフラップ(かぶせ蓋)もないなど、構造はシンプルこの上ない。

 構造としては、横から見るとX字になった折りたたみのパイプチェアがあり、その座面の下にバッグ部分がぶら下がっている。このバッグ部分にはショルダーベルトが付いており、ここに腕を通すことで、背負って持ち歩けるという仕組みだ。バッグ部分は宙吊りになるため底面が地面に触れないのは、湿った場所などでは大きなメリットとなる。

 座面のサイズは実測25×28cm程度と、A4とほぼ変わらない小ぶりな面積だが、一方で座面の高さは実測42cmと、一般的なオフィスチェアの座面高である40~45cmとそう変わらないので、チェアとしては十分に実用的だ。ちなみに地面に触れるパイプ部には計4つのゴム脚が取り付けられており、チェアとして使ったあとは軽く拭いてやった方が、背負ったときに背中や腰を汚さず済むだろう。

チェアをたたんだ状態で正面から見たところ。チェアは外部に露出したままとなる
背面から見たところ。こちらに腕を通すことでリュックとして背負える
横から見たところ。ちなみにチェア部を閉じた状態で固定する機構はない
チェア部を開いたところ。座面の高さは実測42cmとそこそこある
座面サイズは実測25×28cm程度と、大きくはないが最低限の面積は有している
上部にはウレタン素材で巻かれたハンドルが付属する
地面に触れる部分には前後4つのゴム脚が取り付けられている
重量は実測1,100g台。一般的なリュックより構造が簡略化されているぶん意外と軽量
アウトドア利用でもバッグ部が接地しないのはメリットだ

収納可能なサイズは保護ケース込みだと11型クラスが限界?

 荷物の収納は、正面のファスナーを開いて行なう。ファスナーが片開きのため、完全に開き切らないと荷物の出し入れがしにくいのはマイナスだが、容積自体はそこそこあり、面積的にも13インチiPad Proくらいまでのサイズなら収納できる。またノートPCも、内部で斜めに傾いて構わなければ、14型クラスまで入れられることは確認した。

 ただし後述するように耐衝撃性が皆無なため、厚みのあるポーチなどに入れてから収納するのは必須で、そうなると収納可能なサイズはもう少し小さくなる。タブレットにせよノートPCにせよ、実質的に11型ないしは12型クラスまでと考えておいた方がよいだろう。

 このほか正面にはペットボトルホルダーを搭載している。この手のリュックにおけるペットボトルホルダーは側面に配置されていることが多いが、本製品は左右にチェアのフレームがあるため、正面しか選択肢がなかったとみられる。さらに背面の低い位置にはポケットがあるが、口が大きい上に常時開いたままなので、こちらは使いどころが難しい。

荷物の収納は正面から行なう。ファスナーは片開きなので毎回このように大きく開かざるを得ない
開口部の高さは実測28cmほど
開口部の横幅は実測20cmほど。A4よりわずかに小さい程度だ
奥行きは15cm弱ある。容積もそこそこ大きい
13インチiPad Pro(215.5×281.6mm)を傾けずに入れられる。ただし保護ケースに入れた状態で収納する場合は対応サイズはもうひとまわり小さくなる
ペットボトルホルダーも装備。折りたたみ傘なども入れられそうだ
背面下部には浅いポケットがあるが、口は常時開いたままで使いどころが難しい

価格優先のために削ぎ落とされた部分とは?

 そんな本製品は、実売1,100円という破格の安さが最大の売りだ。他社同等製品は実売3,000円から4,000円程度、どれだけ安くても2,000円程度はするので半額以下ということになるが、一方でこの価格で販売するために、本来あるべきさまざまな部分を削ぎ落とした印象は否めない。

 たとえばショルダーベルトは、クッション性がないペラペラの素材だし、バッグ本体も薄いポリエステル素材で、耐衝撃性はまったくない。底面が地面に直接触れる機会は少ないとはいえ、置いた場合は地面の凹凸がダイレクトに伝わってくるほどの素材の薄さゆえ、ガジェットを入れる場合、先に保護ケースに入れてからの収納は必須だ。

 またチェアを開かないように留めるベルトやボタン類がないため、背負って歩くとチェアのフレーム同士がぶつかってカチャカチャと騒々しい。さらにチェアとバッグが上部および側面でしか連結されていないため、荷物が少ない状態で持ち上げると、バッグ部だけが上に寄ってしまうのもマイナスだ。

ショルダーベルトは横幅こそ広いがクッション性はまったくない
バッグ部の素材はペラペラ。カッターの刃も簡単に貫通した
カッターで切った断面。厚みがまったくないことが分かる
荷物を入れずにチェアをたたんだところ。見るからにペラペラで耐衝撃性は皆無なので、ガジェット類を裸のまま入れるのは自殺行為だ
バッグとチェア部は上部と側面でしか連結されていないので、バッグが空の状態で持ち上げると上に寄ってしまう

 またファスナーが両開きでなく片開きであることに加えて、こうしたリュックでは一般的な、財布類やスマホを入れるのに適したファスナー付きのポケットが用意されていないのも、頻繁に荷物を出し入れする人にとっては少々つらい仕様だ。当然ながら保温や保冷のためのギミックもない。

 もうひとつ、耐荷重が最大70kgと、100~150kgが多い他社同等製品と比べてかなり控えめなのも要注意だ。各種統計では日本人の成年男性の平均体重は70kg前後とされるので、この時点で成年男性の半数近くが対象から脱落する計算だ。やむを得ず使う場合は、勢いをつけずにゆっくり座ることを心掛けたい。

足りない部分を自分で補いつつ使うのならばあり

 以上ざっと使ってみたが、実売1,100円という条件ありきで、とにかく削れるところを削って誕生した製品、という印象だ。使う側もそのあたりは理解した上で、タブレットなど電子機器を持ち歩く場合は保護ケースに収納してから入れる、リュックとして使うときはチェア部を面ファスナーなどで縛って動かないようにするなど、足りない部分を自分で補う工夫は必要だろう。

 とはいえ、なにせ1,100円という破格値である。サブのバッグとして使ったり、また折りたたみチェア付きのリュックをこれまで使ったことがない人が実際に試して「なるほど、選ぶ場合の注意点はここなのだな」と、製品への解像度を上げるのに役立てたりするのなら、十分に意味はあるだろう。

 このほか、イベントなどで単発で使ったあと、災害時の持ち出し用のリュックとして保管しておくのもありだろう。災害用途ならば、チェアを使う場面は確実にあるし、また快適性よりも実用性が優先されるからだ。現時点では取扱店舗は決して多くないので、ダイソーのアプリで在庫のある店舗を探してから足を運ぶことをおすすめする。