買い物山脈

折りたたみは一度ハマったら戻れない。開かず決済できる「razr 60 ultra」が好き

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです

 新しいガジェットが大好きなPC Watchの読者さんなら、もう折りたたみスマホを使いこなしているだろう(?)。かくいう筆者も、モトローラの最新スマホ「motorola razr 60 ultra」に乗り換えた。なんで最近出た「Galaxy Z Flip/Fold8」じゃないかって?

 まあいろいろあるんですよ……。

 というわけで今回は、このrazr 60 ultraに乗り換えたきっかけと、今まで使ってきた「Galaxy Z Flip4」との違い、使い勝手の進化などについてまとめていこう。結論としては、折りたたみスマホの魅力は魔法みたいなものなので、気に入ったならば折りたたみスマホを使い続けるべきってことだ。浮気なんかしたら絶対後悔するよ、いや本当に。

決済用スマホは「小さいが正義だ」と思うのだ

 新製品レビューというわけでもないし、最新機種とはいえ発売からそれなりに時間が経っている。razr 60 ultraの機能をあれこれ手広く紹介するのも違うような気もするので、今回は筆者なりの重要な選択ポイントに絞ってお話ししよう。

 まず一番重要だったのは「小ささ」である。最近に限ったことではないがスマホは大きくなりすぎて、個人的には取り回しの悪さを感じる。

 筆者は2022年9月発売のSamsung製Galaxy Z Flip4で、折りたたみスマホデビューを果たした。当時はFeliCa決済用のシャープ製「AQUOS R2 compact」と普段使い用の大型スマホを併用していたが、AQUOS R2 compactに限界が来ていたこともあり、Galaxy Z Flip 4ならメインのスマホとFeliCa決済用のスマホを1つにできるのではないかと考えたのだ。そして予想以上にハマった。

AQUOS R2 compact

 というのも、筆者は普段小さなバッグを持ち歩く機会が多い。出し入れしやすいバッグの前ポケットに、決済用の端末を入れたいのだ。Galaxy Z Flip4は折りたためば非常に小さくなるし、折りたたんだ状態でもFeliCa決済は問題なく行なえた。開けば普通のスマホのようにも使えるし、個人的にはこうしたフリップ型こそが折りたたみスマホの完成型だと思う。

Galaxy Z Flip4
折りたたんだ状態では小さなバッグでもラクラク持ち運べる

 あまりに気に入ったこともあって、筆者としては珍しく2年以上使ったGalaxy Z Flip4だが、購入した楽天モデルはストレージ容量が128GBと小さく、ファイル管理が厳しくなってきた。やむなく買い替えを検討した2025年6月の時点だと、最新の折りたたみスマホはまだまだ高く、涙をのんでスレート型のモトローラ製「edge 60 pro」に乗り換えたのだが、やはり縦折りスマホの魅力には抗いがたい。

 今までと同じ使い方がしたい、と悶々とする中で見つけたのがIIJmioの乗り換えキャンペーンにラインアップされていたrazr 60 ultra(SIMフリー)だ。SoCはSnapdragon 8 Elite、メモリは16GB、ストレージは512GBという高性能モデルで、実売価格は18万円前後。しかし乗り換えユーザー向けの特別価格は7月時点で10万9,073円と、大幅に安くなっていた(現在は14万9,800円!)。

7月時点では10万9,073円だったが、今では14万9,800円だ

 下位の「razr 60」なら、同じく乗り換えキャンペーンで8万円以下(現在は売り切れ)で購入できた記憶がある。ただメモリとストレージが高騰している現状を踏まえると、razr 60 ultraクラスのスマホを11万円弱で購入できる機会は、しばらく訪れないと予想したため、思い切って購入に踏み切った。この業界に長くいる筆者でも、半導体の高騰はもう先が読めない。

 また、原稿を書いている途中でAppleからも折りたたみ対応の「iPhone Duo」の発表があった。こちらも閉じた状態では5.4型、開いた状態では7.6型と、Galaxy Z Fold8とほぼ同じ画面サイズと使用感となることが予想される。

 Galaxy Z Fold8の発売後にその実物を店頭で確認したところ、サブモニターの見やすさや情報量の多さはフリップ型とは段違いであり、カメラがジャマしないのも気に入った。またiPhone Duoなら閉じた状態で横幅84.1mm、Galaxy Z Fold8で81.9mm。成人男性ならちょうど手のひらに収まるサイズだし、筆者が使っているバッグの前ポケットにも収納しやすい。

 iPad miniも使っているので、改めてiOS用にアプリを買いそろえる必要もないし、これは本命かなーと「値段を聞くまでは」考えていた。しかしいざ日本の販売価格が出てしまうと、さすがに腰が引けてしまったのも事実だ。スマホ1台に27万円だの30万円、あるいは40万円だの50万だのは出せない。いやどうかな、やっぱり欲しいな……。

Galaxy Z Fold8

サブディスプレイがちゃんと「使える」ものになっている

 次に操作性についてだ。せっかく最新のフリップ型に乗り換えるのだから、今までのGalaxy Z Flip4ではできなかったことがしたい。具体的にはサブディスプレイをきちんと活用したい。

 というのもGalaxy Z Flip4のサブディスプレイは、サイズが約1.9型と小さい上、表示できるのは日時や通知のアイコンなどで、一般的なアプリは利用できなかった。しかしrazr 60 ultraでは約4型と大型化しただけでなく、扱いとしてはメインディスプレイと変わらない。アプリのアイコンを表示できるのはもちろん、各アプリを起動して普通に利用できる。

Galaxy Z Flip4のサブディスプレイは日時や通知アイコンの表示がメイン
一方razr 60 ultraのサブディスプレイはメインと同様、自由にアプリが表示できる

 これは非常に重要だ。

 たとえばよく行くスーパーのアプリを、サブディスプレイから利用できるように設定しておく。買い物時はサブディスプレイ上のアイコンをタップすれば、そのアプリがサブディスプレイ上で起動し、QRコードやバーコードを読み込んでポイント管理やクーポン呼び出しが行なえる。支払時も、各種決済サービスのQRコードやバーコードをサブディスプレイに表示して決済できる。

このようにサブディスプレイによく行くスーパーのアプリなどを登録しておく

 サブディスプレイはサイズが小さいだけで、表示できる情報はメインディスプレイのものと変わらない。もちろんスクロールすることでQRコードやバーコードの一部が表示できなくなってしまうアプリは存在するだろうが、筆者が普段の買い物でよく使っている楽天ペイ、地元スーパーの「ベイシア」アプリ(ローカルすぎる)、JREポイント、auペイなどでは、サブディスプレイだけで問題なく決済できた。

 Galaxy Z Flip4では、こうした作業をするためにスマホを開く必要があり、結局のところ「折りたたんで小さくできる」ということにしかメリットはなかった(これも大きいけど)。しかしrazr 60 ultraでは、折りたたんだ状態でもきちんとスマホらしい操作ができるようになったため、使い勝手は大きく向上した。

すぐにポイント用バーコードを表示したりできる
支払いもサブディスプレイで完結

 サブディスプレイを搭載する面には下部にカメラレンズを搭載している。その部分にボタンやアイコンが来たり、バーコードやQRコードが正確に表示できなくなったりするアプリもあるが、表示設定でそうしたカメラレンズが来る場所自体を使わないようにもできる。

 またこのカメラのおかげで、サブディスプレイ面でも顔認証機能が利用できる。たとえば買い物時にスマホを取り出してサブディスプレイを見れば、すぐにアプリを利用できるようになるわけだ。もちろんこれらは最近の大型サブディスプレイ付き折りたたみスマホ全般にいえることではあるが、「小さなスマホ」としての使い勝手は非常に高いものだと感じた。

「小さなスマホ」としても実用性が高い

折りたたみ部分を強化、保護フィルム剥がれへの対応も改善

 個人的にはもうこの2点だけで十分説得力があると思っているのだが、折りたたみタイプのスマホの宿命としての折り目(ヒンジ)部分の改良と保険について触れておきたい。

 Galaxy Z Flip4を開くと、メインディスプレイの中央部分にあるヒンジにへこみがあることが分かるし、タッチ操作中にも明確に段差を感じる。コンテンツを見ているときには気になりにくいが、弱点の1つではあった。

 razr 60 ultraでもヒンジ部分にへこみがあるのは分かる。しかし段差は緩やかで、メインディスプレイを見ている分にはほとんど気にならない。

Galaxy Z Flip4(上)と比較してへこみが目立たなくなったrazr 60 ultra

 またrazr 60 ultraのヒンジにはチタンプレートを採用して耐久性を高めているという。とはいえかなり長期間利用したGalaxy Z Flip4でも、パカパカ折りたたんだことでヒンジが壊れたことはないし、razr 60 ultraで問題になることはなさそうだ。ただ砂や泥がヒンジに入り込んでダメになるケースは聞いたことがあるので、レジャーでも使いたいなら防塵型のカバーを付けるなりするとよいだろう。インドア派の筆者にはあまり関係ない話だが。

ヒンジ部はチタンプレートで強化されているが……砂や泥が入るのは回避できない

 もう1つの悩み事が、使い込むとメインディスプレイ側の保護フィルムがヒンジ部分から剥がれてくること。筆者のGalaxy Z Flip4も1年半でこうした症状が現れたし、ネット上では同じトラブルが多数報告されている。Samsungでは直営店持ち込みなら保護フィルムを無料で貼り直してくれるサービスを展開している。筆者も実際に利用したし、Samsung製の新製品を待っていた理由でもある。

 これは折りたたみスマホの宿命のようなもので、razr 60 ultraでも起きることを想定する必要がある。以前調べた範囲だと、1年は無償修理の範囲だがメーカーに返送する必要があり、そのときにデータもクリアされるということで、コストはともかくセッティングが面倒だと思ったため、razrシリーズを回避する理由になっていた。

 しかし今ではモトローラ修理パートナー(正規部品取扱店)の「iCracked」がフィルムの張り直しのみで完結する修理サービスを9,680円で展開しており、いざとなればこれを頼ればいいかと考えた。Samsung製スマホのように無料ではないが、気軽に頼れる先があるのはありがたい。

保護フィルム交換サービスは9,680円で用意されている

ライフスタイルにハマればこれ以上の選択肢は存在しない

 筆者は、画面サイズが大きいスマホを否定しているわけではない。過去にはソニーの「Xperia Z Ultra」やASUSの「ZenFone 3 Ultra」をタブレット兼用で愛用していたし、電子書籍を読んだり、出先でPDF書類を確認するなら大きい画面の方がよい。ゲームも大迫力で楽しめるわけで、まさに「大は小を兼ねる」といっていい。

さすがに今は電源を入れることはないが、Xperia Z UltraやZenFone 3 Ultraの実機もまだ手元に置いている

 ただ筆者が重視している決済時の操作のように、「小さい方がいい場面」も結構あるのに、現状ではその選択肢自体が存在しない。そうした状況に悩んでいるユーザーに対する1つの答えが、razr 60 ultraに代表される高機能型のフリップ型スマホなのではないだろうか。少なくとも筆者にとってはこれ以外の選択肢はないというくらいにハマったガジェットであり、今後もおそらくはこのタイプを買い続けるだろう。

 欲をいえば、このサブディスプレイ部分のみの端末があっても便利だと思うのだけど。たとえば4~5型の液晶モニターを装備した薄型筐体で、SIMカードの情報を大型スマホとBluetoothなどで連携できて、FeliCaが使えるなら決済はその端末ですべて完結できる。とはいえ、2台持ちでバッテリ管理が必要になるなら、やはりフリップ型スマホ1台を持ち歩いた方がいいなというのが結論かな……。