西川和久の不定期コラム

PC高いなら長く使え!バッテリもSSDも自分で換えられる「LAVIE N16」

製品写真

 NEC PCは2026年8月25日、個人向けノートPCと一体型PC、2026年夏のラインナップを発表した。今回はその中から16型ノートPC「LAVIE N16」の中位モデルが編集部から送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

できるだけ長く使えることを念頭に置いたノートPC

 ここのところPCレビュー系の記事では毎回のように円安とメモリ高騰のダブルパンチでメモリやSSD、GPUはもちろん、PC本体の価格が過激に値上がりしている話を書いている。執筆時点で下手すれば去年(2025年)同スペックのものに対してざっくり倍だ。

 今回NEC PCが発表したモデルは、このことを踏まえ、購入後、長く使えるように、保守性を高め、バッテリやメモリ、SSDの交換/増設をしやすくしているのが特徴の1つとなっている。

 手元に届いたのは16型ノートPCの「N1665/MA」。Ryzen AI 5 430/16GB/256GB……と、このモデル中では中位に相当する。主な仕様は以下の通り。

NEC「N1665/MA」の仕様
プロセッサRyzen AI 5 430 (4コア/8スレッド、最大4.5GHz、キャッシュ12MB、最大50TOPSのNPU内包)
メモリ16GB(DDR5 SDRAM/SO-DIMM 16GB×1/2スロット1つ空き、PC5-44800対応、最大64GB)
ストレージ256GB(M.2 x2/空き1)、DVDスーパーマルチドライブ[DVD-R/+R 2層書込み]
OSWindows 11 Home(25H2)
ディスプレイ16型1,920×1,200ドット。光沢液晶
グラフィックスAMD Radeon 840M/HDMI、USB Type-C
ネットワークGbE、Wi-Fi 7対応、Bluetooth 5.4
インターフェイスUSB 3.2 Gen 2 Type-C 2基(うち1つはUSB PD、DisplayPort Alt Mode対応)、USB 3.2 Gen 2 2基、3.5mmジャック、Webカメラ200万画素(プライバシーシャッター付き)、microSDメモリーカードスロット、内蔵ステレオスピーカー(2W+2W)、ステレオマイク
カラーバリエーションエレメントブラック、クラリスシルバー、クラリスゴールド、プルシャンブルー
バッテリ駆動時間動画再生時 約9.7時間 アイドル時 約14.0時間
サイズ/重量358.7×254×23mm、2kg
価格26万9,720円

 プロセッサはRyzen AI 5 430。4コア/8スレッド、最大4.5 GHz。キャッシュ 12MBで最大50TOPSのNPUを内包する。SKUがRyzen AI5なのでRyzen AIシリーズの中ではミドルレンジ相当だ。

 メモリはSO-DIMM 16GB×1。2スロットあるので1つ空き。最大64GBまで対応する。シングルチャネル動作になるため、後述するベンチマークテストはiGPUともに不利となる。ストレージはM.2 SSDの256GB。スロット自体は2つ。ただM.2 2280ではなく、M.2 2242なので要注意!またDVDドライブも搭載と、今時としては珍しい構成となっている。

 ディスプレイは16型1,920×1,200ドット。グラフィックスはプロセッサ内蔵AMD Radeon 840M。外部出力用にHDMIとType-Cを装備。

 OSはWindows 11 Home。25H2だったのでこの範囲でWindows Updateを適用し評価した。

 ネットワークはGbE、Wi-Fi 7対応、Bluetooth 5.4。そのほかのインターフェイスは、USB 3.2 Gen 2 Type-C 2基(うち1つはUSB PD、DisplayPort Alt Mode)、USB 3.2 Gen 2 2基、3.5mmジャック、Webカメラ200万画素(プライバシーシャッター付き)、microSDメモリーカードスロット、内蔵ステレオスピーカー(2W+2W)、ステレオマイク。

 バッテリ駆動時間は、動画再生時約9.7時間、アイドル時 約14.0時間。着脱式バッテリを採用している。カラーバリエーションはエレメントブラック、クラリスシルバー、クラリスゴールド、プルシャンブルーの4色。価格は今回の構成で26万9,720円。

 スペックを考えると高価なのだが、先に挙げた理由に加え大手メーカー製ということもあり、ある意味仕方ない部分だ。

前面。パネル中央上にプライバシーシャッター付きのWebカメラ。縁はそこそこ細いだろうか
背面。今回届いたのはクラリスゴールド。中央にロゴのみとシンプル
左側面。Gigabit Ethernet、USB 3.2 Gen 2Type-C 2基(うち1つはUSB PD/DisplayPort Alt Mode対応)、HDMI、USB 3.2 Gen 2、3.5mmジャック、microSDメモリーカードスロット
右側面。ロックポート、DVDスーパーマルチドライブ
キーボードはテンキー付きの日本語標準配列。明るさ±など機能キーはそのまま、ファンクションキーはFnキーと同時押し
キーピッチは実測で約18.5mm。仕様上は、キーピッチ18.7mm、キーストローク1.7mm、108キー(Copilotキー・テンキー付き)
横から。各コネクタが結構ギリギリに収まっており、16型と考えると薄型
裏。手前のスリットがスピーカーR/L。手前に着脱式のバッテリ、その後ろのパネルを外すとメモリ、ストレージにアクセスできる
付属のACアダプタのサイズは約90×45×25mm、重量189g、出力65W
重量は実測で1,951g。2kgを少し切る

 久々に操作する16型ノートPCはやはり大きい。重量2kgを切っているので持ち運べなくはないものの、基本、自宅での据え置きだろう。天板とキーボード面は金属製だが、ほかがプラスチック製。面積が大きいだけにそれが目立つのか高級感はない。

 少し触っただけでは分からない工夫として、底面に水抜き穴を設け水こぼしによる内部侵入を防ぐ、MIL-STD-810H準拠の耐久性もクリア……など、堅牢性も強化されている。

 左側面にGigabit Ethernet、USB 3.2 Gen 2 Type-C(うち1つはUSB PD、DisplayPort Alt Mode対応)、HDMI、USB 3.2 Gen 2 2基、3.5mmジャック、microSDメモリーカードスロット。右側面にロックポート、DVDスーパーマルチドライブ。今時DVDスーパーマルチドライブはどうなの?とは思うものの、それは筆者がPC関係者だからであって、LAVIEがターゲットにしている一般層はまだまだ需要があるらしい。

 16型のディスプレイは、i1 Display Proを使い特性を測ったところ、最大輝度385cd/平方mとかなり明るい。写真の鑑賞/編集で最適とされる標準の明るさ120cd/平方mは、輝度-7ステップで122cd/平方m、-8ステップで80cd/平方m。前者で測定。黒色輝度は0.086cd/平方m。リニアリティは赤が若干違う程度でなかなか良く、十分な性能であることが分かる。光沢液晶なので映り込みはあるものの、そこは発色との兼ね合いもある。

測定結果1/白色点と黒色輝度。黒色輝度は0.086cd/平方m
測定結果2/R・G・Bのリニアリティ。赤が気持ち外れているだけで結構良い

 キーボードは日本語標準配列の108キー。実測でキーピッチは約18.5mm。仕様上は18.7mm、キーストローク1.7mmとなっている。タッチパッドも16型でフットプリントがもともと広いため、十分な面積を確保。ただ個人の趣味趣向もあるだろうが、筆者的にこのタイプのキーボードは好きではない。

 ミニPCのときにいつもやっている内部へのアクセス……は、比べものにならないほど簡単!バッテリは着脱式、メモリとストレージもパネルを外すだけとツールレス。冒頭にも書いたがM.2は2242なので、この点だけは注意してほしい。

着脱式のバッテリ、アクセス容易なM.2 2242スロットとメモリスロット

 発熱は筐体に余裕がある分、ベンチマークテスト中でもほとんど気にならなかった。ノイズはキーボードに耳を当てると若干聞こえる程度。普段使う分にはまったく問題ないだろう。

 サウンドはスピーカーが(斜め)下に向いているため、ほぼ机などに反射した間接音となり抜けはあまり良くない。しかし音量はそこそこ出る。音質に関しては付属のYAMAHA AudioEngineで調整可能だ。Webカメラはクラス相応といったところか。

16GBの割にそれなりに出るパフォーマンス

 初期起動時、大手メーカー製だが、プリインストールアプリはスタートメニューにピン留めされ、昔のようにデスクトップに数多くアイコンが並ばずスッキリしている。速度も一般的な使い方であれば普通に操作可能。特に遅い感じはない。

 SSD 256GBのストレージは「KIOXIA BG7」。仕様によると、シーケンシャルリード 6,400 MB/s、シーケンシャルライト 4,000 MB/s。CrystalDiskMarkのスコアもほぼそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約236GBが割り当てられ空き140GB。BitLockerで暗号化されている。

 GbEはRealtek PCIe GbE Family Controller、Wi-FiはMediaTek Wi-Fi 7 MT7925、BluetoothもMediaTek製だ。

初期起動時のデスクトップ。Windows 11 Home標準に加え若干のカスタマイズ
デバイスマネージャー/主要なデバイス。SSD 256GBのストレージは「KIOXIA BG7」。GbEはRealtek PCIe GbE Family Controller、Wi-FiはMediaTek Wi-Fi 7 MT7925、BluetoothもMediaTek製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約236GBが割り当てられている。BitLockerで暗号化
AMD Software: Adrenalin Edition

 インストールされている主なアプリケーションは、「LAVIEアプリナビ」、「LAVIE簡単設定」、「LAVIEスマートバックアップ」、そして、LAVIEのQ&Aのノウハウを網羅し、チャット形式でユーザーの質問に答えるAI「LAVIE AI Plus」。このAI機能はターゲットが一般向けなので、あれば嬉しい機能といえよう。

LAVIE簡単設定
LAVIE AI Plus。「最近アプリが重いです。速くする方法は?」の回答

 ベンチマークテストは、PCMark 10、3DMark、Cinebench 2026、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Officeを使用した。

 パフォーマンスに関しては、普段試用しているハイエンド系のミニPCと比較した場合、CPU、GPUともにスコアは低くなっているものの、といって特別悪いわけでもない。一般的な使い方であれば特に問題ないレベルに収まっている。

 PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは13時間2分(電源モード/バランス、明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。こちらは12時間超えとかなり長持ち。日中は学校や会社に行っているだろうから、帰宅後であればバッテリ駆動だけで十分動作可能となる。

PCMark 10 v2.3.2912
PCMark 10 Score5,981
Essentials8,705
App Start-up Score7,077
Video Conferencing Score7,944
Web Browsing Score11,734
Productivity10,481
Spreadsheets Score11,996
Writing Score9,159
Digital Content Creation6,365
Photo Editing Score8,928
Rendering and Visualization Score4,919
Video Edtting Score5,873
3DMark v2.32.8897
Time Spy1,432
Fire Strike Ultra857
Fire Strike Extreme1,758
Fire Strike3,366
Sky Diver11,681
Cloud Gate17,138
Ice Storm Extreme103,804
Ice Storm140,116
Cinebench 2026
CPU Multi Thread1,728
CPU Single Thread424
CrystalDiskMark 8.0.5
[Read]
  SEQ    1MiB (Q=  8, T= 1):  6324.835 MB/s [   6031.8 IOPS] <  1325.32 us>
  SEQ    1MiB (Q=  1, T= 1):  3297.282 MB/s [   3144.5 IOPS] <   317.75 us>
  RND    4KiB (Q= 32, T= 1):   433.307 MB/s [ 105787.8 IOPS] <   292.84 us>
  RND    4KiB (Q=  1, T= 1):    62.322 MB/s [  15215.3 IOPS] <    65.60 us>

[Write]
  SEQ    1MiB (Q=  8, T= 1):  4355.172 MB/s [   4153.4 IOPS] <  1922.03 us>
  SEQ    1MiB (Q=  1, T= 1):  3081.308 MB/s [   2938.6 IOPS] <   339.96 us>
  RND    4KiB (Q= 32, T= 1):   211.966 MB/s [  51749.5 IOPS] <   612.87 us>
  RND    4KiB (Q=  1, T= 1):    60.343 MB/s [  14732.2 IOPS] <    67.74 us>

 以上のようにN1665/MAは、Ryzen AI 5 430/16GB/256GBを搭載した16型ノートPCだ。今回試用した構成以外にも予算や用途に応じてカスタマイズも可能。着脱式のバッテリ、メモリとストレージにアクセスしやすいのもありがたい。

 価格に関しては思うところもあるだろうが、現状では仕方ない部分だ。円安とメモリ高騰が収まるまで、本機のコンセプトの1つ「長く使う」で何とかするしか手がないだろう。大手メーカーの手厚いサポートを期待するユーザーにお勧めしたい1台といえよう。