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3Dプリンタで使えるゴム。住友ゴム工業が開発
2025年6月20日 10:31
住友ゴム工業は、光造形式の3Dプリンタで加工できる、紫外線照射によって短時間で硬化する新しいゴム材料を開発したと発表した。
今回、高い復元性と繰り返しの圧縮に強いゴム材料を独自開発し、3Dプリンタで加工できるようにした。同社が長年のタイヤ開発で培ったゴム配合/内部構造分析といったノウハウを駆使したという。これまで3Dプリンタで主に使われている樹脂(プラスチック)で不可能だった弾力性、耐衝撃性、柔軟性を実現する。
具体的には、長時間かつ高温で圧縮負荷(70℃/22時間/25%圧縮/圧縮玉(JIS-K-6262))をかけた場合でも高い復元性を実現するとともに、2,000万回の繰り返し圧縮試験(オリジナル3次元構造体/圧縮量50%/繰り返し周波数5Hz/構造破壊もしくは3%歪を超える回数)にも耐える圧縮耐久性を実現したという。
これにより、人間の指と同じような滑りにくいロボットハンドの指部分や、人間の臓器と同じような柔軟性/弾力性を持つ医療訓練用臓器シミュレーションモデルの製造が可能になる。3Dプリンタの使用用途を大きく広げられるとしており、今後、ロボット、医療、自動車、スポーツなどの分野において活用が期待される。